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#9 傲慢な槍使い

「おやおや……随分なご自信じゃあないか! だけど、これはあくまでチームプレイだよ?」

「ええ、ですから! この戦いでは皆さんは、足手纏いにさえならなければいいと言っているんです!」

「……へえ?」

「こ、鉱美……」


 上空の敵を仰ぎながら。

 私たちは場違いにも、言い争いをしている。


 ……いいえ、間違えたわ。


 場違いなのは私たちじゃない、あんたよ鉱美!


「あんた、いい加減にしなさい! 碌に役に立ってないくせに」

「おっと……クリティカルスキル、鋼鉄鋭弾(メタルエッジ)。」

「くっ! あんたねえ!」


 私が、そう言ってやったけど。

 鉱美の奴、そうこうしてるうちに低空飛行で迫って来る小型の魔砲獣相手にまたぶっ放したわ!


「さあ、無駄口叩いている場合じゃないでしょう? ここは、何を優先すべきなのかお考えになられては?」

「くっ……本当に、あんたねえ!」


 普段の無口振りが嘘のように、鉱美は小憎らしくも私たちにそんな風に言い張る。


 あんた……本当に!


「まあ、確かにその通りだ……そんなに言うなら見せてもらおうじゃん、あんたのお手並みを!」

「! 利澤先輩!」


 ち、ちょ先輩!?

 何でですか、あいつの好きにさせる気ですか!


「まあこういうタイプはやらせてみるのがいいのさ、向氷ちゃん。」

「ああ、その通りだな利澤!」

「凄そー!」


 まったく……

 私もう、どうなっても知らないですからね!


 ◆◇


「さあ……クリティカルスキル、鋼鉄鋭弾(メタルエッジ)! 美葉、あんたも援護しなさい!」

「り、了解! クリティカルスキル、投石投射(ロックショット)。」


 まあ、揉めてる場合でもないので。

 一旦私たちの専用車が森を囲んでいるさなか、魔砲獣たちが迫っている地点は石見姉妹に任せて。


 それにより姉妹は、合同で魔砲獣の群れに誘導弾群を撃ち込んで行くわ!


 ギャアア!

 キシャアアア!


 それにより魔砲獣たちは、弾を次々と喰らい空の藻屑と化していくわ。


「ふん……やっぱりだわ。美葉、あんな連中について行けばこちらも貧乏くじまっしぐら。だから、ここでどっちにつくべきなのか決めなさいよっと!」

「こ、鉱美……」


 ふん、いつもの無口が嘘みたいじゃない鉱美!

 よくもまあ、そんなに抜け抜けと私たちの悪口を饒舌に語れたものね!


 まあそんな無駄口叩きながらも、尚も正確に魔砲獣を撃ち抜くその姿は一応言うだけはあるわ。


「さあ……一匹残らずこの森に入れちゃダメよ! ほら、行くわ美葉!」

「は、はい!」


 言いながら鉱美は、美葉を促し。

 更に接近して来る魔砲獣たちを、狙い撃ちしてるわ!


 ◆◇


「まったく……やっぱり、あの娘たちとは仲良くできそうにないねえ!」


 尚も魔砲戦車でオアシスを周回しつつ、利澤先輩はそう漏らすわ。


「ええ、まったくです……っ! 利澤先輩、一時の方向に!」

「おっと、そうだねえ! スキル、雷鳴刃!」


 利澤先輩は自車の光線砲を振るい、空に孤の形をした光線を放っていくわ!


 名前:利澤神奈

 年齢:17歳

 グレード:3

 ジョブ:光線砲使い(セイバー)

 スキル:雷鳴刃発射

 クリティカルスキル:豪雷撃投射砲サンダリングカタパルト


 装備

 零式三十七ミリ光線砲

 新全零式光線魔砲戦車


 あ、利澤先輩のステータスよ。

 初めて見せる通常スキルで先輩は、この森に迫る魔砲獣たちを切り刻んでいくわ!


「さすがです、利澤先輩!」

「ははは、そうだろう! さあ、早く! あたしらがこの森を」

「critical skill! 光輝暴投砲(フォトンシューター)!」

「!? くっ、ありゃ……アメリカさんかい!」


 と、私たちが得意になっている所へ。

 スナイプダム学園も、魔砲獣たちに攻撃を仕掛けたわ!


 名前:クリスティーナ・サンダース

 年齢:15歳

 グレード:3

 ジョブ:光線砲使い(セイバー)

 スキル:光子弾発射

 クリティカルスキル:光輝暴投砲(フォトンシューター)


 装備

 NP3三十七ミリ光線砲

 NP1光線魔砲戦車


 ……うん、これがあいつのステータスなのね。

 いや待って、あんた15歳なのにグレードは1じゃないの!?


「YES! 飛び級クラスはすごいでしょ!」


 ……なるほど、あんた飛び級してんのね。

 さすがはアメリカだわ!


「こりゃあこっちも負けてられないねえ……さあ行くよ風間に向氷ちゃんに火南!」

「言われるまでもねえさ!」

「はい! ほら早くあんたも、火南香乃音……って!? ど、どこ言ったの!?」


 私は火南香乃音の姿があいつの魔砲戦車ごと消えているのを見て、慌てて周囲を見渡す。


 だけど……ったく!

 もう、あいつも石見姉妹と同じくらい勝手なんだから!


 ◆◇


「クリティカルスキル、鋼鉄鋭弾(メタルエッジ)!」

「クリティカルスキル、投石投射(ロックショット)。」


 その頃。

 相変わらず、二人だけで森周囲の一箇所に止まり抵抗を続ける石見姉妹だけど。


「も、もう限界じゃない鉱美! は、早く先輩たちと一緒に魔砲陣形を」

「そんなの、死んでもやるわけないでしょ! ここは私たちで」

「!? こ、鉱美危ない! 投石投射(ロックショット)!」

「!? み、美葉!」


 予想外に大挙して押し寄せて来る魔砲獣相手に、二人はこれまた予想外の大苦戦を強いられていたわ!


 でも、その時だった。


「クリティカルスキル、業火電磁砲カタストロフィーレールガン!」

「! な!」


 二人を援護したのは、火南香乃音!


「お待たせ、二人とも♪」


 相変わらずの調子で、火南香乃音は石見姉妹に笑いかけたわ。


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