#21 霧と砂嵐のコントラスト
「これは……中国の援護射撃かい! まったく、余計なことを!」
利澤先輩、まあそうですが……
今は、これを利用できそうですよ!
「ああ、まあこれも僥倖と言うべきか……さあ、今のうちにこっちの反撃開始だよ皆!」
「はい!!!!」
「はーい♪」
利澤先輩の呼びかけと共に。
私たちも、俄然やる気が再起する!
「ううむ、噂に聞いていた通り激しい戦いだなあこれは……さあて、地下鉄道も。お手並み拝見といったところかねえ……」
一方、お客様は。
この戦いを、どこか他人事のように見ていたけど――
◆◇
「くっ、こりゃ何だ!?」
「敵の攻撃よ、シャドウ! しっかし……目眩しの能力を持つ私に対して、そっちも目眩しの能力を使って来るとはいい度胸じゃないの!」
シャドウとサンドの方も、目が眩まされて混乱してるわ。
まあ、普段自分たちが目眩ししてる分される側になった気分はどうかしら?
「クリティカルスキル、豪雷撃投射砲!」
「クリティカルスキル、大嵐弾幕!」
「クリティカルスキル、鋼鉄鋭弾!」
「クリティカルスキル、投石投射。」
「クリティカルスキル、凍結砲華!」
「クリティカルスキル、業火電磁砲!」
「ぐっ……くそ!」
だけど、私たちだっていつまでも後手後手には回らないわ。
さあ、反撃の狼煙よ!
「参ったなこりゃ……魔砲獣、高度変更だ! より高く飛べ!」
あらあら、シャドウの奴ったら。
自車を抱える魔砲獣に指示を出して、あちらも早速反撃かしら!
「……クリティカルスキル、黒影魔忍!」
「おうやそこかい……だけど! クリティカルスキル、豪雷撃投射砲!」
あら、そうして高空から私たちを狙い暗黒エネルギー弾を放つシャドウだけど。
お生憎様ね!
霧と砂嵐が支配していて景色がぼんやりとしたこの戦場の中でも、高空に浮かんだあんたの魔砲戦車はやはり暗黒エネルギーを纏っていて目立つ。
だから、利澤先輩が撃ち落としてくれるわ!
「何だい何だい、もう撃ち落としちまうよ!」
「ぐ……ぐああ!」
そのまま利澤先輩は砲塔をぶん回し。
光線はさながら剣のように、シャドウの自車を抱えた魔砲獣たちを一閃し。
シャアアア!
シャドウの自車を抱えた魔砲獣は、撃墜されたわ!
「うわあああ、やーらーれーたー! ……なんてな!」
……と、思いきや。
は? なんてな?
何言ってんのよ、あんたはもう撃ち落とされて――
「……クリティカルスキル、黒影魔忍!」
「ぐっ……きゃああ!!」
って、な!?
な、何で!
シャドウが撃ち落とされてもういないはずの空から、暗黒エネルギー弾による攻撃が!?
「ははは、勝ちを確信すんの早いんだよ! もう一度、お空をよおく見てみ?」
な、何ですって?
そ、空?
私たちは戦場に拡声されたシャドウの言葉通り、もう一度空を見てみれば。
な!?
「おいおい、嘘だろ!? そ、空に黒い影がこんなに!」
風間先輩が、今言ってくれたように。
何と、やはり霧と砂嵐で霞む中でもはっきりと暗黒エネルギーに覆われた魔砲獣たちが!
くっ、シャドウ。
自車を抱える魔砲獣以外も、暗黒エネルギーで覆ったのね!
◆◇
「なあるほど……新手の目眩しかい! だが、そんなもの子供騙しだよお!」
「ほう? なら食らえ……クリティカルスキル、黒影魔忍!」
利澤先輩は、そんな中でもシャドウを煽り。
シャドウは、そんな先輩に暗黒エネルギー弾を見舞い――
「やっぱりねえ……そこだあ! クリティカルスキル、豪雷撃投射砲!」
だけど、なるほど!
利澤先輩、敵弾の向きから発射元を特定して。
その方向目がけて、先輩らやはり自分の砲塔から光線を放つ。
たちまち伸びた光線は、敵弾の発射元たる黒い影を捉え――
キシャアア!
「よ、よし! こ、今度こそ」
「うわああ、やーらーれーたー……なんてな! また外れだよクリティカルスキル、黒影魔忍!」
って、また!
外れらしいわ、暗黒エネルギー弾の応酬よ!
「く……この!」
「あたしが行くさ、あたしがこの魔砲牽引二輪車で!」
「か、風間! 勝手な行動は」
風間先輩、利澤先輩に止められたけど。
ブー!
魔砲牽引二輪車を駆って、上星号から飛び出して行っちゃったわ!
◆◇
「クリティカルスキル、大嵐弾幕! クリティカルスキル……」
キシャアアア!
ガアア!
か、風間先輩すごいです……
上星号から飛び出すや否や、魔砲牽引二輪車で走り回って空の影片っ端から撃ち落として行くなんて!
「ああ、あんたがその気なら……こっちが片っ端から撃ち落としゃいいだけの話だかんな!」
「ふふ、そう簡単に行くかよ……クリティカルスキル、黒影魔忍! クリティカルスキル」
「ぐっ!?」
「きゃあああ!!」
だけどシャドウは、ならば意趣返しとばかりに。
風間先輩や私たちに、暗黒弾を連発してきたわ!
今、無数のエネルギー弾幕が降り注ぐこれは。
暗黒エネルギーの雨だわ!
「楓華ちゃん……また危ないこと! 私も行く!」
「な……ま、待ちなさい火南香乃音!」
見かねた火南香乃音の奴、もうまた!
私の制止も聞かずに、風間先輩同様自車を上星号から発進させたわ!
◆◇
「(是、このまま……あと少し……)」
そんな私たちに対して、何か企んでいるのは。
何と、今霧を出してくれてる中国の魔砲少女だったわ!




