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#15 影の襲撃

「さあ……私の屈辱を思い知れ! スキル、暗黒弾発射!」

「くっ……防御魔砲陣形崩すんじゃないよ皆! 何としても死守しな!」

「はい!!!」

「ああ利澤! 言われなくたって!」

「はーい♪」


 四方八方から迫る、暗黒エネルギー弾を。


「クリティカルスキル、凍結砲華フローズンデトネーション!」

「クリティカルスキル、鋼鉄鋭弾(メタルエッジ)!」

「クリティカルスキル、投石投射(ロックショット)。」


 私たちも、尚も防御型の円形陣形を組んだまま迎撃し続けているわ!


「ふん、どこを狙っている? ……クリティカルスキル、黒影魔忍(シャドウマギウス)!」

「ぐうっ!?」

「きゃあ!」


 だけど、砂嵐に加え暗黒エネルギーによる隠密攻撃を仕掛けて来るシャドウには一撃も当たらず。


 私たちには返り討ちとばかりに、これまた暗黒エネルギーによる砲撃が見舞われるわ!


 これが初めてじゃない、何度目かだったこともあって。

 蓄積されたダメージによって私たちが自車で組んでいた、防御魔砲陣形は大きく崩されてしまったわ!


「ふふ……さあ、隙アリだ!」

「くっ、利澤先輩! このままじゃ」

「クリティカルスキル、大嵐弾幕(ストーミーバレット)!」

「くっ! こいつ!」


 か、風間先輩!

 私たちが混乱している中でも、先輩は。


 自分が高い機動力を誇ることを自覚していて、自車の魔砲牽引二輪車(ケッテンクラート)を駆り。


 突撃して来るであろうシャドウの戦車を警戒して、私たちの周りを砲撃しながら回ってくれているわ!


「風間先輩!」

「楓華ちゃん!」

「いいから! 利澤、しっかりしろ。早く皆の体勢を立て直させんだよ!」

「風間……ああ、もちろん! あんたに言われるまでもないよ!」


 風間先輩の言葉に、利澤先輩も奮起して。

 私たちに指示を飛ばして、体勢を立て直し始めてくれたわ!


「なるほど、ただでは転ばないということか……サンド! 思った以上に骨のある奴らみたいだ、もっとすごい砂嵐をお見舞いしてくれるか?」

「ああ、分かったわ! さあ、食らいなさい……クリティカルスキル、砂嵐紊乱者(サンドコンフューザー)!」

「きゃっ! 砂嵐が強まってきた!」


 だけどシャドウも、負けじと。


 サンドに言って、この通り読んで字の如く私たちに対する風当たりを強めたわ!


「ああ、サンキューだサンド! これで少しは狙い安くなった……上星学園街の奴ら!」


 シャドウはそう言って、改めて私たちを照準し始めたわ!


 ◆◇


「Critical skill、雹群降雨弾(ヘイルシャワー)!」

「Critical skill、虹霓弩弓(レインクロスボー)!」

「YES、とにかく撃ちまくるのよ! この砂嵐を、少しでも晴らすために!」


 その頃、スナイプダムの魔砲戦車隊は。


 無駄と思いつつも、雨を降らして砂嵐を晴らそうと虚空に攻撃を打ち上げてくれているわ!


「はっ、無駄だって言っているでしょ? 私の砂嵐が、そんなもので晴れるもんですか!」


 サンドは余裕ぶっこいて、自車からそう言っているわ。


「さあシャドウ、早く止めを刺しなさい!」

「サンド……悪いが、少し移動してくれないか?」

「は? 何ですって?」

「奴ら……何をトチ狂ったのか陣を組んだまま移動し始めたのさ!」

「な……何ですって!?」


 だけどそんなサンドの表情から、余裕の笑みが消えたわ。

 そう、私たち。


「さあ、後衛の3台は後進! 前衛の3台は前進! 後衛は攻撃を絶やすんじゃないよ! あたしたちは転進だ!」

「了解!!!!」

「はーい♪」


 利澤先輩の言う通り、後衛に石見姉妹のミサイル魔砲戦車と風間先輩の魔砲牽引二輪車(ケッテンクラート)が砲撃をしながら後進し。


 更に前衛の私と火南香乃音、利澤先輩の魔砲戦車が前進し。

 この6台で円形の防御魔砲陣形を組んだまま、今移動しているわ!


「ふん、もう手詰まりか……私はこのまま前進する! サンド、お前も移動だ! 纏っている砂嵐――いや、砂の大嵐を台風のように移動させて、これで終いだ!」

「ええ、了解したわ……ふん、何だかつまらないわね!」


 それをシャドウは、自車の魔砲戦車で追いかけ。

 更にサンドも、自車を砂嵐纏ったまま移動させたわ!


 ◆◇


「さあ、花向けにしてやるさ……スキル、暗黒弾発射!」

「クリティカルスキル、大嵐弾幕(ストーミーバレット)!」

「クリティカルスキル、鋼鉄鋭弾(メタルエッジ)!」

「クリティカルスキル、投石投射(ロックショット)。」


 そのままシャドウは、尚も私たちの尻に食らいつかん勢いというべきかしら。


 攻撃の数々を見舞うけど、後衛の風間先輩や石見姉妹が迎撃してくれてる!


「利澤先輩!」

「狼狽えなくていいさ、向氷ちゃん! さあ、もうすぐだよ……恵みの雨が降り注ぐさ!」


 私の心配の声に、利澤先輩はそう返してくださったけど。

 め、恵みの雨ですか先輩?


 それって、今もスナイプダムの人たちがやってくれてる攻撃のことで?


 ……いや、無理ですよ利澤先輩!

 そんなんじゃ私たち


「ふふ……さあ、終わりだ!」

「ええ、さあやっておしまいなさいシャドウ!」


 くっ……そうするうちにも!

 シャドウとサンドは、私たちを虎視眈々と狙っているわ!


 このままじゃ、私たち――


「ん? 雨、か……?」

「はん、またアメリカの連中ね! シャドウ、心配することないわ。こんな攻撃で私の砂嵐が晴れるかってのよ……って!?」


 と、その時だったわ。

 何と突如降り注いだ雨――それは結構な大雨で。


 たちまち、サンドの砂嵐を掻き消していくの!


「な……何でこんな」

「ははは、見なよ向氷ちゃん! あれを!」

「あれ、ですか利澤先輩……って、あれは!?」


 突然のことで動揺する私だけど、利澤先輩に促されて前を見てみれば。


 そこには、あの魔砲獣たちが築き私たちが奪った森が――


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