初耳な情報が多い登場人物紹介
キャラ紹介というか、もはやちょっとした設定資料集。
基本的な設定も軽く記載していますが、メインは未公開情報を載せまくる、作者の作者による作者のための供養コーナー。五千字近くある。
まともに読むだけ時間の無駄なので、気になるキャラクターのところだけ流し読みしてください。
主要人物
◆リンソーディア・ロゼ・ティルカーナ
琥珀金の髪、アメトリンの瞳。本編開始時点で十七歳。
公爵令嬢としての能力はチート気味。芸術品のごとき美貌を持つ。
落城後、一番の得物である鉄扇を鋳造してくれていたお馴染みの鍛冶屋に行けなくなってしまったため、鉄扇の予備がなくなり乱発できなくなってしまった。そのため作中では他の武器を使うことが多い。
ヴェルフランドのことは無意識下でずっと特別に想っていたが、それが表に出てきたのは落城がきっかけ。実際ヴェルフランドのリンソーディアに対する態度は第一話からほとんど変わっていないが、リンソーディアの態度は話数を重ねるごとに徐々に変化してきている。
瓶底眼鏡は子供が生まれる少し前に卒業。あと、なぜか注射がめちゃくちゃ苦手そう。
◆ヴェルフランド・セス・アークディオス
銀髪、深海の瞳。本編開始時点で十九歳。
普段は真っ黒に見える瞳だが、光の加減や感情の動きによっては深い青に見えることがあるため『深海の瞳』と呼ばれている。
唯一の弱点は寒さ。リンソーディアのせいで料理の腕が爆上がり。
のちにローゼス姓を名乗るが、由来は『ロゼ』と『セス』より。
冷酷非情で人を殺すことに躊躇いはないが、一度愛したらどこまでも深く相手を愛するという正反対の一面も併せ持つ。そのわりに愛されたい願望が異常なまでに欠落しているのが恐ろしい。彼は本当に人間なのだろうか。
子供が生まれてからは比較的まともに父親をやっている。が、リンソーディア第一主義は永遠に変わらない。
ティルカーナ公爵家
◆ソティーリオ・シド・ティルカーナ
髪と瞳の色は妹とまったく同じ。ヴェルフランドと同い年。
リンソーディアを溺愛する超絶シスコン。特技は死んだフリ。
誰もが羨む頭脳と誰もが憧れる美貌を併せ持つ、タチの悪い美青年。
皇宮では眼鏡をかけており、戦場では外している。つまり伊達眼鏡である。
公爵家嫡男ということで、三人の皇子たちとは公平に接するよう心がけていた。しかしリンソーディア経由でヴェルフランドとは子供時代から密かに交流を重ねているため、最終的には誰の目から見ても二人は親友と呼べる間柄だった。
◆ドゥーガルとマルグレート夫妻
兄妹の髪色は母譲り、瞳の色は父譲り。
ドゥーガルはヴェルフランドとソティーリオを二人同時に相手取って互角だったくらい強い。
マルグレートは軍師の軍扇を普段使いにする変わり者だが、娘は鉄扇を普段使いにしていたので似た者母娘である。
◆ワイアット・ルネ・ティルカーナ
皇室図書館の司書長。腰がほぼ九十度に曲がっている。
ドゥーガルの祖父で、リンソーディアの曽祖父に当たる人。
息子夫婦が早くに戦死したため、孫のドゥーガルを育て上げ、ポンコツ皇帝の教育も担当した過去を持つ。
チェザリアン王国
◆グレース・ダンハウザー
ダンハウザー侯爵家の次女。王立学院では常に首席の才女。
本人はリンソーディアたちのことを恩人だと思っているが、なにげにリンソーディアたちにとっての恩人でもある。
ひたすら学問を極めたくてお見合いも縁談も片っ端から蹴りまくっていたが、ある日リンソーディアにワケあり天才研究者を紹介されて妙にウマが合い、間もなく押しかけ女房と化す。そして数年かけて妻の座を手に入れた。
◆エミリー
ダンハウザー侯爵家に仕える、グレース付きのメイド。
迷いの森で遭難しかけていたところをグレース共々救われる。
考えてみれば、あの状況で生き残っていたのはものすごい奇跡であり、よほど日頃の行いがいいのではないかと思われる。
グレースが結婚した時には一緒にサラサエル村までついてきた忠義のメイド。
◆セラフィーナ・レーベルト
第十三監獄の看守長。レーベルト伯爵夫人。
政略結婚だったが夫婦仲は意外にも良好。喧嘩は山ほどする。
じつはレーベルト夫妻に関しては短編一本どころかシリーズ一本できそうなほどの設定があった。が、需要がないのでお蔵入り。いずれこの設定をどこかで活かしたい。
◆アイザック・ハミルトン
第十三監獄の副看守長。元チェザリアン王国の騎士隊長。
編み物が得意で、後日談では予想外にキーパーソンを務めた。
責任感が強く、仲間思い。脳筋に見られがちだが、頭の回転が早くて頭脳派な一面もある。作中では貴重な人格者。
◆ハウエル・サラサエル
第十三監獄の看守兼厨房担当。元傭兵。
いつもニコニコしているが、第十三監獄のなかでは一番得体が知れない人物。
兄が片目を失ったのは自分のせいだと思っており、ずっと会いに行けていなかった。が、セラフィーナの強引な命令によりサラサエル村へ派遣される。そこで兄と再会。いろいろ話し合って、わだかまりも解消された。
◆ノルベール
第十三監獄の看守。元ヴェルフランド付きの騎士。
明るくて陽気な性格からは想像できないが、じつはルーダロット王国の出身で、無実の罪で故国から追放された経歴を持つ。その後ヴェルフランドと出会い、流れでたまたま命を救われ、勝手に彼を主と定めて今に至る。恐らくヴェルフランド付きのなかではかなりの古参。
◆ラシェル
第十三監獄の厨房係兼清掃係。元ヴェルフランド付きのメイド。
鉄壁の無表情は暗殺者時代の名残り。もともとは皇妃付きのメイドで、ヴェルフランド暗殺のため第三皇子付きとなった。
しかし、百発百中とされたラシェルでさえヴェルフランドの暗殺は困難を極め、ついにはあまりにも強い彼に屈服し、皇妃を裏切って服従するようになる。
◆モニカ・マクレーン
第二監獄の看守。ガイアノーゼルのアイドル的存在。
オズウェル信者たちの脱獄事件で人質になってしまって以来、ますます真面目に鍛錬に打ち込むようになった。
◆ビクトル・ダンハウザー
グレースの兄。次期侯爵。
彼が七色果実の販売優先権を得たことで、ダンハウザー侯爵家はその地位をますます不動のものにした。
ちなみに作中には登場しないが、グレースの姉でビクトルの妹の名前はジャネットである。
◆イザベラ
チェザリアン王宮で働く王女付きメイド。
リンソーディア曰く「真っ当な神経を持つ」人物。
それなのに第八監獄送りになるのだから、つくづくこの作品は一般人には優しくない。
◆虐殺のメルセデス
◆蠱惑のオズウェル
◆錠破りのダリウス
◆毒婦のクラリッサ
◆低脳トリオ
第十三監獄の囚人たち。全員が超危険人物。
※ちなみに低脳トリオとは、リンソーディアが大掃除をした際にチンピラのごとく喚いていた三人組のこと。第十三監獄に似つかわしくない普通の犯罪者に見えるが、過去に大量の薬物を投与されたことで思考力の大幅低下、及び体力と筋力の大幅増強という副産物を得た、紛うことなき狂人どもである。
※そして毒婦のクラリッサは未登場キャラ。彼女の手にかかり命を落としたり発狂したりした元夫の数は軽く十を超える。設定だけをここで供養。
※なお、地下監獄の奥にある『化け物級の犯罪者を封じ込めておく特殊監房』は物語に絡んでくる予定だった。が、内容を大幅に削った際に没となったため、その存在だけが作中で登場している。
ウィズクローク大帝国
◆クライザー・ラノン・ド・ウィズクローク
ウィズクロークの皇太子。リンソーディアに凄まじく執着している。
ヴェルフランドとは似て非なる存在であり、ソティーリオ曰く「ヴェルフランドの劣化品」。恐らくヴェルフランドもリンソーディアと出会うのがあと少し遅れていたら、もっとクライザー寄りの人間になっていたと思われる。
愛するものは何がなんでも手に入れて、自分のそばに置いておきたい性質。
リンソーディアに引導を渡されてからは、少しだけ憑き物が落ちたようになった。
◆パトリシア・チェザリアン
クライザーの婚約者。終盤では無事結婚して皇太子妃となっている。
どこかしらおかしい悪人や異常者だらけの本作においては、ほぼ唯一の完全なる光属性であり、そのため逆に浮いた存在となってしまっている気がする。
善人のほうが浮いてしまうこの作品は本当に悪人だらけで、作者の倫理観が疑われそうで怖い。
◆キリアン
クライザーの腹心で、乳兄弟。
恐らくクライザーからもっとも信頼されている部下であり、一から十まで命じなくてもクライザーと同じ判断をくだせるほど有能な人。
サラサエル村
◆エド・サラサエル
隻眼の天才研究者で、迷いの森研究の第一人者。
結婚願望は特にないが、どうせなら自分の研究に理解を示してくれそうな奥さんが欲しいと思っている。そのため迷いの森に平然と出入りできるリンソーディアに出会い頭で求婚し、ヴェルフランドに警戒された。別にそこまで本気だったわけではない。
そしてリンソーディアに紹介されたグレースと対面し、なぜか猛烈に気に入られてしまう。学問一筋のグレースと、研究一筋の博士。年齢は一回りほど離れているが、無事結婚まで漕ぎ着けた。
◆ニール
サラサエル村の自警団のひとり。元ヴェルフランド付きの騎士。
以前は皇帝陛下直属の騎士だったが、ヴェルフランドが十歳の時に皇子付きになるよう命じられた。ワケあり軍団な第三皇子付きのなかでは、唯一まともな経歴を持つ存在。
◆ブリジット
サラサエル村の酒場を切り盛りする女主人。既婚者。
作中では数少ない常識人。ツッコミ役としても大活躍。
村の婦人会を統べているのではないかと思うほど影響力のある人。でも面倒見がいいあまり、リンソーディアとヴェルフランドには最初から最後まで振り回され続けた。可哀想。
アークディオス帝国
◆ポンコツ皇帝
彼は皇帝である。名前はまだない。これから先も恐らくつかない。
平々凡々とは彼のためにある言葉。それなのに玉座に就くことになってしまった苦労人。
公爵家のドゥーガルとは幼なじみで、問題児である彼には昔も今もよく振り回されていた。
ちなみに子供たち四人とも、瞳の色は皇帝から受け継いでいる。
◆アノーヴァンとラトヴィッジ
ヴェルフランドの異母兄。
優秀すぎる弟を恐れ、疎み、避けていたが、本当は弟を傷つけたくなくてそうしていた。
長兄アノーヴァンは、ウィズクロークに踏み込まれた時に服毒して自害。
次兄ラトヴィッジは、多数を相手に奮戦するもまともに勝てる数ではなく戦死。
◆皇妃とエヴィータ
皇帝とは政略結婚だった皇妃。国内の侯爵家の出身。
誰ひとり味方がいない皇宮で唯一頼れる存在が夫であり、関係もそこそこ円満だったが、皇帝が第二皇妃を娶ったことでその均衡も崩れることになる。
エヴィータは肝が据わった末の妹。逃げようと思えば逃げられたが、父や兄と共に没することを選んだ。
じつはソティーリオに仄かな想いを寄せていたが、まったく全然これっぽっちも気づいてもらえなかった。
◆ヴェルフランドの実母
チェザリアン出身の天才ピアノ奏者。息子と同じく美しい銀髪を持つ。
かつては王立学院で有名な才女だった。王立学院はわりと周期的に際立った才女を輩出することでも有名で、彼女の次に現れた才女がグレース、そしてその次に現れるのが……。
未来編
◆スフィリア・ローゼス
リンソーディアとヴェルフランドの娘。
父譲りの銀髪と、母譲りのアメトリンの瞳を持つ。
嫁いでくる何年も前から頻繁に村を訪れていたグレースに師事。それにより、もともとの明晰な頭脳と才能が一気に開花。恐ろしいことになる。
戦闘面ではなぜか軍師方面ではなく隠密方面の道を突き進み、このままいけば諜報と暗殺のスペシャリストになる日も間近。そのため家族はみんな「どうしてそうなった?」と首を傾げている。
◆アレクシス・ローゼス
リンソーディアとヴェルフランドの息子。
髪色も瞳の色も姉とまったく同じ。家族が大好き。
天性の戦闘センスに恵まれたが、姉がおかしな方向へと突き進んでいるので、とりあえず軍師としても戦士としても動けるように多種多様な訓練を受ける。しかしそれができる時点でめちゃくちゃ器用だし、すでに天才。




