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1話
俺は睡眠を妨げるようにうるさく響くアラームに仕方がなくも目を覚ましつつ、台所に向かうと
「お兄ちゃん、おはよう」
と元気いっぱいな笑顔であいさつをされた。俺は
「あぁ、おはよう美宇」
と返し椅子に座る。俺の両親はどちらとも仕事で忙しくほとんど帰ってこない。だからご飯は美宇がすべて作ってくれている。俺も手伝おうとしたのだが
「お兄ちゃんは料理下手なんだから私がやる」
と言われてしまいそれからは妹に任せている。
「ごちそうさま」
「ねぇお兄ちゃん、今日は早めに帰ってきてね」
「何かあったか?」
「なんでもいいのとりあえずお願いね」
と念を押されるように言われた。まぁ今日はどこかによる予定はなかったので素直に早く帰ろうと思い家を出た。