第1話
高校2年の俺、栗井波符はその日の夜バイト帰りでいつもの帰路についていた。
その時、俺は周りが暗いため、人をみても、性別から年齢までわからない状態だったためそいつを見ても年齢から性別まで見た目はわからなかった。
するとそいつに道の端で話しかけられた。
「なあ、占いを受けて行かないか?今なら無料でしてやるぞ。」
胡散臭いと俺は思ったが、無料という言葉につられて返答してしまった。
「無料なのか?なら悪くないな。占いをしてもらおう。」
無料なら受けるだけ受けてもデメリットは少ないだろう。
「じゃあこっちだ。」
声も中性的で性別がわからない。
まあ、そこは気にするところではないだろう。
路地を少し進むとそこにはボロボロの一軒家があり、中に入ると1つのテーブルと2脚の椅子が置いてあった。
「ここに座ってくれ。今から君を占う。少し時間がかかるが良いか?」
「ああ、少しならいい。急いでないしな。」
「じゃあ始めさせてもらう。」
それから1、2分待つと、占いが終わった。
「ふむ。君は3日後とある事件に巻き込まれる。クラスメイト全員とともに。
それは拒否もできるし、そのまま放置していても構わない。
まあ、どちらにしろ君の運命を大きく左右するだろう。」
・・・は?
こいつ何言ってんだよ。
急にそんなこと言われても脳の処理が追いつけねえよ。
流石に胡散臭すぎると思い、ボロボロの一軒家から出て行こうとした。
すると、その胡散臭い占い師は
「出ていくのか。まあ、いい。
最後にこれだけ忠告しておこう。
3日後君は絶望と希望どちらも味わうことになるだろう。だが君にはそれを打開する能力を1つだけ持っている。
だが、それは君のコミュニケーション能力や
財力とかそういうことではない。
ライトノベルの主人公のようなクソ強い能力を持っているわけでもない。
その能力は3日後にわかる。
言いたいのはこれで終わりだ。
じゃあな少年。」
「・・・まあここに訪れるのはこの1回じゃないと思うがな。」
その声は俺に届かず、そこを黙って立ち去った。