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逃げた私と変わる私。

作者: 暁希

さようなら。あなたが愛してくれていないことはわかっていました。本当はあなたに感謝していましたからあなたが妾を作っても妻として支えようと思っていました。でも私には無理です。逃げてしまった私を許せとは言いません。だってあなたはこのパーティーで婚約を破棄するんでしょ?

傷ものとして生きるのはもう十分です。



なぜ私を愛してくれないのかなんて分かりきっていましたよ。この世界じゃ忌むべき暗い髪色に暗い瞳の色。それに顔も美しくない、性格もこんな。好きになる要素なんてないですもの。

私にあるのは公爵家のお金だけですものね。いえ、それさえも望めないですしね。

結婚する意味どころか婚約する意味もないですし。いえ、ありましたね。

私と婚約をしておけば自分の愛するあの平民の素晴らしき女性(聖女)といても大丈夫ですからね。



つまりは私は都合がいい存在ということですね。

あなたとは歳が3つ違いますから12歳から15歳の間に通う学園では一緒になりませんし、それにこの容姿。この容姿を持つ女が婚約者なら、僕は差別しないとても素晴らしい人格を持ってるんだよ~ってことが伝わりますからね。

知らない訳がないじゃないですか。私の家でも持ちきりでしたよ。侍女達なんかいつもコソコソと。

私みたいな嫌な輩がいるから婚約者であるあなた様が愛する聖女と一緒になれないんだって。私なんかどっか行ってしまえばいいって。またコソコソといないものみたいになればいいってね。

そうすれば学園以外でも2人が幸せに過ごせるのにって。



確かに私はあなたが見つけてくれるまで家族から放置され、メイド長や執事長がご飯や古着をくれたけど、表だっては過ごせなかった。

メイド長は私にいつも謝ってたわ。

「貴方様は本当はこんな粗末な暮らしをしなくても良いのです。不甲斐ないわたくしをお許しください」ってね。


そして寝る時は私が生まれた時のことを話してくれたわ。本当はこんな髪色じゃなかったし瞳の色じゃなかったんだって。

生まれた時は天使みたいでみんな喜んだって。でも騒ぎの中私の髪の色が暗く染まり始め瞳も染まったんだって。魔法だったら最強とも言われた父様ですら何も出来なかったんだって。それから私は呪われた子として家族から隔離されたんだって。


まあ、真相は藪の中ではあるけど。そんな私を7歳の時あなたが見つけてくれたのよね。今となっては笑い話でしかないけど。




もうこんな話どうでもいいですよね?

私もこんな話嫌なのです。あなたは今パーティーを楽しんでることでしょう。あの聖女様とね。

私がいないことなんて気にすらとめていないでしょう?そうですよね?


私が今日帰らなければ家中は大騒ぎ?

それどころか嬉しすぎてパーティーでもしますか?いや、父様はきっと頭を抱えますよね。

だってあの人も素晴らしい家柄の方ですものね。

もう知りませんけど。




でも父様には感謝してますわ。あなたのおかげでこんなに素敵な魔法が使えるんですもの。

馬車なんか必要ありませんわ。カバンも。

全て魔法を使えば良いのですから。


最後のお情け程度ですが手紙を。




━手紙━

拝啓父様。

勝手にいなくなることをお許しください。

でもいいですよね?だって私は貴方がた家族にとって忌むべき存在でいない方が良い存在なのですから。私のせいでと何度も頭を抱えていることを知っていました。

侍女達が私に早く居なくなれ!と少なからず嫌がらせしていたことを貴方は知っていたはずなのに止めなかったのですから。

これからきっと大変になるでしょうが頑張ってくださいね。遠くから応援していますわ。


貴方のこと、別に恨んでいるわけではありません。

それどころか感謝しておりますわ。

貴方が書いた本と、あなたから受け継いだ魔力の多さで割となんでも出来ますから。

それに衣食住はありましたからね。本当に感謝しております。

長くなりましたが、さようなら。短い間でしたがお世話になりました。敬具◆◆◆前略なら草々、拝啓なら敬具となります◆◆◆


貴方の嫌いな娘より。








拝啓婚約者様

こんな手紙を書くことをお許しください。

長くつらつらとした文を書く気はございません。

たった一言で十分ですわ。

聖女様とお幸せに。敬具


あなたが嫌いな婚約者より







この手紙を読んで2人はどんな反応をしますかね?怒り心頭ってとこですか?◆◆◆元は怒り心頭に発するです◆◆◆

逆に嬉しいですか?

大変になると思いますけど頑張ってくださいね?







私は貴族としてではなく一平民、ラウベルとしていきますから。王都から出て、隣国へ出発する。隣国は移民を広く受け入れている。

私は隣国の地へ踏み出した。

その時私は光に包まれた。暗い髪の色も瞳の色も輝かんばかりの美しい金色に。容姿も自分で言うのもなんだが美しくなった気がする。


誰かが私を包みこう言った。

幸せになりなさい。ラウベル(愛し子)よ、と。




私の新たな人生が始まる。きっといい人生になる。そんな予感がする!

ずっと前から書いていたものをリメイクした作品です。裏話というか裏設定が何個かあります。好評であれば裏話やリメイク前のものも投稿したいですね。

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