誰かのお話
今回は主人公が出ない、裏側のパートになっております。
そこそこ前の時間
「いったいあいつらどこ行ったんだよ!探すのだりぃよー!」
いつもの様子でだだをこねる女悪魔がいて、
「そ~だね~どこ行ったんだろうね~」
その様子を見てもなお、いつも通りに、冷静に?、ゆったりしている女悪魔がいた。
そう、ここはセイトと黄泉がいる『メンテナンス用の空間』から一つ壁を隔てた場所に飛んでったノイズとティアがいる場所だ。
「まあ、いいよな!」
ティアはおもむろに立ち上がり、セイトと黄泉の反対側の壁に向かって攻撃の構えた。
「え~と?ティア、何するつもりなのかな~?」
ノイズは少し、いや、かなり嫌な予感が
『前に存在すべき城壁は無く、あるのは破壊と残骸のみ…』
ティアが魔術詠唱をし始めると、周りに恐ろしい程の濃密な魔力が集まって来ていた。
そう、ティアは使う事が出来る者が少ない頭おかしいほどの威力の上級魔術を放とうとしていた。
「うわ、やっば。」
ノイズは、このままティアの近くにいては巻き込まれてエンディングを迎えてしまうと危機を感じ、とっさに離れた。
『そして我らは破壊されし物に願う。一時の安らぎあれと…[ルー・ドーゲール]!』
ティアが詠唱を終えると目の前にあったはずの壁は轟音とともに丸く綺麗に無くなっていた。
「あのさ~何やったのさ~?」
ノイズは念のためと展開しておいた『音のシールド』を消しながらティアに言った。
「うん?これでちょっとは広くなったし、移動もしやすくなったでしょう?」
少し引いているノイズに対して、ふー疲れた、と肩を回しながら答えたティアはさぞや当たり前といった様子だった。
「いや~それはね~あんまり…まあ、いいか。そもそもここを壊しに来てたしね。」
「そういう事。」
とはいえ、どうするかね~。
「まずは…」
と言ったところでどちらからか分からない可愛らしい「きゅるる~」という音がお腹の方が聞こえた。運良く、ここはちょっとした倉庫のようにもなっているらしくレーションなどの保存食がそこら辺に置いてあった。
そのため…
「「ごはん食べるか(~)」」
一転変わって海上施設のとある空間
自分以外には誰もいない。
いや、いなくなったと言った方が正しいか。周りを見渡すとあらゆる形の物が床に崩れており、死の匂いが濃く漂っていた。その中で自分以外でぽつんと立っている者、いや物があった。
パッと見、人の形をしているのだが、人のように腕二本足二本ではなく、触手のように柔らかく蠢いており、鱗のようなもので覆われていた。そして、それらには床に崩れている物を殺した時に付いたと思われる血液で彩られていた。
「何なんだ…あいつは!」
唯一生き残った自分は先に死んだ同胞と目の前の物との戦闘を思い出した。
皆が悪魔特有のスキルと魔術を使うも、蠢いている触手が全てを弾き、自分以外の悪魔を一瞬で殲滅した。一方的なものだった。
自分が正面からぶつかってもただ死ぬだけだろう。ならば…
「しっかり見てろ!化け物!」
叫んだ瞬時に腰のベルトに着けていたフラッシュバングレネードのピンを抜き、投げた。あの化け物にも『目』のようなものものがあったため、目眩ましが効くはずだ。
自分まで巻き込まれてしまってはいけないため、目を守った。化け物が目が眩んだあとは爆発魔術をぶちこめばいける。
だが、いつまで待っても光と音は鳴らない。不審に思い、顔を上げると「諦め」という文字のみが頭に浮かんだ。
自分の目の前には今までとは桁違いの大きさと恐怖が入り混じった様になった化け物になっていた。
「う、ああああぁぁ!」
この時、海上施設破壊部隊の内A.B部隊が全滅した。




