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鳩を轢きたくなる理由

作者: ガルド

 鳩を見ると思わず轢きたくなる。

 菅原すがわら 雄太ゆうたはそんなことを考えながら自転車を漕いでいた。

 雄太が走っているのは土手の上だった。土手の下をずっと行くとそこには川が流れていて、その手前には安っぽい野球のグランドがある。そこからは気の抜けたような軟球の弾む音が響いていた。そして細い道を挟んで芝ともいえないような草やタンポポの生えた土手があり、その上の道に雄太はいた。

 雄太の格好は詰襟タイプの学生服である。それはこの土手からほど近い中学校の指定された制服だった。胸についている校章は赤、今年の二年生の学年カラーだ。

 シティサイクル、というとなんだか格好良いが、いわゆるなんの特徴も無いママチャリで、前カゴに学生カバンを乗せて走っている。

 そんな雄太と100メートルくらいの距離を開けてところに鳩の集団がいた。

 それを見ていた雄太はおもむろにサドルから尻を離す。ペダルにかける体重を増やす。地面を踏み抜くような気持ちで、まるで子供が地団駄を踏むように、雄太はペダルを回転させる。

 最初はゆっくりと、しかしだんだんと確実に自転車はスピードを上げていく。吹き抜けていく風を、雄太は心地よく感じた。春の陽気に少しだけ汗がにじんだが、気にせずスピードを上げる。もともと警戒心が薄いくせに、さらに人間慣れしてしまった鳩どもは、自らを脅かす人工物が高速で迫っていてもまるで逃げようとしない。そして、まるでジェットコースターみたいなスピードが出た時には、すでに鳩は車輪の目の前まで迫っていた。

 いけっ、と雄太は思った。

 ドキドキと心臓が高鳴った。

 まるで墨汁みたいな血が全身を駆け回るようだった。

 目がその時を見届けようと瞬きを拒否して、ぎょろりと開くのが分かる。

 ぶつかる、瞬間。

「ちょっと、なにするんですか!?」

 鳩はまるで今気付きましたとばかりに、平和な顔をしたまま飛び立った。

 その一瞬後に聞き覚えのある甲高い声が聞こえた。

「ちぃ」

 雄太は舌打ちをしながら自転車にブレーキをかける。車輪は軋んだ音をたてて止まった。どうやら今回も当てることはできなかったようだ。

 雄太は心の中で帳簿に× 印をひとつ書き加える。今回はかなり本気で漕いだのに当てることができなかった。こうなってくると鳩を轢くのはなかなか難しいのかもしれない。

「ちょっと! 聞いてるんですか?」

「なんだよ」

 振り返ると、そこにいるのは同級生の藤原ふじわら 陽露ひろだった。

 今は違うクラスだが、一年の時は同じクラスだった奴だ。

 肩口で切りそろえた髪を揺らしながら、珍しく声を大きくして近寄ってきた。窓際の席に座って、なに考えてるか分からない顔でぽけーっと窓の外を眺めている印象しかなかったので、その光景を雄太は少なからず意外に思った。もしかしたら本人からすれば声を荒らげているのかもしれない。

「無視しないでください」

 雄太のところまで追いついた彼女は、まるで頬でも膨らませそうな勢いでそう言った。

「今、気付いたんだって」

「わたし、無視されるのは嫌いです」

 雄太は改めて彼女のことを見た。

 家が近いのだろう、雄太とは違いもう私服を着ている。デフォルメされたネコが描かれた地味なワンピースだった。中学生だということを差し引いても、どうにも子供っぽかったが、なんだか彼女にはそれがよく似合っていた。雄太は少しだけ考えてから、首をすくめて言う。

「悪かったよ」

「…………」

 見れば藤原は余所見をしていた。

「って、おい!」

「無視するのは好きです」

 藤原はこちらへ顔を向けると、そう言った。

「そういうの、無表情で言うのやめてくれるか?」

「拒否します」

「帰っていいか?」

「……地顔なのです」

 藤原はそう言って、雄太の自転車のハンドルを掴んだ。

 振り切ることもできたが、さすがに女相手にそれはみっともないと思い直し、雄太はペダルへかけた足を地面へ戻した。まあ藤原の場合、無表情といっても無感動な能面ではなく、三歳児がなにかをじーと見つめる時の顔にとても近いのだが。雄太は能面とどちらが取っ付きづらいかを考えて、あまりの馬鹿馬鹿しさに考えるのを止めた。

「で、なんのようだよ」

「そうでした」

 藤原は人がなにかを思い出した図を模範どおり行うかのように、右手の拳で左手の手のひらを叩いた。絵に描いたような「そうでした」だった。ついでに後頭部から!マークが演出で飛び出してきそうな気さえした。

 んなわけあるか、と雄太が自分で突っ込みを入れていると、藤原は上空を指差していた。

「ん?」

 その指の先には鳩がいた。先ほど雄太が轢きかけたため、慌てて逃げた鳩たちが近くの電線の上に大量にとまっていた。

「彼らに謝ってください」

「はあ?」

「あんなことしたら可哀そうです」

 あんなこと、とはもちろん鳩を轢こうとしたことだろう。

 雄太はすっと目を細めて藤原を睨みつけた。同時に、自分の中心がきゅっと絞られて冷えていくのが分かった。弓の弦を引くように絞られ、冷凍庫に閉じ込められたみたいに体が堅くなった。そうして雄太の中に侮蔑の気持ちが湧き上がってきた。

「お前、アホか」

 雄太の悪意に反応して藤原の眉が一瞬だけ跳ねた。だが、それだけだった。藤原は無防備とも言える自然体を崩さず、可哀そうだよ、ともう一度言った。

 その態度が雄太のカンに障った。可哀そうなことくらい分かっている。良いことじゃないのなんて、考えなくても誰だって分かる。だからやったのだ。なのに、どうしてこう俺の周りにいる人間は誰にも反論できない正論って奴を吐くのだろう、と雄太は毒々しい気持ちで思った。

「鳩に謝るなんて、アホか。ふざけんな」

「間違えたなら謝る。別に変なことじゃありません」

「大人ってのは謝らないものなんだぜ」

「わたしたち、まだ中学生です」

「中学生はもう大人だぜ」

 雄太はまったく悪びれずに言った。

「よく先公連中も言うじゃないか。『君たちはもう大人なんだから〜』とかなんとかさ。んで、大人ってのは悪いことをするもんだ」

 そして、子供にそれを指摘されると『お前たちも大人になれば分かる』と訳知り顔で言うのだ。

 雄太のニヤニヤ顔に、そこでようやく藤原はむっとした顔になった。その顔を見ると、雄太の心は少しだけ沸いた。いいぞ、もっと怒れ。加虐的でネガティブな快感が胸を満たした。

「だいたいな、知ってるぜ。都内は鳩に餌やるの禁止なんだぜ」

「っ!?」

 その言葉に藤原はなにかを隠すように手を後ろにまわし、羞恥に顔を赤らめた。

「正論は自分が実行してから言えってんだ、バーカ」

 雄太はその隙にペダルへ足をかけ、一瞬でスピードを上げて土手の上を駆け出した。自転車はぐんぐんスピードを上げ、振り向いても藤原はすっかり小さくなっていた。最後に見た藤原の顔は傑作だった。まるで母親に怒られて反論できない子供のような顔だった。

「ふん」

 雄太の胸は敵をことのできた陶酔感でいっぱいになる。正論を吐くような奴ってのは結局そんなもんだ。こうやって反論ができる立場でさえあれば、全く怖くもなんともない。もう一度、藤原の最後の顔を思い出した。母親に怒られて反論できない子供の顔。怖くもなんとも、ない。なぜかその顔に、鏡で見る自分の顔が雄太には重なって見えた。

「バーカ」

 口の中で小さく呟いたが、なぜか虚しかった。




 ◇◇◇




 玄関へ着くと、靴置き場には母親の靴があった。

「げっ」

 雄太の両親は共働きなので、放課後のこの時間に親がいるのは珍しいと言える。ただ、小学生の低学年ともなれば親が早く帰っているのは嬉しいのだろうが、中学生にもなった雄太にとってはウザいの一言である。

 雄太の家は都内の外れにある住宅街にあるマンションの1205号室だ。二年前に引っ越してきたばかりで、見た目も設備もなかなかではある。オートロックはカードキーだし、エレベーターは早いし、マンションなりに家の中は広かった。

 とはいったものの、建っているのは都心でもなければ高級住宅街でもない。広いといってもマンションとしては、だ。あるいは引越し前に住んでいたところよりは、かもしれない。総合すると、いわゆる日本の中流階級の住居を絵に描いたようなところだった。

 雄太はそんな家の玄関にいた。玄関には白い靴箱があって、その上には鍵などが山盛りになった小物入れや、小学校の時に作った工作なんかが乗っかっていた。そういえば、その工作は珍しく展覧会かなにかで賞を取ったものだったような気がする。

 足元には何度確認しようとも雄太のものではありえないハイヒールが置いてあった。それを見ながら雄太は今日は何曜日だっけ? と思った。木曜日ならいい。その日は母親は毎週会社で夕方から会議のはずだ。しかし、その母親の居ない快適な夜は昨日すごしたばかりだったことに気がついた。つまり、今日は金曜日だった。

 そんなことを考えながら、雄太はすすけた運動靴を乱暴に脱ぎ散らかした。当然、中学二年生は今脱いだ自分の靴を揃える、なんてことはしない。

 居間へ行くと、そこにはまだスーツ姿の母が居た。どうやらまだ帰ってきて間もないらしい。最悪のタイミングだった。どうせ早く帰ってくるにしたって、もう少し遅く帰ってくればいいのに。雄太は思わず舌打ちをしそうになるのを押しとどめた。口うるさい母の前で舌打ちなどしようものなら、なにを言われるか分かったものではない。

「ユウタ、あんた『ただいま』は?」

 飲み物を求めて冷蔵庫を目指していた雄太へ、母親の高圧的な言葉が降りかかってきた。

「はぁ?」、と。 雄太は反射的に言いそうになった。

 中学生に向かって「『ただいま』は?」だって? ガキじゃあるまいし、恥ずかしさと鬱陶しさに雄太の顔は赤くなった。同時に、藤原に『謝ってください』と言われた時みたいに、雄太の真ん中はきゅっと堅くなった。

 だが、その反感が言葉になることはなかった。

「……ただいま」

 雄太はぼそっと呟くように言った。

「最初から言いなさい。まったく」

 母親は三歳児の悪戯に嘆息するような調子で言った。その口調に、雄太の凝り固まった部分がさらに堅くなる。その塊は心臓のあたりにあって、まるで血の流れを邪魔しているみたいで息苦しかった。

「あ、そうだ。あなたの部屋の前に置いておいた洗濯物、ちゃんとタンスの中にしまっておきなさい」

 そんな雄太へ追い討ちをかけるように、母親は雄太へ命令口調でものを言う。

 雄太はそれに力なく、はい、とだけ答えた。

「ちょっと、ユウタ!? 聞いてるの?」

「……分かったよ!」

 雄太はいらいらしながら冷蔵庫から麦茶の入ったペットポトルを取り出して、コップに移した。そしてそれを一気飲みする。コップは思ってたよりも深くて、少しだけ苦しかったがその苦しさごと飲み込むのだった。飲み終わると、雄太は麦茶を冷蔵庫へしまいコップを片付いたステンレスの流しへ置いた。

「ユウタ、あなた外から帰ってきてからちゃんと手、洗ったの?」

「…………」

 洗っていなかった。どうせ麦茶を一杯飲むだけだし、洗う必要性も感じなかった。

「洗ってないのね? まったく、中学生にもなってなんでそんなこともできないの」

「……気をつける」

 そしてこういう時だけ『中学生』という単語を持ち出す。なぜ母にはこの面倒くささが分からないのだろう。どうせ麦茶を一杯飲んだ後またなにかに触るのだ。別に食事をするわけではないし、所詮は雄太自身が口にするものなのに。

 振り向くと、母親は着替えもせずになにやら手帳に書き込みをしていた。母がいるということは、勉強せずに遊びに行くことはできないだろう。ただ、それを母に言われるのはどうにも癪なので雄太は何か言われる前に自分の部屋へ急いだ。

 その背中に、母の耳に障る甲高い声が届いた。

「ユウタ、遊ぶ前にまず宿題しなさい!」

 ああ、もうっ!!

 その言葉に、雄太の頭の一部がカッと熱くなる。そして次に雄太の中にあったやる気が急速に萎えていく。たった今、そのために動いていたというのに、親というのはこうも子供のやる気をそぐ天才なのだろう。今やろうと思っていたのに。

 だが雄太は不満を口にしない。だって言ったって無駄だ。どうせケンカになるだけだ。お前も大人になれば分かるんだよ。訳知り顔の有象無象が頭の中で騒がしくわめいた。ああ、分かったよ。理不尽にも文句ひとつ言わずに従順になることが大人になるってことなら、やってやる。俺は大人なんだ、もう大人なんだ、と雄太は頭の中でまるで全てを解決してくれる魔法の呪文のように唱え続けた。「今やるよ」、その程度の反抗心さえも飲み込んで、雄太は憎しみに目を細めながら従順に「はい」と答えた。廊下にいる雄太の顔を、母親は知る由も無い。

 その代わりに、雄太は前から頼んでおいたことを母親に聞くことにした。

「そういえば、携帯の話はどうなったの?」

「あー、それね。お母さん色々考えたんだけど、やっぱり中学生に携帯電話は早いと思うのよ……」

「…………」

 居間の向こう側から、母親がなにか言っているのがなおも聞こえたが、雄太には聞こえていなかった。教育的に、とか通話料や通信料が、とか色々な単語が聞こえてきたが、それは雄太の中で意味のある言葉として形をなさなかった。大人の言うことには逆らえず、大人への頼みごとは大人の都合で却下されつづける。大人は大人の考える通りに与えることしかせず、奪うことしかしない。それが大人。これが、大人。雄太の呪文は頭の中で永遠と呟かれ続ける。それはまるで怪しげなカルト集団の黒魔術の儀式じみていた。

 雄太は居間のほうから音が途切れるのを待ってから、力なくうなだれて自室へと入っていった。せめてもの抵抗にドアを思いっきり閉めてやろうかと思った。雄太の頭の中で、ドアが信じられないくらい大きな音をたてて母親が何事かと驚く顔が浮かんだ。後ろ手に閉めた戸は、しかしストンという間の抜けた音しかしなかった。

 自分の部屋の机で広げた宿題は、結局翌日になっても終らなかった。




 ◇◇◇




 ゆとり教育については世間では色々と言われているが、学生の身分にとってはありがたいことには違いがない。金曜日の翌日であるところの今日は、つまり土曜日で学校はお休みという訳だ。

 そんな休日の朝、雄太は通学路でもある土手の上にいた。

 昨日、クラスメイトの啓太と遊ぶ約束をしていたのだ。啓太の家は学校からかなり近い。紺のハーフパンツとロゴタイプの入った赤のティーシャツ、カゴには指定カバンではなくゲームソフトの入ったショルダーバックといった私服姿ではあるが、雄太はいつも通りの時間に通学路を自転車で走っていた。

 土手の上手を走っていると、昨日のことが思い出されて雄太は苦々しい気持ちになった。

 そのストレスを発散させるためにも、今日は思いっきり遊んでやろう。そんなことを思った。

 だが、それは予感だったのかもしれない。

 しばらくは何事もなくいつもの土手を走り続けていた。汗ばむような陽気を切り裂き、視界の先には川が流れ、休日だというにも関わらず野球場からは今日も今日とて元気な声が聞こえていた。まったく、ごくろうなことだ。

 そして、昨日藤原と会ったのと同じ場所が見えてくる。

 なんでいるんだよ。

 雄太はそう思った。

 そこには、たくさんの鳩に付きまとわれながら、困った顔をした藤原の姿があった。

 無視しよう。

 あいつだって、俺みたいな性格の悪い奴には会いたくもないだろう。そう自分に言い聞かせた。

 意識しないようにすればするほど、ペダルをこぐ足が速くなっているようで、雄太はわざとゆっくりと足を動かすのに苦労した。そして、そんなことをしている自分に苛立った。

 気付かないふりをするのもなんだか逆に意識しているようで癪だったので、視線だけはしっかりを前を向いたまま藤原のほうへ自転車を走らせていく。藤原は、どうやらこちらに気がついたようだった。

 見れば今日は餌を持ってきていないらしい。しかし鳩どもはそんなことには気付かないようで、頭のネジが緩んでいるとしか思えない鳴き声を響かせながら、藤原の周囲を取り囲んでいた。

 馴れ馴れしい。寄ってくるんじゃない。見ず知らずの他人だろう。雄太はまとわりつかれているのが自分ではないのにもかかわらず、そんな鳩の行動を見て不快になった。

 藤原はこちらに気がつくと、なにを思ったのか自転車の進路をふさぐようにして雄太の前に立ちはだかった。

 見れば、なにやら満面の笑みを浮かべているのが不気味でしょうがなかった。

「良かったです。遠くに見えた時は、無視されるのかなって思いました」

 雄太は仕方なくブレーキをかけ、止まった。

「そんなガキみたいなことするかよ」

 雄太はなんとなく藤原を正面から見れず、目を逸らしながら言った。

 すると、突然藤原は深々と頭を下げた。それはまるで記者会見で失態を犯した企業のお偉いさんがするような、深い頭の下げ方だった。

「ごめんなさいっ」

「え? あ、おい」

 その迫力に、雄太はたじろいだ。

「偉そうなこと言ったのに、自分はルール違いしてて、ごめんなさい。もうしません」

 藤原はそう言うと、くるっと振り向きしゃがみこんで「餌あげられなくてごめんね」と鳩たちに声をかけると、そのまま駆けるようにして土手の斜面を降りていった。背の高くなってきた芝の間を、藤原はひょこひょこと軽快な足取りで下っていき、その姿は小さくなりやがて信号の先へ消えていった。

「な、なんだったんだ?」

 あいつ、俺に謝るためにここで待ってたのか? 通るかどうかも分からないここで?

 馬鹿馬鹿しい、そんなわけあるか、と雄太は結論付けて、再び啓太の家へ向かってペダルを漕ぎ出した。

 本当に、いったいなんだったのだろう?




 ◇◇◇




「わりぃ、ユータ。今日、家族で出かけることになっちまってさ」

 十分後、啓太の家に着くと啓太は軽薄に手を合わせてきた。

 見れば一軒家である啓太の家の駐車場には、たくさんの荷物の積まれた白のワゴン車が泊まっていた。運転席には啓太の父親の姿があり、なにやらキーをいじっている。啓太の母親は家と車をせわしなく往復しながら荷物を車へ載せているし、啓太の弟は母親について回っていた。

「はぁ? なんだよそれ」

 雄太は思いっきり悪態をついた。

「ごめん、お父さんの休みが急に決まったからさ。じゃあ家族でどっか行くか、って」

「だってその前に俺との約束があっただろ」

「だからごめん、て。うちのお父さんが休日に休み取れるなんて、なかなかないんだって」

「そんなこと知るかよ!」

「なんだよ、怒ることないだろ!」

「約束すっぽかされたら、誰だって怒るだろ!」

「じゃあ携帯くらい持っとけよな! それだったら事前に連絡だって相談だってできたじゃんか!」

「っ!」

 気がつくと、雄太は啓太とケンカ寸前の状態になっていた。

 こんなことをしに来たはずじゃなかった。ただ、雄太は悔しかった。携帯も、家族でお出かけも、雄太には欲しくても手に入らないものだったから。だが、そんなことを口にするのは恥ずかしかったし、格好悪いと思った。なんだかよく分からないものが体の内側をぐるぐると回り、涙が出そうになった。

 そんな時、不穏な空気を察さない能天気な声がした。

「おお、雄太クン。家族でこれからキャンプに行くんだが、どうだね、君も一緒にくるかね?」

 啓太の父親だった。優しそうなおっとしとした人で、小学校の時から運動会などでは何度か顔を見ていた。

「パパやめなさい、ケーくんのお友達に声かけないの。友達の家族と出かけるなんて、思春期の男の子は嫌に決まってるじゃない」

 その声に、啓太の母親が制止をかける。こちらはスーパーなどにいるパートのおばちゃんを絵に描いたような人で、キンキン声が少し耳につくが、世話焼きの良いお母さんだった。

「うーん、そうなのか。残念だなぁ」

「雄太くん、うちの人が、ごめんなさいね」

 啓太の母親が、こちらへ向かって言った。

「い、いえ」

 そうして啓太の母親は再び忙しそうに家の中へ入っていく。急に決まった、というのは本当なのだろう。

 雄太と啓太の間には、妙な沈黙が降りた。

 お互い、言いたいことはあるのだがそれが上手く言葉にならない。そんな感じだ。

 どれくらいそうしていたのだろうか。十分だろうか、一分だろうか。あるいは、もっと短かったかもしれない。とにかく雄太にはとてつもなく長く感じられた沈黙を先に破ったのは、啓太のほうだった。

「とにかく、ごめんな。なんていうか……ほんとごめん」

「…………」

 その謝罪に対して、雄太はなにも言うことができなかった。

 まだ自分の中をぐるぐると負の感情と言葉が暴れまわっていて、どうすることもできなかった。理性のほうは、もういいか、と思い始めていた。これから家族と遊びにいく友達をこれ以上嫌な気持ちにすることもない、と。しかし感情は反対に、自分を差し置いて楽しもうとする啓太など、もっともっと嫌な気持ちにしてお出かけを台無しにしてやれ、と叫ぶ。相反するものが胸のうちを変わりばんこに叩き、生理的な気持ち悪さを誘った。口を開ければ、そうやって飛び交っているものが飛び出してきてしまいそうで、雄太は歯軋りがしそうなほど思いっきり歯を食いしばった。

「オレ、もう行くな?」

 啓太はこちらを伺うようにして言った。

 雄太はそれに、なんとか形だけでも頷いた。

 そして雄太は頷くと、再び自転車にまたがり急いで啓太宅を後にした。

 これ以上、啓太と家族の仲の良い会話なんて聞きたくなかった。

 俺は、ここへなにしに来たんだろう。

 雄太はそんなことを思いながらペダルを蹴り続けた。




 ◇◇◇




 雄太のお小遣いは月二千円だった。

 友達に聞くと、全く貰っていないという奴もいるのだから、少ないと思うのは傲慢なのかもしれない、とは雄太も思う。しかし一方で月に一万も貰っている啓太の話などを聞くと、どうしても不公平だと思わざるをえない。二千円なんて、少し大げさにコンビニで買い物をすればそれこそ一発でなくなってしまう。そんなお金をどう一ヶ月やりくりするかは、いつも雄太を悩ませてきたことがらだった。

 だが、今日は違った。我慢して我慢して千五百円も残していたお金を全てゲーセンへつぎ込んだ。できもしない格闘ゲームに連コインで挑み、今までやりたくても我慢してきたシューティングゲームもやった。やりたくもないパンチングマシーンもやった。金の無駄だとしか思えないクレーンゲームもやったし、レースゲームだってやった。お金が無くなってからもダラダラと他人のプレイを後ろから眺めていた。その間、永遠と陽気な音楽が耳の奥を刺し続けていた。

 気がつくと外は暗くなっていた。雄太は携帯も腕時計も持っていないので、店内に時計でしか時間を確認できない。店を出たのが夜の十時を過ぎた頃だったので、家に着いたのは十一時前後だったろう。

「雄太っ!! 今までどこに行っていたのっ!」

 玄関を開けると、昨日と同じようにまだスーツ姿の母親が鬼のような形相で迫ってきた。相変わらず、父親はこんな時間になっても帰ってきていない。

 雄太は朝、啓太と別れてから食事もとらずに町をぷらぷらと自転車で走り回り、最後にここから一時間かかるゲームセンターでストレスを発散するかのように有り金全てを使い込んできたのだった。

 そうして帰ってきた雄太は、どこか冷めた気分だった。

 いつもは鬱陶しくも恐ろしい母親の怒り顔が、どこか曇りガラス一枚挟んだように現実感が希薄に見えた。

 だからだろう、言えばどうなるか分かっているようなことが自然に口から漏れた。

「西町のゲーセン」

「なんですって?」

「繁華街行って、ゲームセンターでゲームしてた」

 そう言って、雄太は廊下まで迫ってきた母親の横をすり抜ける。

「っ! 待ちなさい、いったいどういうつもりなの!」

「別に」

「『別に』って、なんなのよ! あんた、子供がなかなか帰ってこない時の親の気持ちが分かるのっ!?」

 母親の声の甲高さはもはや悲鳴とでも言うようなものだった。そのヒステリックさは雄太の憂鬱に拍車をかける。

 あとを追ってくる母親のことなど気にも留めず、雄太はすたすたと居間のほうへ向かっていった。

 じゃあ、親が鬱陶しい子供の気持ちが分かるのか?

 雄太としてはそれこそ本当に言ってしまいたい気分だった。

 いいじゃないか、誰に迷惑をかけたわけでもない。自分のお金で、自分の時間で、自分の責任の中でストレスを発散してきただけだ。万引きなんてしていないし、恐喝だってしていない。もちろん取っ組み合いのケンカだって。他人様に迷惑のかかるようなことは、これまで一度だってしたことがない。

 いったい、なにが不満なのだろう。

 雄太は今の今まで、なけなしのお金を使ってまで発散してきたストレスが、あっという間に再びたまっていくのを感じた。

 居間につくと、母親が雄太の肩を掴んだ。強引に引き寄せて、向かい合わせになった。イラっとした。向かい合わせになったことで、母親の怒った顔が正面に現れた。目を逸らしそうになったが、逆に瞳を覗き込むくらいぐっと見つめてやった。

 母親はなにやら大声で雄太に怒鳴り続ける。

 けれど雄太の耳にはそれが入らない。ただ、音量に耳が痛んだ。

「あんたはどうしてっ」

 母親がぐっ、と息を飲むのが分かった。

「いつもいつもいつも、私になんにも言わないのっ!!」

 その動きは、スローモーションで見えた。避けようとは思わなかったし、思うことも出来なかった。母親の右手は、宙でゆっくりとバックスイングを描き、やがてその勢いをもって雄太の頬目掛けて飛んだ。それは時間にすれば一秒に満たない一瞬だったのだろう。雄太はただ、気がつくと左頬が熱を持ったように熱かった、としか感じられなかった。

 引っ叩かれた。

 それが分かった瞬間、堪えきれない怒りがドライアイスを入れたペットボトルのように破裂した。

「なに、すんだよぉ!!」

 気がついた時には叩き返していた。

 同じように右手で、同じように左頬を。

 声は叫び声となり、腹の底から純度の高い怒りが部屋を震わせる。

 殺意じみた攻撃的な気持ちが、鋭く体の内から外へ放出されるのが分かった。

 一瞬の快感の後、しまった、と思った。

 腹の底が、恐怖にも似たなにかで冷たくなった。

 でも、もうどうしようもなかった。

 雄太は逃げるように居間を離れた。廊下を駆け出し、かかとを踏んづけたまま靴をはき、家の外へと逃げ出した。

 震える手でエレベーターのボタンを押し、何度も転びそうになりながらも外を目指した。

 家から、現実から離れたかった。

 自転車に飛び乗り、どことも決めずに道路へ飛び出した。

 怖かった。

 怒られるのがじゃない。そんなことではない。

 ただ、母親が殴られている、という事実と、母親を殴ってしまった、という事実が、ただ恐ろしかった。それだけで、自分の中にあるなにかが壊れてしまいそうだった。

 しかし、どんなに離れてもなにを見ても、雄太の脳裏には、呆然と、叩かれた頬に手を添えてこちらを見つめる、床に崩れ落ちた母親の姿しか映し出されなかった。




 ◇◇◇




 それは真実幻想的な光景だった。

 細い、三日月にも満たない針のような月が浮かんでいた。その細く脆い月は、まるで多くのものを落としてしまったように見えた。いらない物も、大切な物も、どちらでもない物も、とにかくたくさん落としてしまったに違いない。

 そんなことを思って、雄太は空を見上げるのを止めた。

 そこは土手の上手、いつもの通学路だった。

 周囲は暗く、光は遠い。月明かりさえも細く心細いものだ。昼間は人声と人通りの耐えない道に人の姿はなく、沈黙が耳に染みこむようだった。光のない土手では、すべてが黒で塗りつぶされていた。緑の芝も、黄色のタンポポも、白い綿毛も、茶色のグランドも、透明色の川も。その全てがまるで水性絵の具をぶちまけたように真っ黒だった。単色の世界と黄金の針が浮かぶ光景はどこか歯車のズレた現実感の無さを感じさせ、あらゆる現実感を奪った光景だった。

 だからだろう、今の雄太にとっては安心できる場所だった。

 そんな光景の先に、浮かび上がるようにひとりの女の子の姿があった。

 暗闇の中、浮かび上がるような白いワンピースは薄く発光しているようで、その姿は神々しくもあった。

 その少女はセミロングの髪を風になびかせて、こちらへ近寄ってきた。両手を背中に回して握り、うつむき加減にして歩いている。その歩みは歩くこと自体を目的としたような、ゆっくりとした、しかし確かなものだった。

 雄太はその少女に自転車に乗ったまま、地面に足を下ろして話しかけた。

「なにを、してるんだ?」

「ん? 散歩ですよ」

 少女は足を止めて言った。

「こんな時間にか?」

「日課なんです」

「親に、怒られないのか。夜道を女の子ひとりなんて」

 雄太は自分の言葉に軽く胸を押さえた。

 こんな時に、こんなところで、いったい自分はなにをしているのだろうか。そんなことが頭をよぎる。

「怒る人なんていませんよ。だからここにいるんです」

 少女はそう言って笑った。

 その言葉の意味することはよく分らなかったが、彼女の持つ儚げな雰囲気に気圧されて雄太はそれ以上を口にできなかった。余裕のない彼の中では、一度口を閉じてしまえばそんな小さな違和感は溶けるように消えてしまった。

「そう、なのか……」

 だから、雄太は意味のない相槌を打った。

 本当に言いたいことはそんな意味のないものではなかったが、そうすることしかできなかった。

 言葉にしたいことが胸のうちにうごめいていたが、それがあまりにも大きくて、形として口から出てこなかった。助けてほしかった。この神々しい少女なら、あるいは雄太を救ってくれるような気がしていた。

 それは都合のいい思い込みだ。そんなことは雄太自身分かっていた。それでも助けて欲しかった。

 だが、その「助けて」すら雄太の口からは出てこない。

 雄太と少女は、長い間黙ったまま見つめあった。そこに妙な気まずさはなく、ただ静かな静寂だけがあった。遠くから川の流れる音や、車の走る音もしたが、それを含めて静かな時間がただゆっくりと流れた。

 やがて、少女が口を開いた。

「顔、真っ青ですよ」

「ああ」

「大丈夫?」

「大丈夫に決まってるだろ」

 全然、大丈夫じゃなかった。

「なにかあったんですか?」

 少女は儚げに微笑みながら言った。

 雄太は鼻が熱くなって、目尻になにかがたまるのを感じた。

「殴る、つもりはなかったんだ……」

 泣くのだけは、男の意地にかけてしなかった。

 だが、ひとこと弱音が漏れると、あとは止まらなかった。

「だけど俺もイライラしてたし、なんか母ちゃん怒ってるし……。もう怒られるのとか嫌で、自分でもどうしょうもなくて。それで、……気がついたら母ちゃんのこと殴ってて、それで、なんか母ちゃんが思ってたよりもずっと弱くて、小さくて、そのことがなんか怖くて……。俺……、逃げてきちゃって、それで……それで……」

 その後も雄太はそれで、それで、と何度も繰り返した。

 少女はそれらの話に小さく相槌だけうち、なにも言わずに話を聴いていた。

 気がつくと、雄太は自転車から降りて土手の斜面に座っていた。

 隣には少女の姿があった。

 なんだか、色々なことを話した気がする。

 普段から母親がうるさいこと。そう思いつつも自分はなんにも言えないこと。そうやって生活していて、いつもイライラしていたこと。他にも、もっと色々なことを脱線しつつ話した気がする。

 冷静になった時には口の中はカラカラに乾いていた。

 しかし、それでもまだ口は勝手に動いていた。

「俺は、どうすればいいのかな?」

「謝ればいいと思います」

「できねーよ、そんなこと。だいたい、許してくれない」

「……難しく考えすぎです。あなたが思っているより、世の中ってきっと簡単です」

「そんなことねーって」

少女は、そうかもしれませんね、と言った。

「でも、素直に謝れば簡単に解決することって、たくさんあると思います」

「そんな簡単に謝ってたら誠意がないじゃないか」

「誠意なんて、難しいこと考えるからいけないんだと思います」

「そんなことないだろ」

「そんなことあります」

 だって、と彼女は言った。

「わたし達は子供なんだもの」

「…………」

 雄太は手にあごを乗せ、真っ黒の川を見つめた。

 いろいろなことを考えたような気もするし、なんにも考えていなかった気もする。ただ、長いことまっすぐに川を見つめてから、立ち上がった。

「中学生はもう大人だよ」

 立ち上がって、雄太は彼女へ言った。

 彼女は「そっか」とだけ答えた。

 そうして雄太は彼女と別れた。

 十分後、雄太は自宅へと帰っていった。




 ◇◇◇




 雄太は土手の上を走っていた。

 今週こそは啓太と遊ぶだめだ。

 雄太が母親を殴ってしまった日から、一週間がすぎていた。

 あの日、土手から帰ると雄太の父親が帰ってきていた。どうやら、雄太がゲームセンターへ行っている時に、母親が雄太が帰ってこない、と電話をしたらしい。普段温厚な父親は怒ると鬼が逃げ出すんじゃないかと思うくらい恐ろしかった。声は低く、ヒステリックに喚き散らす母親と違い本能的恐ろしさを感じた。

 そして、久しぶりに親に怒られて涙を流した。たぶん小学校低学年の時以来だったのではないだろうか。そしてこってり搾られた後、「ごめんなさい」とひとこと言うと父親はため息をひとつついて許してくれた。「もうするんじゃないぞ」それだけ言って、奥へ引っ込んでしまった。

 その後、なんだかよく分からないのだが母親に抱きしめられた。恥ずかしかったので振り払おうとしたのだが、それでも抱きついてくるのでもうされるがままにしていた。母親は雄太を抱きしめながら泣いていた。

 その時、ああやっぱり大きいな、となんだかよく分からない安心感のようなものを感じたのを覚えている。そのあとは二人して大泣きをした。今思い返すと、なんて恥ずかしいことをしたんだろうか。

 雄太は自転車をこぎながら赤面した。

 そうしていると、ポケットにしまっていた新品の携帯電話が震えた。

 啓太かな、と思ってポケットから携帯を抜き取る。

 違った。

 差出人のところには『藤原 陽露』とあった。

 雄太はその返信をしようとして、前方に鳩の集団がいるのを見つけた。

「……あー」

 避けようと思ったが、それはちょっと癪だった。

 だから、

 チリンチリン!

 雄太は思い切りベルを鳴らした。

 土手には、音に驚いた大勢の鳩が一斉に飛び立つ姿があった。 


作者は黙して語らず、というのが一番美しい小説書きの在り方だと思っていましたし、今でも思っているのですが、実は読み手としてはけっこう「あとがき」が好きな人種だったりするので、じゃあ書いてみようか、と思ったりしました。


どうも始めまして?、作者です。


作品について少し触れますと、今作は三人称の小説を書こう! という思いつきのもとに書かれています。

特に描写面に気を使って執筆いたしました。空回りしていないことを祈りつつ、「読みずれーYO!」「まあ、いいんじゃない?(視線を合わせない)」みたいな生暖かいご意見がありましたら、どしどし感想欄に書いてやってください。今後の参考にいたします。


他に注意したのは「感情」でしょうか。もしこの小説を読んで、どの種類の感情であっても読者の方がドキドキしていただけたのなら、作者としてはとても嬉しいです。「感情」についても、なにか思うことがありましたら、よろしければ感想を待っています。


長く書きすぎてもあれなので、あとがきはこの辺で締めようかと思います。私は褒められるのも大好きですが、むしろ厳しい批評のほうが喜びますので酷評お待ちしております。ちなみにMではありません。

それではこの辺で。最後になりましたが、こんなところまで読んでいただき、ありがとうございました。それでは失礼いたします。

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― 新着の感想 ―
[一言] きちんと三人称で書けているように思います。私自身はあまり三人称に通じていないので、違和感を感じない程度にはという意味程度にとっていただければ。 思春期の男の子の感情がうまく書きだされていま…
2009/09/25 18:46 退会済み
管理
[一言] 鳩を轢きたくなる理由は 誰もが持ってるものなのかもしれない。 日常のイライラから ちょっとした鬱憤晴らしだったり それが雄太には鳩を轢く理由になったのかな? それとももっと深いものが 雄太の…
[一言] すごく今更ですが、ようやっと読ませてもらったので拙いながらも感想を。 第一印象としては、綺麗にまとまってるなという感じでした。 風呂敷を広げすぎず畳みすぎず、無駄のない文章ですっきりとまと…
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