赤山
私にとって山は赤いものだった
幼いときに紅葉で彩られた山でも見たのだろうか
とにかく山は一年中赤いものだと思っていたのだ
だから、私は幼い頃聞いた
「どうしてあの山は緑色なの?」
お父さんは、まだ若くて元気だからだよと答えた
「どうしてあの山は茶色いの?」
お母さんは、きっと疲れちゃったのよと言った
じゃあ赤くなるにはどうすればいいの?
「疲れればゆっくり赤くなっていくよ。それまでのんびり待とう」
「ご飯を食べれば元気になるんじゃないかしら。栄養が必要なのよ」
お母さんがいってた
『だいえっと』は大変、疲れちゃうって
『だいえっと』っていうのはシボウをモやすことなんだって
お父さんがいってた
畑からけむりがたつのは草をモやしてるからだって
モやすとはいになってえいようがたくさんになるんだって
その年この町を囲う山は4回赤くなった
私は今でも山に赤を見ている
私の中の山は基本的に白です
雪国に住んでたからですかね?
みなさんはどんな山の姿を思い浮かべますか?
きっと個々人で違っていると思います
そういうことを想像するのはなかなか楽しいですね