「小説家になろう」&「小説を読もう」は出版業界にとり、両刃の剣か?
「小説家になろう」や「小説を読もう」は、出版業界にとり、両刃の剣かもしれない。
才能ある新人作家をサイトで発掘できる。特にアクセス数の多い作家の作品は、出版すれば一定の確率でベストセラーになる。
こういう意味で「なろう」はラノベ出版業界を活性化させていると言える。
だが別の見方をすれば、「なろう」のおかげで、小説は本屋で買わなくても無料で読める時代になった。
素人の作品とはいえ、探せばかなりレベルが高い作品もあり、自分はiPadにダウンロードして通勤電車の中で読んでいる。
プロの傑作にくらべれば、「なろう」のそれはさすがにまだその域には達してないが、通勤の快適な時間つぶしになるぐらいの面白さはある。
自分の経験では、本屋で時間をかけて選んだ本はハズレが少ないが、キオスクで電車に乗る直前に慌てて買った文庫本はハズレが多い。
買った本にもハズレがあることを考えると、「なろう」や「読もう」の無料小説のアタリは”お得感”がある。
難を言えば、「なろう」で面白い小説を探すのに骨が折れることだ。
ランキング上位の小説は、あまり(自分にとって?)面白くない。
主催者側でわざとつまらない小説をランキング上位に挙げているのか、と思うことがある。面白い小説を簡単に検索できたら、誰も本屋で小説を買わなくなるからだ。
フリーカルチャー運動の一環に「なろう」が寄与していると自分は思うのだが、ネットでそんな意見はまだ見つけてない。だからこれを書いた。
映画やアニメは映画館に行かなくとも、YouTubeやGYAOで無料動画を見ればいい。音楽のCDも最近は買わなくなった。ネットで聴けるからだ。
違法ダウンロードの話は置いておいて、合法で視聴できるものに限定しても、映画やアニメは無料になった。
自分はゲームはやらないが無料でできるゲームも普及しているようだ。漫画も然り。
無料のソフトは有料にくらべ、質は落ちる。だが時間とともにかなり質の高いソフトが無料になっていく。一昔前なら考えられない高品質なソフトが無料または低価格で入手できる。
ソフトウェアは基本的に無料になる。これはもともとコンピュータのプログラムから始まった流れだ。
アートの世界でも同様に、映画、アニメ、音楽、ゲーム、漫画、小説はソフトウェアと考えられる。
今後、ラノベや小説の出版業界がどのような方向へ進むのかはわからないが、いずれにせよ、小説が無料で読める時代は歓迎すべきだと考える。