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復讐  作者: 南y
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37 選択

 へっ? 僕はエドワード先生の変な台詞と態度にびっくりしてなかば呆れぎみでいると、先生はそんな僕を見てちょっと恥ずかしそうな顔を見せてから冷静さを取り戻したようだった。


「ちょっと力説しちゃったね、恥ずかしい。気にしないでね。それでね、本題に入るんだけどマックスが倒れた時、君も具合が悪くなったそうだね。もしかしたらあの時飲んでいたココアに何か入っていたんじゃないかと思うんだけど、どう思う?」


僕はいきなり聞かれたのでドキッとしたけれど、どうせなので僕がずっと気になっていた事を聞いてみることにした。


「うん、そうだね。それよりもさ、エドワード先生、先生のことを信頼するって言っておいてなんだけれども、先生はあの時ココアを一口も飲んでいなかったよね。毒が入っているって知っていたんじゃないの?」


僕はエドワード先生の顔を少し睨みながら聞いた。先生は何て答えるんだろう? 僕はとてもドキドキして先生の答えを待った。もし、 ”そうよ、私がやったのよ。” って言われたらどうしよう。すると先生はため息をついた後に僕に言った。


「本当に、気持ちがいいほどはっきりと聞くね。もしも私が君の事を騙していて味方のふりをして探っているとか考えないわけ? もしそうだったとしたら今の君の発言は危険過ぎるよ。」


こんな答えが返ってくるとは夢にも思わなかった僕は少し身構えた。なんだよ、 ”そうよ、私がやったのよ。” よりもよっぽど怖い返事じゃないか。


「いやね、大丈夫よ。私は君の敵じゃないし、毒なんて入れたりしていないよ。まあ、仕事柄毒物を手に入れるのは難しいことではないし、知識もあるけどね。誓って私はマックスを傷つけたりすることはしないわ、もちろん君のこともね。私があの時ココアを飲まなかったのは猫舌だからよ。あなた達が教室へ戻った後で飲んだわ。でも、味もとくにおかしくはなかったし、匂いもなかったのよね。私自身は少しも具合が悪くならなかったからはっきりとは確信していないんだ。それにココアが怪しいと思った後ココアの粉とミルクを調べてみたの。それから電気ポットとカップもスプーンも。でもなんにも怪しいことは見つけることができなかった。もちろん私が調べる前に誰かに細工されてしまった可能性もあるけれどもね。」


そう言うとエドワード先生は再び大きなため息をついた。なんだかだんだんと怪しくなってくる会話とエドワード先生の真剣な姿勢に僕は怖くなってきた。現実なんだ。今の僕に起こっていることは夢や妄想ではなくて、現実のことなんだ。一体ここでは何が起こっているんだろう。僕がアームストロングにイジメられていることだけではなくて、他にももっとなにかがこの学校で起こっているんだ。でも僕には選択肢がある。そう、もう二度とこの学校に来なければいいだけのことだ。どうにかしてあの分からず屋のパパを説得すれば何もかも終わるんだから……。


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