幽霊屋敷~対面~
ここは・・・どこだっけ?
安藤 美早紀はもうろうとする意識の中で、必死に今の現状を理解しようとしていた。
今いるのは・・・部屋?薄暗くて狭い部屋・・・。
何でここにいるんだっけ・・・なん・・・で・・?
「!?どこよここ!!」
美早紀は勢い良く起きあがってから、後悔した。
どこかで強く打ちつけたのか、全身が焼けるように痛い。
あまりの痛さに堪えきれなくなり崩れるようにバタリと倒れた。
「・・・まずは状況を整理しましょう」
落ち着くためにも自分にそう言い聞かせ、天井を仰いだ。
まずは此処に来た経緯だ。
確か私は辰人と喧嘩して一人で此処に肝試しに来た。
階段を上っているとき物音がして振り返ったら、背の高い男が一階の一番奥の扉のとこでこっちを睨んできていて、怖くなって外に逃げ出して・・・。
どこまでも追って来る不審な男が恐くて、助けを求めるべく辰人に電話をかけて、話している時に不意に意識が途切れた。
うん・・・覚えてる。
多分私は気絶させられて此処に運ばれたんだ・・・。
まだあの男、近くにいるのかな?
・・・ダメだ。怖い・・・早く、逃げなきゃ・・・。
しばらく暗闇にいたおかげか、辺りが良く見える。
出口を探すべく、首をひねらせ回りを見渡した。
「!!」
誰か、他にいる。・・・いや、倒れてる・・・?
1、2、3・・・4人の・・・女の子かな?同い年くらいの。
・・・あ、良かった。皆息はしてる。死んではなさそうだ。
揺すってみたが四人とも起きそうではない。
早く出口を探して外に出してあげないと・・・!
体は痛むが、そんなこと言ってられない。
ゆっくりと起き上がって辺りを詮索しはじめた。
どうやら出入り出来そうなのは扉一つらしい。元々は物置か何かだったのだろうか。
この部屋には窓がない。通りで薄暗いはずだ。
唯一の扉へ向かい、ドアノブをひねろうとした時、外から足音が聞こえた。
誰か来る・・・!
焦った美早紀はドアの脇に急いで寝転んだ。
ドアの鍵を探すカチャカチャという音が聞こえる。
心臓の音が聞こえてきそうなくらい脈打つ。
鍵が開いたらしく、扉がギィと低い音を響かせゆっくりと光りが漏れてきた、その時。
「とう!!!!」
「え」
背の高い男とまだ若いと思われる男のこが一緒に部屋に飛び込んできた。
そのあとに続き、もう一人の男の子が歩いて入った。
「ナギ。確かに俺はその男にショックを与えてくれとは言ったが・・・飛び蹴りって・・・」
「大丈夫だ!ちゃんと気絶してる!死んでない」
美早紀は突然の事に驚き、ドアの脇に座り込んでしまった。
「あれ。一人起きてる。・・・君、動ける?」
「え、あ・・・うん」
ドアのとこに立っていた男の子がそういって手を差し延べてきたので、美早紀はその手を掴み立ち上がり返事をした。
「良かった。じゃあ、すぐに部屋の外に出てくれ。今度はこの男をこの部屋に閉じ込める番だ。ナギ、早くその子達運ぶぞ」
美早紀は訳がわからずも、外に出たい想いもあったため、その男の子の指示に従い部屋の外へ出た。
一応幽霊屋敷のシリーズは書き上げているため一定の日数であげていますが、これが終わったら日数は不定期です。