元稲荷狐の遊び人
樒「まあ煙草でも吸いながらのんびり話そうじゃないか。」
「そうっすね、って俺からたかる気満々じゃないっすか。」
樒「いいじゃないか、インタビュー料だよ。」
そう言って壮年の狐耳の男は刻み煙草を煙管に詰める。
「火、要ります?」
樒「要らないよ。」
そう言って狐耳の男は指先から蒼白い火を出して煙草に火を着けた。
「じゃあ、名前から。」
樒「僕は樒。・・・そうだね、狐崎 樒とでも名乗ろうか。」
「狐崎ってのはテキトーに言いましたね?」
樒「樒って名前もキミが付けただろう?名前なんてヒト以外は大した意味を成さないよ。」
「年齢とか聞いていいですか?」
樒「約500歳と言ったところかな。」
「生まれも以前聞いたけど改めて。」
樒「睦月だよ、と言っても獣として生れた時の話だがね。」
「睦月から遥々ここまで?」
樒「100歳くらいの時だったか。僧をからかったら懲らしめられてね、そこでその力を仏の為に使えとここまで連れてこられたのさ。」
「仏の使いを辞めたのはいつ頃で?」
樒「400から450歳くらいの間だったかな、つい最近だよ。」
「え?今500歳なら50年前ですけど。その尺度でつい最近と言いますかね?」
樒「おやw気付いたかいw500歳ってのはこの島に来てから数えた年数だよ。」
「睦月で生れたって話もデタラメでは?」
樒「さあwどうだろうねw」
「樒さんの事聞くといつもはぐらかされる。」
樒「僕は千鶴くんの様に正直者ではないからねぇ。」
「次からは眉に唾を付けて話をしますよ。」
樒「その程度の術で僕を見破れるかな?」
「今日はありがとうございました。」
樒「また何かあったら何でも聞きなさい。」
「はい。」




