磁力の脅威と強い仲間と
[Scをエレメント洞窟から手に入れた一同は、急に倒れてしまったリーダーゾンビを回復させるために、Tiサファイアレーザーを使用するのであった]
「魔法:万物創造」
俺は万物創造でTiサファイアレーザー作り出す。そして、魔法で完成したものに驚く。
「おいおい、Tiサファイアレーザーってもっと医療感がなかったか?なんで本物のごっついレーザービームなんだよ…」
レーザー発射部分はサファイアで、発射部分以外はTi合金で出来ている。俺はこれを本当にぶつけていいのか戸惑うが、ここまで来たら1回ぶつけるてみることにした。
「これ本当に撃っていいのか?ていうかサファイアを持ってなかったから魔力削っちゃったんだが?ここまで来たらぶつけてみるか、回復のためだ、うん」
「まぁここは失神させちゃったという1%の謝罪を込めて、プルーリさんが直々に…発射!」
プルーリの謝罪(笑)を込めたTiサファイアレーザーは、瞬きの間にリーダーゾンビにぶつかる。ぶつかった箇所は激しく、青白く光り、森中に神々しい音が遠く、全方位に鳴り響く。
「う…うぅぅぅぅ」
リーダーゾンビの意識が戻り、転倒した際に生じた傷がみるみると回復する。元々の世界ではこんなに傷は早く治らなかった、それ故に俺は驚かずにはいられなかった。
「助かりました、ありがとうございます!私の名は"ショコラ"です! 以後お見知り置きを!」
「こいつ性格が激変している!いや、俺らが助けたから名声が働いたのか…」
ショコラは名声の力で助けた後に性格が別人のように急変し、深く忠誠を誓うようになった。次の瞬間、俺は非現実的なものを目にした。
人間だ。もちろん異世界人だが、それを抜きにしても、見慣れない黒色の髪をしていて左手は赤色、右手は青色をしている。それが何を意味するか、今はわからなかったが、
「草花様!ここでゾンビが取る行動は何度でも蘇って相手の体力を徐々に削ることですよっ!」
ショコラがふわふわした声でゾンビにしかできない作戦を提示するが、俺はすぐに却下した。そうやり取りしている間にに、半透明の赤いプラズマ弾が一同のもとに飛んでくる。
「はっ! 魔法:万物創造! 擬似魔法:合金防壁!」
何種類かの硬い金属類が詰まった合金で出来た防壁は、たった一つのプラズマ弾に破壊されてしまったが、同時に打ち消すこともできた。
「えぇ…いくら擬似魔法とはいえ、合金防壁をプラズマ弾1発で壊されるなんてあいつ…攻撃力と魔力だけじゃない!神力もかなり高いわ!」
「御名答…私はプラマイスと申す、エレメントの力を同時に4つ発動できる能力を有し、磁力の力を最大限まで引き出して戦う国滅ぼしさ! 我々国滅ぼしグループは、貴様らの国に対し最低金額50万チャリンを所望する」
プラマイスが多くのステータスが高い強者だというプルーリの予想は見事に当たり、磁石を扱う能力者ということが判明。
「ここは…能力応用:反発」
プラマイスが技を発動しようとしたその時、空に魔法陣が現れ、何かが降ってくる。それは、俺やプルーリに見覚えがあり、味方にするととても心強い味方…!
「…召喚は完了ってことか…草花の兄貴、あの時は何も知らず襲ってしまってすまなかったな…」
カシラモンスターのオークだ。金棒はするどく、プラマイスを今にも襲いそうな殺気が隠しきれていない。
「一度引いておく、お前らが弱った時に私はまた現れることだろう…能力応用:強制帰還」
能力応用:強制帰還を使い、使用者の姿を一瞬にして消した。プルーリ、ショコラ、カシラオーク共に、ステータスや能力、攻撃手段にに優れ、さらには強制帰還ですぐに逃げられる。その存在を本能的になかなかの脅威だということを察した。
「兄貴…せっかく子分のオークを3000匹ほど連れてきたのに、こんな脅威が現れたらなぁ…あ、ほら向こうに見えるのがそうですぜ」
「そうだn…ん? あれ? 3000匹って嘘だよな? お前は召喚できたのに子分オークには走ってここに来させてるとか嘘だよな?」
俺達はまさかのオークの数と、魔王城からここまでの最短距離、18000kmをカシラオークが召喚されてからプラマイスが強制帰還で帰るまでの一瞬で移動しきったその移動速度や体力に驚き、オークの平均ステータスを割り出すのであった。
「えーと…なになに? 肉眼では遠くでよく見えないが、ステータスは出たぞ。攻撃力が180、神力が3と高い、それぞれに神扱いとして妖精がついている、付録効果は攻撃力が上がれば上がるほど他ステータスも上がるというもので、それ以外のステータスは30〜55程度、純粋なアタッカーだ」
平均ステータスを割り出し終わった直後に、多少疲れた子分のオーク3000匹が到着する。
「タクリカル様! 僕達置いてかないでくださいよ! タクリカル様が大き…魔法陣が小さくて、僕たち全員入らなくて、走ってきたんですからねっ!」
「お前の名前タクリカルっていうのか〜、それよりもオークの同種族が集まれば攻撃力が上がる能力にチート性を考えているんだが?」
タクリカルは子分のオークにゆるく謝罪し、俺はオークのチート能力を何度も確認する。俺は万物創造を2回使ったのだし、皆もプラマイスとの攻撃から身を守っていたので限界が近い。なので、一度全員で体力・魔力を回復させるために就寝る。そのまま夜が更け、その日は終了し、目が閉じて、開くとすぐに明日が来た。夢を覚えていない、だいぶ疲れていたんだろう。
「プルーリ、ショコラ、タクリカル、スライム、ゾンビ、オーク達、まとめて…国民達ー! おはよー!」
今が朝ということを忘れさせる声量で俺は挨拶し、もっと元気で、明るくて、ゾンビということを忘れさせそうな声量でショコラが返した。
「おはようございます! 朝から元気ですね!草花様! 今日は何をするんですか?」
「私達も! 僕達も! 気になるー!」
ショコラ、スライム達、オーク達は全員口を揃えて俺に何をするかをマンドラゴラ級の大声で尋ねる。そこで俺は、ウィークモンスター達を収納、寝心地も良くするためにあることを提案した。
「ここ、今まで更地だったから、城を作ろうと思いまーす! ということで早速! 魔法: 万物創造!」
(シーン…)
「ん?」
魔法を唱えても城は建たず、魔力だけが削られた。目の前には"魔法以外の建造物を建てるには魔法Lvが3以上である必要があります"という文字が現れ、俺は黙ってtrueを押した。
「どうしたんですか草花様?」
「ショコラ…魔法Lvの上げ方って分かる?」
俺はショコラに魔法Lvを上げ方について教えを乞うた。だが、それの答えはあまりにも意外で、そう易々とできることではなかった。
「簡単ですよ、草花様の万物創造ほどの強力さなら…ミソロジーモンスターを倒せばいいと思います」
ショコラの言葉から察するに、魔法Lvを上げるには、その魔法の強力さに応じたモンスターを倒さなければいけないというところだろうか。それにしても、ミソロジーモンスターの討伐とは、ドラゴンを100体同時に倒すよりも難しいと聞いたことがある。俺は今、とんでもないことを行おうとしているのではないか…?