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元素21

2話

元素21


「うーむ…今朝の襲撃は驚いたな、だが、プルーリのおかげで助かった」


 〜今朝〜


「ヴァァァァル!!!」


 俺、プルーリ、スライム達は就寝中に、ウィークモンスター、ゾンビ1000体の軍団に襲われ、目が覚める。


「ん〜? …私まだ眠い、って…ゾンビ!? 見た感じ1000体くらい、8000体のスライムの敵ではない!」

「スラーッ! スラッ! スラーッ!」


 ゾンビは動きが遅く、プルーリが驚いている姿を楽しんでいるようだった。だが、楽しんでいるわけではなく、実際のところ、かなり斜め上の結果に行き着いたのだ。


「ア゛……」


 ゾンビ達は腐り果てていた肉体の頬部を赤らめ、動きを急激に加速させる。そう、ゾンビ達はプルーリに惚れていたのだ。この数分の騒ぎはプルーリのおかげで収束し、ゾンビ達の敵対意識は消えた。


 〜今に至る〜


「ということで、ゾンビが仲間になりました…っと! ステータスを見た限り、倒した相手をゾンビにする能力(アビリティ)を持っているようで…戦力として強力な味方ができたぞ!」


 そこで、見ず知らずの肌が綺麗なリーダーモンスターのゾンビがのろのろと前に出てくる。


「…流石にゾンビでも遅いな!」


 時間をかけて俺の前に出てきたリーダーモンスターのゾンビは歩く速度と同じようにゆっくりと口を開け、俺の耳に言葉を飛ばす。


「ゾンビ達はそのリーダースライムに釘付けであなた達もゾンビも仲間気分だけど、あたしは認めていないからね! 我々アンデット王国は協力するなんて言ってないんだから!このままだと…腐敗パンチが毒を吐くようね…」


 リーダーモンスターのゾンビは部下のゾンビ達は俺達の仲間になることに満更でもなさそうだが、自国は協力していないことを強く主張する。


「そうね…アンデッド王国()()()同盟を結んでない、でも…アンデッド王国は我々、魔王軍の手下の王国なのよ!」


 プルーリが自信満々に叫んだ声は、遠い遠い山まで響き、リーダーゾンビはその一言で戦意喪失してしまった。


「やられた…情報不足…バタッ」


 彼女? はそう言い、前に倒れてしまった。周りの臭いは弱まっていき、生命力も無くなってゆく様子だった。


「やべ、ゾンビまとめ役が! 救急搬送だ! 運べー!」


 彼女は俺が救急搬送し、何もない更地で何の準備もできていないのに治療を始める。


「これより手術を始める! プルーリ助手! どうしたら治る? 教えろ!」


 俺は医師ぶっていたが、助手設定のプルーリに全てを丸投げする。リーダーゾンビは悶え苦しみ、転倒した時の痛みを抱えながら助けを待っている。


「うーむ…アンデッドは大体、相手からの回復をダメージとして受け、Sc(21:スカンジウム)という元素を取り込むことで回復するわ。だからTi(22:チタン)サファイアレーザーをぶつけてみたら治るんじゃない?」


 俺は戸惑い続けていたが、異世界でもO(8:酸素)があって、息を吸えることに納得し、Sc(21:スカンジウム)を探すのであった。


「エレメントの一種ならエレメント洞窟にうじゃうじゃいるはずね…森を通って行きましょう!」

「よーし、エレメント洞窟に行くぞ!」


 エレメント洞窟に向かうべく、俺は森を駆け抜けるルートを選択する。リーダーゾンビのために、俺達の足は動き出す。


「よし、最短で森を駆け抜けるぞ! 魔法:疾風迅雷!」


 俺は異世界に来てから初めての魔法を使い、森を時速800kmでプルーリを背負ったまま進む。


「疾風迅雷!800kmはすごいな!それは置いておいて…お前スライムのくせに重すぎだろ!いなかったら1000kmいけんじゃねーの!?」

「おっと!立派な乙女スライムになんてことを…ここで消しておくべきか…」


 俺もプルーリの茶番を続けながら、森を走り、走り、走り続けた先には…


「ア? お前どんな面して俺様にぶつかってんダァ?」

「ゑ?」


 ヤンキーらしきカシラモンスターのオークがいた!オークは鬼の形相で俺達を睨みつけ、そして激怒し、勝負を挑んでくる。


「お前らァ! タダで済むと思ってんじゃねぇぞ!俺の棍棒が真っ赤に染まるゼェ…」


 声を荒げ、物騒なことを強気に言うカシラオークは、今にも飛んできそうな殺気を醸し出し、棍棒を振る準備をしている。


「戦うなんて無理だ! 疾風迅雷とあと魔法2個しか覚えてないんだぞ!」

「うるさーい! 覚えてるんなら使いなさいよ! 死ぬよ!?」


 移動魔法とあと2つの魔法だけで勝とうとする俺と、水魔法を使うプルーリ。果たしてカシラオークに勝てるのだろうか!


「草花! 疾風迅雷はエレメントを使用しない魔法よ! 魔法の主な要素はエレメントだから、それを纏う魔法を使いなさい!」

「そうだな…持ってる、1つだけ、全てのエレメントを使えるとも言える魔法を…魔力消費量がえげつないから、3回使って満身創痍だがな」


 草花は魔法攻撃はエレメントによる攻撃であることを理解し、全てのエレメントを使用とも言える魔法を使おうとする。


「魔法:万物創造(マテリアルクラフト)!」

(この魔法は、持ってる材料を使ってなんでも作り出すという技だ、足りない材料を魔力で補うため作るものによっては1回でもうきつい…逆に、材料が全て揃っていると魔力を消費しないのだ、ステータスを上げる効果がついていた場合、その効果は消されるんだが…この魔法が初期魔法なのは魔力消費量がえげつないからだ! でも…俺は名声を上げる過程で全ステータスやLvも比例するように上がったからな、これでまだ使えない魔法を再現する!)


 所持材料と魔力さえあればなんでも創造できる無敵の能力。俺が放つ魔法の種類は、文字通り万物。つまり、予測ができない。


「擬似魔法:多数(マジョリティ)雪崩(ゲルニカフロスト)!」

「ガァァァァ!!」


 ゲルニカのように乱れた多数の雪崩はカシラオークを襲う。そして、凍結させる。辺りは静かになり、俺は力尽きている。


「とりあえず勝ったけど、凍結解除が怖いから、直ぐに抜けよう、しかし、私が始爆再爆終爆(オンパレード)を使う前に倒すなんてね、全くすごい魔法だねぇ」

「その魔法物騒だな………

後で教えて」


 この先20km弱、エレメント洞窟。洞窟は土の入り口が微かに虹色に光っていて、本能的にその場所を極楽として記憶する。


 洞窟内を蔓延る100個を越える数のエレメントは人々に対して癒し、命、そして魔法の力を与える。


「気持ちいい〜…けど!早くSc(21:スカンジウム)を探してリーダーゾンビに与えないと本格的にやばいな…」


 洞窟に足を踏み入れると同時に、癒される声に可愛い見た目をした物体が宙に何十体も浮いていた。


 その声、見た目は激動の傷もすぐに癒えて魔力も回復。さらに全てのエレメントが集まれば死人を蘇生する。


「エレメントはそれぞれの種類一匹ずつしかいないけど、脅威の生物回復能力を備えているけど、エレメント自身は回復ができないのよ、エレメントが欲しいなら、瓶を持って欲しいエレメントの場所に行けばエレメントの分身体として貰えるわ、ほーらSc(21:スカンジウム)のエレメントはあっちよー」


 エレメント(物体)と言う名前は、まず

 元素の方から来ており、物体は自由に元素を生み出すことができる。現在確認118種のエレメントは、全て天然物である。


「丸くて色がついてる、そして上部分に目、下部分に、元素記号が書いていて、多分だがエネルギーの源と思ってる」

(ということは倒すことはできない、そしてもし攻撃しようものなら全元素神破滅(オールエレメントリズ)とか人を跡形もなく消し去りそうな魔法をくらって終わりだろうな、ここは良い友好関係を築いておいた方がいい)


「うっ! うぅぅぅぅ…」


 一体のエレメントが急に苦しみ始め、悶える。周囲のエレメント一体のエレメントに近寄る。苦しんで悶えるエレメントを見て、俺はその時、こう考えた。


「ここで助けておこうか、一度! 魔法:万物創造(マテリアルクラフト)! 擬似魔法:雷治癒(エレクトリカルヒール)!」


 俺はエレメントを使わない雷属性のヒールで、悶え苦しんでいたエレメントを回復する。そして、難なくSc(21:スカンジウム)をゲットしたのであった。

実際の元素は118種全てが天然というわけではないので、ご注意を。

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