羽化して蝶になりたいか
モラトリアム?
みずからの背を裂いて
やがて蝶へと羽化するであろう蟲どもも
やつらがそう望んで
すがたを変ずるわけじゃないのかも
薄い翅を風にさらわれないようにひらき
細い脚できゃしゃな躰を支えて立つ
その危うさに比べれば
腹をすりつけて歩く いまのすがたのほうが
ずっと悠々としていやしないか
甘い蜜を求めて花から花へと飛ぶくらしより
これと決めた葉をみつけたらそこでのんびりと
にがい緑を齧りつづけるくらしこそが
おれにはあってるのにと
やがて裂けはじめてしまうであろう
おのれの背中を呪っているやつだって
いくらかはいるだろうさ
だとしたらそれは気の毒なことかもしれないし
そうゆうもんだからあきらめなと
なぐさめるでもなく
さとしてやるべきものなのかもしれない
どちらにしろ
やがて蝶へと羽化するであろう蟲どもを
うらやむのは勝手な他人の物言いだってことさ
蝶こそが本来のすがたと、決めつけているのかも?










