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皇子が城から脱走したのですが!?  作者: K0-OTO
第一章 ハジメテの脱走でハジメテの体験を
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九話 ハジメテの組織&建物破壊




「せい!」「グハッ!」

「よいしょ!」「きゃあ!」

「あっ後ろに隠れてる人は今は寝ててね!」「……ヴゥ!」


 戦ってみて思った。

 こいつら…弱いなって。

 

 だって事実だ。

 一撃でやられるなんてやっぱり弱いだろう。しかも素手の子供相手に。


「ガウルたちって、カッコ悪いね……」


 最初はあんなにかっこいいと思ってたけど、今になったらそこまでかっこよくないな。

 子供の関心はあっという間に冷めるものなんだね。

 あっという間に興味が移っていく。

 今、俺が興味を持ってるのはこの組織を壊滅させることだ。

 組織破壊ってどんな感じなんだろう?

 ふふ、考えただけで楽しくなってきた。


「もういいや、ガウルのことはもう興味なんてないし。さっさとこの組織を潰そう。それで子供達とみんなで家に帰るんだ」


 そういえば、組織を潰すってどうやればいいんだろう。初めてだからわからないや。

 壊すだけなら誰でもできるよ。だけど、完璧に潰すにはどうやればいいんだろうって俺は思う。


「とりあえず、壊そうか」


 そう決めた。どうやればいいかわからないなら、わかるところまで進めればいい。

 続きをどうすればいいかは後で考えよう。

 最悪、俺を追いかけてきた人に丸投げすればいいよね。


 俺は、ある魔法を発動させる準備をする。

 詠唱?……何それ。魔法はイメージだけでできるものだから案外簡単だ。

 子供の想像力は無限大なんだよ。


 周りの床が発光する。それは、建物全体に広がっていく。

 そして、建物全てを包み込む。


「なんだ……?」


 少しずつ、周りが騒がしくなっている。

 ああ、忘れるところだった。子供以外で捕まってる人がいるね。逃げた子供たちがいるところに転送しようか。


 さっと他に捕まっていた人を外に転送する。きっと外にいた子供たちはものすごく驚いただろう。突然隣に大人や動物がいるんだから。

 

 敵の目の前で発動するには遅すぎる貯め時間が終わった。

 いつでも魔法を発動できる状態だ。


「さあ、やろうか! 組織破壊!」

「……!? やめてくれ〜!」


 なんかガウルたちが言ってるけど聞こえない聞こえない。

 俺は何にも聞こえてません!

 

 建物を包んでいた光が一斉に強くなる。

 眩しくて目を瞑らないと目がおかしくなりそうなくらいの光だ。

 もちろん術者は全く眩しくない。


 カッとカメラのフラッシュがつくように、光った後、その光はスッと消えた。


「「「……?」」」


 派手な演出だったのに、何も起きていないのがおかしいと思ったのだろう。

 耳と目を塞いでいたガウルたちが辺りをキョロキョロと見回す。


 今は建物にも、自分自身にも、何も異常ないよね。今はね!

 もうすぐ変化があるよ。とんでもない変化が。


 そう思ってすぐ。サラサラと建物が崩れ落ちた。灰よりも細かくチリのようになって、自然の風で吹き飛んでいった。

 どうやら二階があったみたいで上からガタイのいいおじさんとおばさんがどさどさと降ってきた。


「おお〜。この魔法今初めて使ったけどこうなるのか……。爆発しなくてよかったぁ」


 外に逃した子供たちが無事かどうかを、子供達を見つけることで確認する。


「みんな〜大丈夫だった?」


 俺が手を振って声をかけると、わっと子供たちが飛びついてきた。

 僕の体より大きい子供も飛びついてきたから、重い……。

 二次成長なんてまだまだ先だから、このままだとバランスを崩して……


「うぁああ!!??」

「「「キャぁぁあ!!」」」


 飛びついてきた子供と一緒に後ろに倒れ込んだ。


「魔法! すごかったね!」


 倒れている俺の頭の方から、フィオが話しかけてくる。

 ねえ、フィオ。

 なんでしゃがみ込んでるの?

 近い!近いよ!?


「……ありがとう」


 おでことおでこが触れ合うスレスレのところで、そっとそう言われた。


「ほら、そろそろみんなどいて。パパとママのところに帰るんでしょ?」


 そう言って、俺の上に乗っかっている子供たちを一人ずつ剥がしていく。

 何人乗ってたんだろう。

 いくら剥がしても一向に減らない。

 いや、これは……


「降りてまた張りついたら、遅くなって夜食が無しになるよ!」

「それは嫌だー!」

「おなか減ってるもん!」


 子供達からブーイングがとんできた。

 だけどさ、夜食が無しになるのは君たちが俺に張りついてたせいなんだよ?

 それだけは事実だからさ?

 もし夜食が無しになったら、張りついてた君らのせいだからね。


「じゃあ帰ろっか」

「「「うん!」」」

「帰ろうぜ!」


 俺は、街への転移魔法を発動させた。

 あっ、救出した大人も一緒に運んだよ。

 精神状態も安定してたから外に出してからそのままにしてたけど。




 




現在思っていること

ルカ:帰ろう。(俺は帰るつもりないけどね)  子供達:お腹すいた〜!!

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