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今日は8月31日、宿題忘れて怒られたくないので異世界へ逃げました

作者: カオス

ノリと勢いだけで書きました。

連載を一本抱えてる身ではありますが、まだまだ未熟なクソザコ作家なので、どうか暖かい目で見て頂けると幸いです。


※文字数多めです。

『やべ、宿題やってねえ……』


 夏休みの果て――俺は真っ白なプリントを見て愕然とした。


 ただやってないだけならまだしも、たったの一文字すら書いてないだと……!?


 そんなはずはない!


 いくら俺が人類未踏のヴァァカでも、完遂してる宿題の一つや二つあるはずだ!


 俺は部屋に散らばった紙の山をかき分けながら何度も何度も何度も確認したが、全て空白だった。


 ――あぁ、なんて綺麗な白なんだろう。一切の色が差し込まない美しき世界。そこに色を入れるのは芸術的に良くないのでは?


『そうか! これは芸術なんだ!』


 白い世界。これを題名にして提出しよう! この芸術作品を見れば先生方も感動して、思わず宿題のことなんて忘れてしまうだろう!


 なんて画期的な発想なんだ! 俺は天才だ! この才能を活かして将来はビッグな男になるのだ!


『あーははははははははははははははは……はぁ……』


 俺はすぅーっと息を吸って、


『んなわけねえだろおおおおおおおおお!!!!!』


 この後、母ちゃんと姉ちゃんに『うるせえ!』と、怒鳴られた。


『ふぅ……』


 落ち着け……まずは状況の整理だ。ひとまず本でも読もう。俺のお気に入りの本だ。これを見ると頭の中にある煩わしいものは消え去るのだ。


 その本は、ほぼ全ページに海の写真が載っていて、心に安らぎを与えてくれる素晴らしい本だ。布面積の小さな水着を纏っているお姉さん(ちゃんねー)も映っているが、それはたまたま偶然写り込んだだけだ! 決してそういう本ってわけじゃないんだからね! あくまで海の写真を見て癒やされてるだけなんだからね! 勘違いしないでよね!


『って、こんなことしてる場合じゃねえ! 早く宿題やんねーと!』


 俺は急いで紙にペンを入れて、片っ端から答えを埋めようとしていたが、ある重要な事に気づいた。


『あれ、どの問題もむずくね?』


 俺の頭の中の“学力くん”が、ずっと首を横に振っている。何一つ分からないようだ。


 あ、オワタ\(^o^)/


 問題の答えが解けねえwwwwww


 どうしよwwwwwwwwwwwwwww


 俺バカすぎワロタwwwwww


 そんな学力低かったっけwwwwwwwwwwww


『あぁ、もういいやw』


 ヤケになった俺は白紙のプリントを投げ捨て、ベッドに横になった。


『明日先生にめちゃくちゃ怒られるだろうな……』


 俺の担任は美人だけど、めちゃくちゃ厳しいんだよなぁ……特に宿題の提出に関しては徹底して守らせるからなぁ……。


 ――刹那、俺は身震いをした。


 なんだこの威圧感は……!?


 俺の本能が疼いている……もしこのまま明日学校に行けば、俺は……俺は――


 壊レる。


『嫌だああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!』


 想いをそのままぶちまけた俺は、その後またしても母ちゃんと姉ちゃんに『うるせえっつってんだろ!!!』とブチ切れられた上に殴られた。


 さて、既に肉体的ダメージを受けた俺だが、明日になれば美人教師の早乙女(さおとめ) 王華(おうか)先生からのお説教で、精神的ダメージを被ることになるだろう。


 叱られても美女ならば、我々の業界ではご褒美ですとか言ってた奴らですら、怯えて泣いてた程だ。それはもう……酷いものだった……。


 しかーし! 俺はそんなのは御免被る!


 こうなったら……家出しよう。


 たとえ悪いことだろうと、俺はこの道を突き進むだけだ!


 それしかねえ!


 わりと冗談抜きでそう思っていたその時、俺に奇跡が起きた。


『少年よ、逃げたいか?』


 どこかから、お姉さんらしき人の声が聞こえた。


『ん?』


 俺は気のせいだろうと思って返事はせずに、黙って荷物をまとめ始める。


『おい、人の話を聞け。逃げたいんだろう?』


『は? え? なに?』


 気のせい……ではない。はっきりと声が耳に入ってきた。俺の他に誰もいないはずの部屋で。


 俺は再び身震いした。


 怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い。ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい汗と鳥肌が止まらねえ!


 間違いない、幽霊だ! 怪奇現象だああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!


『おい、大丈夫か?』


『アアアアアアアアアマタシャベッタアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!』


 俺は布団の中に潜り込んで、これまでの悪事(男友達のズボンを脱がす、黒板消し落とし等)を懺悔しながら、神に助けを求めた。


『いや、別に取って食おうってわけじゃないんだ。頼むから落ち着いてほしい』


 そう言って、俺を安心させといて食ってやろうって魂胆だろ! 俺は騙されないからな! なんて、言葉すら口から出す勇気もなく、布団の中で震えていた。


『……ぅぅぅ……』


『全く……しょうがないな』


 そう言うと、その声の主は俺の部屋の中に現れた。


 床に足をつけた音が聞こえたので、これは確実に人が入ってきたと認識して、一層恐怖が増した。


『少年、私を見ろ』


 少し優しくなった声で、そう呼びかけてきた。


 何故かそれだけで、俺は布団(とりで)から顔を出してしまった。


 そして、声の主のご尊顔がついにこの目に映った。


 嘘だろ……?


 ――肘に届くほどの長さの紫色の髪、二度見三度見は余裕であるほどの豊満な胸部、ウエストも細く、芸能人顔負けのスタイルとビジュアルを兼ね備えている。


 そして、なんと言っても、服装が下着姿! 繰り返す、下着姿だ!


『あ――』


 俺は唖然とした。いつも見てる水着のお姉さん(ちゃんねー)なんか目ではない。この人は……いやこの御方こそ――


『やっと落ち着いてくれたようだな。じゃあ早速話を――』


『美しい』


 俺は思わず、会話を遮っただけでなく、思いのままを呟いてしまった。


『ん?』


 俺はおぼつかない足取りで、彼女に近づいた。


『お姉さん』


『お姉さんではない。私は女神だ』


『め、女神……?』


『世界を管理する存在のことだ。まあいい。とりあえず貴様は選ばれた。異世界へ連れて行ってやろう』


『え、異世界???』


『はい、じゃ行きまーす』


 どういうことだ、と疑問を投げる前に俺は全身を覆うほどの光に包まれ、気づいたら知らない街に飛ばされていた。


『は? ここどこだ……?』


 先程まで俺の部屋にいたはずだが、ここは明らかに外だし、見かける人々も全員変わった恰好をしている。まるでファンタジーの世界だ。


『マジで異世界なのか……?』


 とても信じられないが、どうやら本当に異世界にやってきたらしい。


『や、やったぞーーーーーーー!!!!!!』


 俺は歓喜に満ち溢れた。だって異世界だぞ!


 ここなら宿題から逃れられるし、それどころか一生勉強しなくて済むぞ!!!!!


 しかも、ちょっと身の回りを調べてみたら、ステータスも何か高そうな数値になっているし、武器も強そうな物が既に装備されていた。


『初期装備もいいな〜。所持金もあるみたいだし、なかなか高待遇じゃないか〜?』


 とは言ったが、相場が分からないので本当に高待遇かどうかは、これから調べてみるか。


 俺はその後、ギルド等の色々な施設に入り、受付嬢(ちゃんねー)等の色々な人に話を聞いて、この世界のルールをある程度知った。


 言葉が通じて良かった……。


『なるほどな。まあ要するに異世界転生ものと大体一緒だな』


 冒険者になってギルドの依頼を受けてその報酬で暮らしていくって感じか。


 もちろん別の道もあったりする。例えば商人になると、各地に赴いて色々な物を集めては売っていったり、普通にバイトをするみたいに飲食店で働くこともできるようだ。


 ちなみに、どれも嫌な場合はこの世界に革命を起こすために魔王になるか、それとも配下になるかという裏の進路があるらしい。あんまり良い印象はないので、関わらない方が良さそうだ。


 そして、やはり俺はステータスは比較的かなり高めだった!


 しかも初期装備もこの世界ではかなりレアで強力な物だった!


 これなら大抵のモンスターは一人で倒せるとのことだ。


 俺TUEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!!!!!


『よし、そうと決まれば……早速ギルドに行くぜー!』


 ――というわけで、俺はあれから冒険者として依頼をこなして、金と信頼を積み上げていった。


 ここに来てから何日……いや何ヶ月経ったのだろうか? 夏休みなんてとっくに終わってるだろうし、下手すれば冬に入ってるかもしれないな。


『だが、俺は元の世界に帰る気はない』


 ここで俺は新しい人生を送るんだ。宿題のないすゔぁらしい世界で――


 そう思った矢先、俺の前に信じられない光景が目に映った。


『は? なんだ……これ……!?』


 そこには、“新法 宿題絶対提出法令のお知らせ”と記された看板が立てられてあった。


『宿題……だと!?』


 そんなヴァカな……なぜ宿題という概念がないこの世界で宿題などと……?


『――ようやく会えたな。()()


『――え?』


 俺の名字は黒崎。この世界では調子こいて“ゼウス”と最強にふさわしい名を名乗っているので、名乗ったこともない黒崎と呼ばれるのはおかしい。


 俺を黒崎と呼ぶのは、クラスメートか教師くらいだ。そして、俺を呼ぶ声は大人の女性の声だ。それも平日よく耳に入る声だ。


 あぁ、もうほぼ答えが出てるじゃないか。ということは――


『早乙女……先生!』


 宿題の提出に厳しいと有名なウチの担任、早乙女王華だ。


『まったく、捜したぞ』


『な、なななな、何でここに……? あ、人違いです!』


『遅いわ、ド阿呆(あほう)


 ちくしょう! 俺のヴァカ!


『ぐぬぬ……』


『言いたいことはあるが、まあいい。無事でなによりだ』


 早乙女先生は、まず俺の無事を素直に喜んでくれた。悪い人じゃないんだよなぁ……。


『あぁ、私が何でここにいるかって説明しなくてはな。実はな、黒崎がこの世界に来たという情報を掴んでだな』


『情報を掴んで? どうやってですか?』


 どう考えても、元の世界から異世界の情報を得る方法なんてないだろう。


『地元の友達から連絡があったんだよ。私の生徒がここに連れてこられたって』


 いや地元の友達何者!?


『だから私が出向いて、お前を連れ戻しに来たんだが……なかなか見つからなくてな。だがようやく今日見つけたというわけだ。理解したか?』


『できるかアアアアアアアアアアアア!!!』


『まあまあ、そう叫ぶな。質問ならいくらでもしていいから』


『じゃあまず、先生の地元の友達何者なんですか!?』


『賢者だ。あらゆる万物の声を聞くことができる伝説の女だ。異世界へ連れてこられた者を把握することもできるぞ』


 なるほど、だから、俺が連れてこられたって分かったのか。しかも早乙女先生の生徒だってこともしっかり把握してるし。


 賢者SUGEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!!!!!!!


『先生は何者なんですか!?』


 ここまで来たら先生がこの世界出身の冒険者だろうと、驚きはしない。


 もう既に異世界来た時点で、それ以上に驚く事はないだろうからな!


『私はこの世界で生まれ、千回くらい世界を救った女勇者だ』


『千回!?!?!?』


 しかも勇者!?!?!?!?


 世界を救った者にのみ与えられる最高の称号じゃないか! 報酬も冒険者の上位互換と聞くぞ! 裏山Cぞ!


『あぁ、ちなみに私の年齢は二十七で通しているが、本当の年齢は一万八百三十五歳だ』


『いちまんはっぴゃくさんじゅうごさい!?!?!?!?!?!』


 ダメだ。情報過多で頭がおかしくなりそう……。


 まあ、要するに早乙女先生はめちゃくちゃ凄い人ってことか。でも正直信じきれない。嘘をつくような人じゃないのは分かるんだが、俺の頭が追いつかん。


『信じられない話だろうが、お前もこの世界に来て数ヶ月は経ってる。聞き入れてくれるだろう?』


『いやいやいや……』


『なんだ、まだ信じてないのか。しかたないな……じゃあ証明してやる。ちょうど()()()()も来たようだしな』


『お客さん?』


『ほら、あれだ』


 早乙女先生が指を指した方向を見ると、街を襲来せんとするドラゴンの集団が現れた。


 住人たちはこの世の終わりのように慌てふためきながらも、自分の命を守るために街の奥へと避難した。


 この場に残ったのは、俺達と腕の立つ冒険者のみだ。


『ドラゴン!』


 この世界において最強種のモンスター。並の冒険者ではとても倒せない。基本はレイドバトルのように大勢で挑む。俺なら一人でも多少骨は折れそうだが、勝てない相手ではない。だが正直戦いたい敵でもない。


 こんな時に……!


『先生、ちょっと俺行って――』


 走って行こうとすると、早乙女先生は俺の首根っこを掴んだ。


『待て』


『何するんですか!』


『私が終わらせる』


 そう言って、早乙女先生は大地を蹴り、縦横無尽に空を駆けながら、あっという間にドラゴンの集団を殲滅した。


『ええええええーーーーー!?』


 俺はもちろん、一緒にいた冒険者の人たち全員残らず驚愕した。


『嘘だろ……?』


 あまりにも一瞬の出来事で、理解が少し遅れてしまった。


 そうか、早乙女先生は本当に世界を救った勇者なんだな。


『戻ったぞ』


 俺達が見惚れている間に、早乙女先生が何食わぬ顔で戻ってきた。


『戻ってくるの早っ!』


 瞬間移動でもしたのか?


『どうだ? これで私が勇者だって信じてくれたか?』


『はい、それはもう』


 あそこまで実演されちゃあ、もう信じるしかない。


『よし、これでやっと話の続きができるな。さっきのように私はモンスターを倒しつつ、数年に一度現れる魔王を討伐するという使命を背負っている。それが勇者だ』


『ふむふむ、なるほど』


『もちろん報酬ももらっているぞ。一生金に困らないくらいの金額と、あとは世界のルールを追加できる特権もな』


『特権? あの……もしかして、この“宿題絶対提出法令”って先生が……?』


『ああ、昨日私が新しく作った』


 案の定だった。もし貴女以外の人だったら、それはそれで怖いから、この答えが聞けて逆に安心した。


『これって、どういう法律なんですか?』


『どうもこうも、文字通りだ。宿題忘れたら罰が下るってことだ』


 そこからさらに補足されたが、どうやら宿題を出すのは任意だし、内容も容量も無理のないものでなければならないという制約もある。


 つまり、毎日一日分を超える宿題を出すことはできないってことだ。じゃないと大変だからな。


 しかも、この宿題を提出すると内容に応じて報酬が貰えるらしい。


『何の為にこんな法律を?』


『お前を炙り出す為だ』


 笑顔を見せつつ、俺に圧を与えてきた。


『目が笑ってないですよ』


『そりゃそうだ。目は笑うものじゃなくて見る為のものだろ?』


『いや機能的な話じゃなくて……』


『分かってる。いいか黒崎、私はな……怒ってるんだ』


 早乙女先生はそう言って、俺の両頬を摘んだ。


 やっぱり怒ってたーーーーー!!!!!


『お前、夏休みの宿題やってなかったから逃げたんだって?』


 な、なんでそれが分かった!?


『あの()()()()()から全部聞いたよ。お前の事情全部な』


 露出狂女神って、下着姿で俺の部屋に不法侵入したあのお姉さんのことか。早乙女先生と面識あったのか。


 ていうか、露出狂女神(あのひと)チクりやがったのかーーーーーーー!!!!!


『宿題の提出期限を守らないどころか、よもや逃げ出すとは……覚悟はできてるだろうな?』


 早乙女先生の圧がいよいよ怪物級クラスにまで到達した。捕まったら、怒られるだけじゃ済まないだろう。


 抗うために戦おうにも、物理的な力も彼女の方が圧倒的に上だ。俺に勝ち目はない。


 かといって弁明しようとしても、今更言い訳など通じるはずもない。


 どちらにせよ俺は、元の世界に強制的に連れ戻されて、かつてないほどの(おしかり)を受けることになるだろう。


 俺はその時、どんな顔してるんだろうな。


 アァ、オワッタ……。


 〜Goodbye〜

 俺の楽しい楽しい異世界生活。


 ――BADEND――




『――――――だ』


『あ?』


『――――やだ』


『やだ? お前に拒否権があると――』


『嫌だっつってんだろうが!!!!! 離れろ!!!!!!』


 目上の人への敬意を捨てた俺は、早乙女先生の手を振りほどき、剣先を向けて威嚇した。


『おい、どういうつもりだ!』


 それでも俺に武器を向けない早乙女先生。良い人なのは分かってる。でも――もう今更戻れない!


『うるさい! 俺はどうしても……宿題をやりたくないんだーーーーーー!!!!!!!』


 想いをぶちまけて、俺は今まで以上に力がみなぎった。


 しかし、それでも早乙女王華に勝てるとは到底思えないので、ひとまず全力で退散することにした。


 まずはこの妨害用アイテムの“光玉”で周囲を強く照らして、相手の視力を奪う。


『くっ――――――』


 早乙女王華が目を覆っている間に、俺は全力で大地を蹴り、その場をあとにした。


『おい、黒崎! 待――――』


 言い切る前に俺は既に街の外に出て、さらにその先へ加速する。


 ――たとえ早乙女王華の姿は見えなくても、足を止めるな。


 走れ――走れ――逃げろ。


 しかし、逃げたところで“宿題絶対提出法令”が俺を襲う。世界中どこに逃げようと、宿題を出されたら負けだ。


 ならば、どうするか。


 方法なら一つある。


 それは――俺が()()になることだ!


 もう来るところまで来たんだ! やってやる。どうせなら、俺はこの世界に革命を起こす!


 宿題のない、自堕落し放題な世界へ――



 ――――それから三年の月日が経った。


 逃亡生活を過ごしながら、俺は魔王城という建物を立てて、同志を募った。


 すると、意外と多くの人がやってきた。シンプルに宿題が嫌な人から、勇者のアンチをやっている者、自由な世界を求める者まで動機は様々だ。


 俺はリーダーとして彼らと共に、世界に――勇者に宣戦布告を突きつけた。


 ――さらにそれから色々な事が起こり、戦いは長きにわたり行われてきたが、ついに決着の時が迫る――


 敵味方、既に大勢が倒れ、俺と早乙女王華との決戦が始まった。


『全く、いつまで宿題を出さないつもりだ。お前も留年さえしなければ、もう高校を卒業してた頃だぞ』


 時の残酷さを説明する早乙女王華。俺を精神的に焦らせようとしているようだが、そもそも俺はもう元の世界に戻る気はない。


『もう俺には関係ない話だ。宿題など永遠に出さん』


『そうか、それなら仕方ない。()()()()力づくでお前を元の世界に返して、必ず宿題を提出させてやる!』


 それぞれ武器を強く握り、衝突する。


 この戦いで答えは出るのか分からない。もしかしたら俺は()()負けるかもしれない。そうなったら戦場からうまく退いて、またリベンジの機会を伺うつもりだ。


 それでもいい。たとえどんな大怪我をしたって何度でも挑んでやる。


 早乙女王華、俺はアンタに勝つまで戦うことをやめない。


 宿題が無くなる未来を――俺は見たいから――

最後まで読んで下さり、ありがとうございます。

いかがでしたでしょうか?

もしこれを読んで楽しめたのなら、幸いです(^^)


一応、この作品の連載版も考えてはいますが、やるかどうかはまだ未定でございます。


本日はありがとうございました。

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