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猫と話をさせてくれ  作者: ポン酢
逢いたい時に猫はいない
24/25

逢いたい時に猫はいない⑤

あ~っ!!


だから会いたくなかったんだ!!

会いたくなかったんだ~っ!!


猫はそう思いながらファーッと毛を逆立てて大きく口を開けた。

だが、相手は子猫でも見るように二本の尻尾を揺らしながら、ただ眺めているだけだ。


「……クソッ!!」


「相変わらず品がないねぇ。だから中々、尻尾が割れないんだよ。」


「品は関係ねぇだろうが!!ババア!!」


「そうはいかない。猫又になるってのは、古来より由緒のある格式を持つ存在になるって事だ。アンタが思っている力の強い妖猫になる事じゃないんだよ。」


「うっせぇなぁ~。大体、何で今更、来やがった?!俺に基礎だけ教えて、消えやがったくせに!!」


「だって、アンタ、人嫌いじゃないかい。あたしゃ、人は好きだからね。特にいい男は大好物さ。なのにアンタときたら、あの時のカレシにひっかき傷をつけて。最低限の事はしてやったんだから、感謝してほしいもんだよ。」


「カレシって……ババア、歳を考えろよ……。」


「うるさいわね?妖猫に歳はないんだよ。いつでも心は生娘さ。」


「キモッ!!」


思わず吐く真似をした猫は、次の瞬間、師匠の猫又から強烈な頭突きを食らった。

何か大きな力に叩かれたように吹き飛んだ体を、身体能力を使って何とか着地した。


「何すんだ!!ババア!!」


「フンッ。爪を立てないでやっただけ、有難く思いな、小童。」


「俺は小童じゃねぇ!!」


「あぁそうかい。じゃあ言い直してあげる。何年たっても猫又見習いの子猫ちゃん。」


「…………クッソッ!!」


猫はそれ以上言い返す事もできず、苛々と毛づくろいをするしかなかった。

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