表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
猫と話をさせてくれ  作者: ポン酢
逢いたい時に猫はいない
22/25

逢いたい時に猫はいない③

ほっそりとした月を掲げた空は、相変わらずぼんやりしていた。


いつからこの辺りも、空がこんなに不確かになったんだ?

思い出そうかとも思ったが、面倒なのでやめた。


春の風は突風だ。


色々あったものを吹き飛ばして、どうでもいいものまで運んでくる。


「…気のせいって訳じゃ無さそうだな。」


湿気や静電気で感覚が狂ったような髭を、落ち着かせようと顔を洗う。


面倒くさい。


非常に面倒くさい。


「でもな~。あ~面倒くせぇ~!」


後、少しなのだ。

感覚が間違っていなければ、後、1年程なのだ。


だと言うのに。


何故、最後の最後、面倒が舞い込む?

あの人間の事といい、これといい、何でなんだ?


数える気にもならない長い間、こんな立て続けに面倒が押し寄せることなんてなかったじゃないか?

何で今更、面倒くさいんだ?

最後の試練かよ、おい。


「は~だからって、無視したら、余計、面倒くせぇのが目に見えてるしよ~。」


苛立った気分を紛らわせるために、ざりざりと体を嘗める。


仕方がない。

行くしかない。


本当なら、月明かりがない分、数多くの星が見えるはずの夜の下、申し訳ないように灯る街灯。

草むらを抜け、行くべき方向を確認する。


灯りの影に、都市の死角に馴染んだ生き物がさかさかと身を隠した。

別にとって食うほど腹も減っていない。

暇潰しに吹っ掛けるほど、今は暇じゃない。


さっさと面倒事を片付けようと、夜明かりの中に走り込んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ll?19071470r
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ