妙な夢
「――!?」
飛び起きた。時刻は夕方の4時で、どうやら俺は昼寝していたらしい。
「わっ、びっくりした……どうしたです?」
「――いや」
「?」
――あれからまた数日が経過した。
戻ってきた冬木に協力を仰ぎ、グランツとアリシアの死体を処理した後のこと。この数時間で吉良家の体制は大きく変わったように見えたが――どうやら丁度、里美の兄が海外から戻ってくるらしく、家の跡取りはとりあえず彼に任せることになった。まったく、都合が良すぎるぜ。
続いて里美なのだが――彼女は冬木の案で精神科へ連れて行かれることになった。まあ妥当である。彼女は、あの狂った人格を制御しなければならない。制御できなければ、将来社会へ出て行くこともかなわないだろうし。
さて、あの日以来。俺は妙な夢を見るようになった。
よく分からない。エターナルマザーの無機質な空間とも違い、穏やかな白い光が包む世界で、俺は何か公園のような喧騒を聞きながら眠っているのである。
で、日に日に夢の内容は先へ進んでいき――限の悪いところで、今みたいに目覚めるのだ。
「なんだか心配です」
「大丈夫だよ。もうあんな醜態は曝さない」
摑まっていた時はボンヤリしていたところを、今やすっかり元気な青松の頭を撫でて、眠気も失せたのでゲームでも始めることにする。
「あ、私もやるです」
青松はこの世界へ来てからというもの、ゲームに夢中なのである。
気付けば俺のデータより先に進んでいたりするし、やはりニートというのは恐ろしい。
俺は、再び訪れた平和を噛み締めていた。




