表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
始の章―イマジネーション―  作者: 風純蓮
開始の話―異界冒険譚―
29/60

助けるために

 次に目が覚めたとき、目の前はまさに地獄絵図といった風景だった。

 ここは――恐らくヴェガの町だ。確証が無いのは仕方ないと言いたいところである。何せ町全体が火の海なのだから。

「アンセムを……芳幸……たか……ッ、返し、テ……!」

 目の前には、相変わらず真っ黒な炎を背負う神楽。しかし後姿だ。

 でもって神楽の前には、屍となった人間が何人も倒れている。そこには冬木たちのみならず、見知らぬ戦士か兵士か――その辺りの人間も血だらけになって倒れ伏していて、中には俺の姿もあった。

 あれは――さっきまで芳幸と名乗っていた俺である。まったく、狂ってやがる。一体神楽の身に何があったというのだ。

「……」

 ふと俺の中で、何かが大きく跳ねた気がした。心臓の脈と共に、全身に鳥肌が立つように。

「あ……」

 そして気付けば、俺は神楽の首にチョップを入れていた。首をトンと叩いた拍子に気絶させるという、アレである。その"アレ"はどうやら上手くいったようで、そのまま彼女は気を失い、倒れそうになったところを抱えてやった。背負う炎は衰えないが、熱は感じられない。

「神楽……」

 すっぽりと腕の中に収まった彼女は、出てるところ出てるくせに細くて華奢である。いつか抱いたときと同じ、脆くて儚い柔らかさが腕の中にある。


 ――コイツを助けるには、どうしたらいい。


 考え始めた途端、俺の視界は再び暗転した。さてと、次は何処で目覚めるやら。

 最近何だか気絶の頻度が多すぎる気がするが、段々慣れてきてしまった辺り人間って怖いなと思いつつ――幾許かの時が過ぎて視界に再び光が差し込んだので、俺は目覚めの本能に従って目蓋を開いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ