唐突に洋館
散々だと思いつつ部屋に戻る――と。
「なんだここ?」
その一言が、俺の口から出た最初の言葉だった。
――景色がガラリと変わっている。こんなの俺の部屋じゃない。
シンプルで誰にでも想像できそうな一般的な学生の部屋だった俺の部屋は、一瞬にして高級感溢れる西洋風の洋館へと変貌している。
しかも部屋――だったのに、エントランスだ。まるで玄関から入ってきたかのように、広々とした大広間が俺を出迎えている。
「……!?」
部屋に入って、未だ扉を閉めていないはずの俺。だが背後は巨大な扉に変貌しており、開ければ夜の更けた屋外で、しかも吹雪で前の見えない山の中である様子。
「貴方の家、すごく不思議なカラクリで出来てるんだね」
「いや、そんなカラクリ用意してねぇぞ」
神楽がいる。少し安心だ。
「それなら――少し眠くなって、寝て、起きたらこの状況。どう考えても超能力者の仕業だと思わない?」
「あぁ、そうだろうよ……」
さっきまで俺の家だったのに、自室に入るや洋館へ早変わり。しかも背後の扉は玄関になり、外は真冬の景色。とんでもねぇとしか言えない。
「――いきなりすぎて状況が読めないんだが、どうしよう?」
「当然携帯は圏外、あと少し1階部分を見回ったけど誰もいないよ」
「……ホント、何なんだよここ」
――この洋館に、俺が居るという事実。それは俺達の人生を、大きく狂わせる切欠となるのだった。




