表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
始の章―イマジネーション―  作者: 風純蓮
序の話―取り巻く現実―
1/60

想像を創造する力

 もしも想像が現実になったら――なんて考えたりしたことはあるか。

 厨二病の人なら闇の力がどうのこうの、何かに失敗した人なら過去に戻るだのなんだの、現実と理想のギャップに悩む人なら理想像、恋をしている人なら想い人とすることなど、誰もが何かしら考えた事はあるだろう。無論、俺こと月宮芳隆つきみやたかゆきもその一人。もしも想像が現実になったらと考える人物である。

 しかし、俺が小6の時分。常に喧嘩腰で事ある毎に突っかかってくる――そんなどうしようもなく気に食わない奴がいて、こいつ一回階段から落っこちて骨折でもしねぇかな、なんて考えつつ、あわよくば死ねば良いと思っていたとき――何とソイツは本当に目の前で階段から転げ落ちて病院まで送られた――なんていう経験をしている。

 そいつは死んだわけではないので、当時は本当に偶然だと思ってたのだが――どうやらこれがまた違ったらしく。

 今度は中1だった時分。とあるカップルが同じクラスに居て、そいつらが教員から見ても目に余るほどイチャイチャしていたので、いっその事こいつら破局しねぇかな、なんて思ってたら本当に破局して犬猿の仲と化した――そんな出来事を目の当たりにしている。

 このとき俺は小6での出来事を思い出していたが、そんな非現実的なことがありえるわけ無いと思って偶然だと決め込んでいたが――やはりというか違ったらしく。

 更には高校入試を控えた時分。小6と中1での出来事を思い出して、試しに俺が鬱陶しいと思ってた奴全員が受験に落ちる結末を想像してみたら――見事にそいつら全員、受験に落ちた。

 それ以外にも思い返せば、例えばカレーが食べたいと思ったらその日の晩飯がカレーになっていたりと、小さな想像も全て現実になっていた気がするのだ。

 でもってつい最近。俺は、神楽沙耶かぐらさやというクラスメイトから今までの俺の実体験を全て見抜いた上で告げられたことに確信を持った。

 どうやら俺は、想像を現実に出来る力があるらしい。

 でもってこの世界には、約束も過程も経緯もなく、結果だけを引き起こす力――つまりは超能力が実在しているらしい。

 宇宙という膨大な情報の中で出現した、所謂バグやウィルスに似ているというこの現象。連続して使用することで鍛え上げることも出来るとか。

 そんな"ありえない"事実と共に、確かな証拠を以って俺を無理矢理納得させた張本人こと神楽沙耶。彼女もまた超能力者の一人で、彼女との邂逅は俺の人生を大きく傾かせようとしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ