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孤独な魔女は(仮題)  作者: はぢめ蒼依
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祝!初記憶喪失?

 一瞬記憶を無くしたのかと思った。

 目が覚めると、見覚えのない場所にいたからだ。頭痛はしないけれど、昨日飲んだんだっけ?今までは記憶をなくすまで飲んだこともなければ、起きた時に知らない場所にいたこともなかった。

 だけど、今まではなかったからと言って、ずっとないという保証はない。私はうわばみではない自覚があるからだ。記憶をなくしたことはなくても、二日酔いの経験はそれなりにあるし。もしかして、初記憶喪失!?初といっても全然めでたくないけど。

 埒もないことを考えながら周りを見回すと、どこかの部屋ということが分かる。

 取り敢えず室内で良かった。屋外ならいくら秋口に入ったばかりとはいえ、夜はそれなりに冷えるだろう。

 でも、見覚えがないということは、知り合いの家ではない可能性が高い。もしかして見ず知らずの人に迷惑をかけてしまったのだろうか?そこまで考えた所で恐ろしいことに気が付いて、高い確率で家人に迷惑をかけたことは横に置いて、まず布団をめくって自分の体に目を走らせる。

 取り敢えず、今の所最悪の想定は外れたようだ。シワになってはいるものの、スーツを脱がされた様子はない。

 スーツを着ているということは、休日ではなく、平日の仕事上がりに飲んで正体を無くした上に、記憶までなくしてこちらの世話になったということだろうか?

 流れとしては違和感がない。

 しかし、私の女として、否人間としての評判は地に落ちただろう。

 がっくりきたが、何はともあれ折角酔っ払いを拾って面倒を看てくれたであろう家人にお礼を言わなくてはならない。

 まずは家主を探さなくてはとふかふかのベッドから降りた後、大した効果は得られないと知りつつも、スーツを手でなでつける。すると、心なしかマシになったような気がした。

 すると、こちらが扉に向かうのとほぼ同時に向こう側から扉のノブががちゃりと回された。


「大丈夫か?」


 低い、心地よい男性の声だった。


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