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水と氷と闇と……

今回も短い気が……時間が取れず申し訳ない。

 これから俺が取れる行動は四つ程ある。

 まずはこのまま直線上に進み玄武城を落とす事。

 二つ目が玄武城から西に行き白虎城を攻めるか……残り二つも似たようなものだ、東へ向かうか、玄武城を素通りして南下するか、行き先が青龍城か朱雀城かその程度の違いである。


 鋼属性が優位になるのは青龍か玄武あたり、白虎では恐らく五分で、朱雀は不利になるだろうからここは玄武で恐らく手に入る水を得てからでもいいとして。

 やっぱりこのまま玄武城を落とすのがいいだろう、生憎ダンジョンとは言え異常が起きてるのならバカ正直に正常に攻略する必要はないだろうしな。


『【巨大化】、形態変化(モードチェンジ)牛肉形態(ビーフベヒモス)、眷属召喚ポーク&チキン!』


 俺は超巨大化コンボを早速発動させると同時に、豚肉と鶏肉を同じ大きさで呼び出す。

 そして【食物連鎖】で俺と、更に眷属二体を別種に変える。


『【食物連鎖】ネメア、サンダーバード、オルトロス』


 ネメアは俺、サンダーバードは鶏肉、オルトロスは豚肉をそれぞれ丸呑みにする。

 大体これで巨大ロボの大きさだろう――――そしてここでようやく属性変化(エレメントチャンジ)だ。


属性変化(エレメントチェンジ)(メタル)! 【機械化】【変形合体】!』


 なんかもっと、いい掛け声なら熱いと思うんだけどな、スキル名で言わなければならないのがどうにかならないものか。

 まずは俺たちの体が金属化する、材質は機械化の段階で超合金とやらになるらしいが、毛のないツルンとしたフォルムから機械化につれて角ばった獣型ロボットに変化する。

 変化はそれだけにはとどまらず、最初にオルトロスが半分に割れた……何を言ってるのか分からないがとにかく足が折れてどこぞに収納されて首がへし折れ体に対して直角になり双頭の間が割れて二つの棒になった……恐らくこれが足になるのだろう――――そこからは俺の変化だ、とりあえず下半身が折れて四角いブロック状になるよね、そこからオルトロスが下から刺さって足になって背後からサンダーバードがドッキング、サンダーバードの足が変形して拳になったら俺の首の付け根から別の顔飛び出してきて最後にトドメとばかりにサンダーバードの頭が兜のようになって被さるわけだ、これで完成だけど何か寂しいな。


『剣属召喚リヴァイアサン』


 大きさ的にリヴァイアサン級のモンスターを選んだが所謂蛇腹剣……かと思ったら剣がクネクネしてる気持ちの悪いものが出てきた、伸縮自在なのに何故だか切れる――――想像してたのとは違うがこれでロボっぽくなったな。

 剣を降って感覚を確かめていると胸のというか俺のライオンフェイスの目が点滅し始めた、赤く光りながら明滅を繰り返すこと一分後、俺たちの合体は解除……どこかろ機械化さえも解けてしまった。

 光の巨人的なタイマーだったようだ、というか実質動けるのは三分だけだったぞ……所詮ロマンはロマンか。


 ともかく機械化が解除されたのと同時に眷属たちも帰還して、俺もレオウルフに戻った……ここからは徒歩で玄武城を目指さなければならないか。

 リリと別れてから未だ一歩も進んでいないので裏ボスなどは周囲に居なかったが少し無用心だったな。

 今の巨大ロボが見える範囲内に敵が居なかったのが唯一の救いか、ともかく復活するかどうかわからないが敵が再び現れる前に移動しよう。


 玄武城にたどり着く道中まで敵は一切現れなかった、それどころか、城についてからも敵らしい姿は見受けられない。

 もしかするとさっきの戦いに来たので全てだったのかと、思っていたがどうやら違ったらしい、城のお堀から突然水柱が上がったかと思えば次の瞬間にはそれらが凍りつき、その氷の中に闇が灯った。

 深く暗い意識を感じる、それはまるで先ほど俺が変化していたかのような巨大ロボの形へと姿を変えると、背中に十字架を二つ生やした、そこには二人の女性が貼り付けにされている。


 一人は種族で言えば人魚だが、どこかスライムの様な透ける感じがある、片やもうひとりの方はアルビノかというほど髪も肌も白いが目の色はガラスのようにクリアで見ていると心の底から凍りつくような冷たさを感じる。

 あれが精霊なのか? 察するに水と氷か巨大ロボ型の氷の中にいる闇っぽいのも精霊のようだが、何か足りない気がする。

 まあいいか、とりあえずサクっと倒そう、色々と今日一日で試し過ぎて制限かかってるから今ロクに戦える状態でもないが、俺個人の能力としてはまだまだ余裕だ。


属性変化(エレメントチェンジ)(メタル)、剣属召喚……ヴォルケーノ』


 氷には火がいいだろうしかしただの火では水になった時点で負ける、ならもっと熱いやつをと俺は……俺の中で唯一かも知れない火属性にしてただの火じゃない溶岩をヨダレのようにぶちまけてくれる神狼を神剣として召喚した――――奴の頭上に。

 どこに目があるか分からないが、召喚された神剣ヴォルケーノに全く気づく様子もない氷塊ロボにそのまま自由落下で神剣が突き刺さった。


 いつも思うが実に滑稽な倒し方である、まともに戦闘することは俺には許されていないのだろうか。

 神剣ヴォルケーノはズブズブと音を立てながら氷を溶かし氷塊ロボに沈んでいく。

 というか氷塊ロボも何かしらのアクションをすればいいのに無反応で棒立ちのままで神剣が氷塊の闇に達した瞬間神剣が突き刺さったところから闇が吹き出し、そして例のごとく俺に吸収された。


 やっぱり半分といったところだ、俺に入ってきた闇は完全ではないので属性として成り立たないようだ、

 で、残る水と氷だが二人の美女は苦悶の表情を浮かべていた――――まあ気づいてたけど敢えて放置してた、彼女らを苦しめているのが神剣が発する凄まじい熱気だということを。

 ヴォルケーノが帰還する瞬間凄まじい爆炎を放ち過剰演出で消えていったがその爆煙で……水のは蒸発して気体に、氷のは溶けて液体になって、とても情けない感じで俺の中に入ってきた。


『おじゃまします』『すみません』


 などという幻聴が聞こえたような気もした……なんか不憫だな、それに属性の精霊を手に入れたら何かしら情報が得られるかと思っていたがどうも違うらしい、全部集めた後かな……これは。

入ったけとステータスの更新はなしで、次回スキル説明とか含めて考えます。


余裕あれば明日には書きたい(願望)

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