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モフタイム(獅子)と次の目的地

ちょっと短いです、お昼寝してたら書く時間が減ってました。


※本日二度目の更新です。

 拠点に戻ってきた俺はレナをクマメイドに任せ、客室に寝かせるように指示を出す。


『傷こそ無いけど疲労が半端ないな……今日一日で色々吸収しすぎたと言うのもあるだろうが』


 俺はだらしなく芝生の上に寝転がった、未だにトライフェンリル状態だったので左右の首が邪魔なのでレオウルフに戻っておく。


『やっぱりこれが一番だな』


 ゲームだった時からずっと使い続けている体だ……と言ってもゲームの時は別にVRなんたらとか言う奴で泣く普通にパソコンの画面に向かってキーボード操作で動かすタイプのゲームだったが、使い勝手というよりも愛着という方が正しいか。

 芝の上でゴロゴロしているとリリがやってきて、仰向けになっている俺の上に飛び込んできた。


「レオ、レナの容態安定したよー……という訳で誰かモフらせてー」


 今しがたレオウルフに戻ったというのに……。


骨格変化(フォームチェンジ)三頭種(サーベラス)素材変化(パーツチェンジ)獅子三連(レオトリオ)


 獅子だけによるケルベロス……やべぇ、両脇のたてがみが邪魔で苦しいぞその分ふかふかもふもふだけど。


「その三つは誰使ってるの?」

『レオンとネメアとキマイラ姉さんのやつ』


 一つだけ救いがあったとすればそれは念話なので口を動かす必要が無いっていうことだろうか、今口を開けたら口の中にたてがみが入る……っていうから今度からはもうすこし考えて変化しよう……具体的に言えば獅子系は双頭だけにしよう。

 今はもうリリが首と首の間に潜り込んで全身で俺のたてがみをモフってるから今更変えることはしないけど。


「あぁー幸せ……レオはどう?」


 どう? と言われてもな、体まさぐられているだけだからな。


『あー、うん……とりあえず寝たい』


 アレだろうか、仕事で疲れたサラリーマンが奥さんの相手をしなくなるというあんな感じの状態……関係に亀裂入る的な。


「そっかじゃあ、レオは寝ててもいいよ……トリミングとマッサージしてるから」


 リリは俺の上に乗ったまま倉庫を操作して、大きめのブラシを取り出した。


『なんだそれ、ゲームじゃなかったアイテムか?』

「そうそう、レオが最初におつかい行ったでしょ? あのお店で前に買ったの……まあレオと会うまで使う機会がなかったんだけど」


 そう言ってリリは俺のたてがみのブラッシングを始めた、なんか俺が初めてって言う割には手馴れているな……ペットでも飼ってたんだろうか。

 男としては身だしなみとか気にしたとしてもここまで毛が伸びることもないからこういったブラッシングはなんか新鮮だな。


『いい、そこ……ああ、そこがいい』


 ブラッシングのあまりの気持ちよさに四肢を弛緩させた俺は今にもとろけてバターにでもなってしまいそうだ。

 真ん中のたてがみが終わると、次は右側か、思考自体はネメアのものだが感覚は全て繋がっているので気持ちいいのことは変わりない……それにしたってこうやってブラッシングしてもらったら他の素材変化(パーツチェンジ)が出来なくなるな、もったいなくてさ。


「レオ~、背中~」


 いつの間にかたてがみのブラッシングを終えたリリが俺の上から降りて真横に立っていた、はいはいと適当に返事――――実際には「ガフッ」としか言っていないが、寝返りを打ってうつ伏せになる。

 伏せているとはいえリリの胸元までの高さはある俺の座高(?)に対してまずリリは左側面からブラッシングをしていく。

 なんかこうして見ると洗車されてるみたいだな……全然違うんだけど例えるとしたら洗車だ。


 上から下、上から下へと繰り返し繰り返し俺の背についた汚れをブラッシングして落とす……けど多分変化したばかりだから汚れが付いてるとしたら芝生ぐらいだけど。

 気持ちいいから気にしなくてもいいか、リリも左首の左目で見る限りは幸せそうにしてるし好きなことを好きなだけやれるというのはいい事だよな。


 ………………おっと、いけないあまりにも気持ちよくて眠っていた、辺りを見回すとリリも俺に寄りかかって眠っている、毛布をかけられている様子を見るとかけたのはクマメイドか。

 まだ月が出ているのでこのまま二度寝するかと再び瞼を閉じようとしたその時、視界の端に何か動くものを捉えた。


グワッフ(誰だ)!」


 咄嗟の事だったので声が漏れてしまった、慌ててリリを見るが起きる様子もない。


「あ、あの……すみません、起こしてしまいましたか?」


 そこにいたのはレナだった、どうして彼女が……もう起きて大丈夫なのか? とりあえず首を振って起きてたとアピール。


「グフ」


 どこかに行くのかと……言いたいが伝えきれないので一鳴きしてみる。


「プレイヤーさんですよね? サービス開始当初しか作れなかった激レア種族の、喋れないのは演技ですか? 仕様なんですか?」

グワッファッフ(仕様です)


 そうなんですねと、苦笑するレナはなんだか少しニュアンスは伝わっているらしい……流石エルフ。関係はないか……としてもだ、あのゲームの事それなりに詳しいようだな。

 なんでこんな子がタイチの配下になってしまってたのか。


「それじゃあ私はもう、行きますね……お二人の邪魔をしては申し訳ないので、誠に勝手ながらこの恩はいつか必ず返します」


 そう言ってレナはアイノスから飛び降りた……多分風の精霊治癒を使って着地するつもりだろう、おかしな子だが、ある意味ゲームという枠組みなどもはや存在しないのだと証明してくれるような子だったな。

 いずれ、会うことがあればきっちり恩返ししてもらおう。


 そして朝になり日差しの眩しさにリリが目を覚ます頃には俺は姿をレオウルフに戻していた。……レナと会話しようとしたとき両脇のたてがみが口に入って気持ち悪かったんだよ。


「おはよーレオ、せっかくおウチがあるのに結局野宿しちゃったね」

『おはよう、そうだな……でもそのおかげでレナと多少話は出来た、俺達の邪魔をしたくないって昨夜一人でこそこそどっか行ってしまったぞ』

「知ってる、少し起きてたから……またいつか会えたら今度はちゃんとお友達になりたいな」


 お友達か……ま、そんな日が来るのならその時はいっそギルドでも立ち上げるか……この世界での設立の仕方は知らんけど。


 起きてから家の中に入ると既にクマメイドがアンパンを作って待機していたので、洗面所で顔を洗ってから朝食をとることにした。

 アンパンを齧っていると、ネコメイドが横から手紙のような物を差し出してきた、恐らくレナの書置きだろう。


 俺じゃなくリリに渡すように指示を出し、リリに読んでもらったがどうにも内容は昨日話した事と同じようだ、ただ一言だけ俺がプレイヤーであるということは黙っておくという一文が添えられていた。


『別に隠す必要はないけど変に広まるのもいやだって程度だしな、少人数の理解者なら欲しいが』

「そこら辺は追々でいいんじゃないかな、厳しくなるようだったら少し仲間を探したほうがいいかもね」


 厳しくか……今まではなんだかんだ言ってタイチ達に助けられてたからな……ティポーンから渡された鍵の場所は絶対パーティ組んでないと無理だしな。


『追々とは言うが、あの鍵の場所には最低でも前衛三人後衛三人治癒二人は必要だぞ』


 このゲームでのパーティの最大メンバーは十人だから俺達二人を除いてもその八人は絶対必須だ。


「そんなに居るの? 四聖獣だっけ?」

『いや、魔王の方だな、四聖獣はまだ少し楽だ、と言ってもやはり四、五人は欲しい』


 魔王ダンジョン……俺の悪ふざけを運営が面白おかしく魔改造して実装したダンジョンだ、まさかこっちにも存在するとは。

 あのゲームがこの世界に影響を与えているのかこの世界の事情がゲームに反映されていたのかは知らないが俺のやった遊びの延長が今ここに来て試練となるとはな。


「それじゃあシューヨーゲンに行かないとね」

『あの街か、世界観にまるで合ってない電気街……腹筋女神がありとあらゆる力を求めた結果、異界より召喚した魔都秋葉原(シューヨーゲン)、俺は今でもあの街はこのゲームに要らん要素だったと思っている』

「合わないのは私も同意かな、でも人は集まるし……噂だけどあの街本当に元の世界から召喚されたらしいよ? 私たちが呼ばれた同じ日に」


 要らない、本当に要らないと思う……あの腹筋女神は何考えてるのかよくわからない、ただの脳筋かと思ってたら突然おかしな事をする、ゲームの時は運営のやってることだと思っていたがどうにもあの女神の思惑があったりもしたようだ。

 そのうち昔コラボしたことある別のネトゲ世界でも召喚して世界観崩壊させるのが関の山だろう。


『ともかく、シューヨーゲンに行くか』


 朝食を終えた俺達は後片付けをクマメイドに任せ、地上に転移した。シューヨーゲンはここから俺の全力疾走で三時間ほどの距離だし……ゆっくり歩こう。

【名前】レオウルフ

【種族】合成獣(獅子・梟・狼)

【職業】神獣

【性別】オス

【所属】リリの契約獣

【スキル】

 主従念話

【アビリティ】

 形態変化(モードチェンジ)(分岐派生)

 神山狼形態(フェンリルモード)/火山狼形態(ヴォルケーノモード)/氷山狼形態(アイスバーグモード)

 三頭犬形態(ケルベロスモード)/双頭犬形態(オルトロスモード)/海蛇座形態(ヒュドラモード)/竜座形態(ラドンモード)/蟹座形態(カルキノスモード)/獅子座形態(ネメアモード)

 骨格変化(フォームチェンジ)(基礎派生)

 合成獣種(キメラ)、 三頭種(サーベラス)双頭種(ダブルヘッド)

 素材変化(パーツチェンジ)

 神化(付加)

 硬質化(付加)

 透過(付加・非戦闘)

 狂化(付加・戦闘/操作不可)

 自動回復(最大/常時)


【名前】リリ

【種族】人間

【職業】獣使い

【性別】女

【所属】レオウルフの主

【スキル】

 ブレイズクロー(付加・炎/爪)

 サンダークロー(付加・雷/爪)

 ゲイルウィング(付加・風/翼)

 ブリザードウィング(付加・氷/翼)

 グランドインパクト(付加・土/足)

 アイアンインパクト(付加・鋼/足)

 ウォーターカッター(付加・水/尾)

 アイビーテイル(付加・木/尾)

 クイックスピード(補助・速度上昇)

 ストロングパワー(補助・馬力上昇)

 ハードガード(補助・防御上昇)

 デュアル(補助・二重)

 ヒーリングキュア(瞬間治癒)

 ヒーリングフィールド(瞬間治癒/広範囲、遠距離)

 デスヒール(即時復活)

【アビリティ】

 コンボ(職業固有)

 危険予知(種族固有)

 直感(職業固有/常時)


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