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八十六話目

魔族界での人間とアゴン族の面倒な衝突を避ける為、国王に正式な布令を出して貰わなければならない。

そうでないと、今後起こるのは人間とアゴン族との争い事が起きるのは明白だ。

何せ、人間の魔族界での滞在時間は今までの比ではない。

そういった事態を避ける為の布令、何としても出して貰わなければならない。

その為にはすぐにも国王との接見、および話し合いをすることが急務だ。

エリーゼにその旨を伝えた所、とにかく局を動かして局長という肩書が必要という答えが返ってきた。

局の正式な稼働に必要な書類や手続きはエリーゼがほぼ終わらせてくれていた。

この騒動が終わったら少々休暇でも与えないとまずいだろう、顔色が本当に悪そうだ。

最後の手続きは正式名称を決めろという事らしい。

そういえば、連絡員のブルーノからもそういった要望があったのをすっかり忘れていた。

とにかく、ブルーノに会うため城に向かいブルーノとその手続きをしなくてはならない。

キリュウ、アレイス、エリーゼの三人で城に入りブルーノのいる総務取扱局へと向かった。


ブ「今行きますのでそのように大声を出さないでください…それで本日の要件は何でしょうか?」

鬼「局の正式名称決まったから手続きに来たのよ。

こっちはエリーゼ、今後会う機会が多くなるからご挨拶に連れてきた」

ブ「そうですか…ブルーノと言います。以後お見知りおきを…」

エ「エリーゼ・アルバーンと言います。一応局の事務担当…になるかな?よろしくお願いします」

鬼「それで、色々考えた結果…アクアビス国妖族対策局てのにしようと思うんだがどうかね?」

ブ「…何故その名前に決められたのです?」

鬼「シンプルだろ?今後起きるであろう様々な問題に対して、提案し、行動し、解決に向かう。

その為の対策を講じる局。それしかないだろ?」

ブ「その名前ではアゴン族以外の妖族に対しても、貴方は関与していくと?」

鬼「そらそうだろ?魔族界ではアゴン族以外の妖族も多種多様に生活しているんだ。

それなのにアゴン族だけにしか動かないなんて事になったら他の妖族が絡んだ場合は?

まさかとは思うがアクアビス国の他の局が動くと?それではアゴン族との約定を違えてしまう」

ブ「ですが、それですと国内の他の局との指針と被ってしまいます。

そうなった場合はどうされるおつもりで?」

鬼「だが、ここまで妖族との信頼関係を築けた人間が他にいるのか?

第一今まで妖族と揉めた場合に他の局がどう動いてきたというのだ?

どうせロクに動かずに放置していたんだろうし、動いたとしても人間よりだろう?

そんな事しかしてこなかった国内の局が今更アゴン族とも他の妖族ともどう絡んでいくと?

何か反論があるというならどうぞ」

ブ「……私はそこに応える立場にはありません。ですが、今私が言ったような声は当然上がります」

鬼「ああ、構いませんよ~。ここまでだって散々揉めてきたんだ。

今更種が一つ増えたくらいでどうとは思わんさ。じゃあそれで手続き頼むよ」

ブ「…分かりました。私は職務を遂行するだけですので後の事は知りませんよ?」

鬼「どうぞ、どうぞ。ではこれで失礼するよ。何か足りない物があったら局の方に来てくれ。

エリーゼが対応するから」

エ「ああ…また揉め事と仕事量が増えるのね…」

ア「揉め事に関してはこいつと絡んだ時点であきらめた方がいいな。

仕事量に関しては追加の人員はどうなっているんだ?」

エ「そっちは…そうだね。一回局の方に行こうか。

ここじゃあブルーノさんの邪魔になるだろうし、細かい話はそこでするから」

鬼「そういえば、調度品揃えないといかんか。今も殺風景のままなんだろ?」

エ「多少は国の備品を借りてるから、ある程度の作業は出来てるけど…

まだ整理整頓出来る程家具もないし」

鬼「そこら辺もそこで話しますか」




与えられた妖族対策局はとにかく、空いている所に放り込んだと言わんばかりの残念な部屋である。

ロクに家具や調度品もなくとても国内での重要な仕事をしているとは思えないのが現状だ。

今この局には何の予算もなく、文字通り一文無しだ。

今までの活動してしてきた金銭はエルト工房の方に全部流してしまっている。

そこから借りるというのも当然視野には有るが…


鬼「……この部屋を一からきちんと整えるとなると、一体いくら掛かるんだろう?」

ア「仮にも国の一機関となれば下手な物も入れれないのではないか?」

エ「そこら辺は私に任せて頂戴。安くて質の良い物をきちんとそろえてあげる!

ああ、人のお金でする買い物…楽しみ!」

ア「オオ~、何とも気持ちの良い言い切り方だ」

鬼「予算ていえばこういう国の機関の予算管理ってどうなるんだ?

まさか局長個人の武玉で管理するのか?」

エ「いやいや、それ専用の武玉を発行してもらうわ。局の名称が入ってランクの部分が無い位かな?

後はそんなに一般人が持つような物と違わないし」

鬼「それって複数作れるの?今後色々買い出し頼むときとか一つじゃ不便だし」

エ「それも大丈夫。きちんと手続き踏めば発行はしてもらえるしね」

鬼「あとは当面の資金だな。狩猟活動もいいけど…そういえばソウルマシン用の燃料少し余ってたな。

アブルート分は特には触ってないだろうし…少しくらいなら市場に流しても問題ないだろ」

ア「だが一応エルトに聞いたほうがよくないか?売った後に使う予定でしたと言われても困るだろう?」

鬼「それもそうか。じゃあ一回戻ると…」

エ「ちょい待ち!戻る前に私の話を聞いていきなさいよ!」

鬼「話?ああ、いいよ。何?」

エ「前に言っていた人員増員の件よ。法聖騎士団から何人か派遣される事になったの」

鬼「……待て、なんだその話?初めて聞いたぞ」

エ「それはそうよ、今言ったんだもの」

ア「だが…それはどういう事になってそうなった?」

エ「騎士団にいた友人に相談したら団長まで話が行ったらしいのよ。

そしたら、オルガ団長が騎士団から貸し出しという提案が来たから受けたの。

騎士団でみっちり仕込まれているから能力は有能だし、私も慣れているからやりやすいし」

鬼「だが、何故団長が自分達にそこまでしてくれるというのだ?

派遣と言えど、本人達とて自分の所に来るのなんか嫌がるだろうに。

それらをねじ伏せてまでそこまでしてくれる理由は?」

エ「団長はキリュウを嫌ってなんかいないわ。むしろ国の為になるのなら好んでいる位よ。

それにここまで来た貴方に何らかの形で借りを作りたいというのが本音だと思うわ」

鬼「そんな事をして他からのやっかみも多いんじゃないか?相手が自分だし」

エ「団長だって伊達に国の騎士団のトップを張ってはいないの。

その程度適当に流してしまうわよ」

鬼「まぁ、そういう事なら構わんが…だがこちらとしても条件がある。

その派遣というのはブルーノだけで十分だ。

故にそういう事ならその入ってくる人員はきちんとした局員という事にしてもらいたい」

エ「ちょっと、それじゃあ入った局員がもう騎士団には戻れないって事じゃない!?」

鬼「その甘い考えが大嫌いなんだよ。

こっちの利益を狙っている分際で、自分の言う事は聞きたくないなんてのは。

そんな中途半端な人間は…要らないんだよ」

エ「それは…でもそんな事騎士団に言える訳…」

鬼「それが無理だというのならこの話は無かったことにして断ってくれ。

人員の手配は通常通り集めるという事で」

エ「オルガ団長の好意をそんな簡単に断っていいわけが!」

鬼「何か勘違いをしていないか?

エリーゼ・アルバーン。今君が所属しているのはここだ、騎士団ではない。

であるならば局長の命は絶対のはずだ、違うか?

エ「そうだけど…」

鬼「仕事のやりやすいなんてのはそっちの都合で自分には何の関係もない。

集まった人員で何とかするのが本来だ」

エ「…分かりました、局長。その旨を騎士団に打診して無理であった場合は…諦めます」

鬼「それでいい…じゃあ後は頼んだよ」

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