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八十一話目

魔族界での土地所有の件について資産管理局に話を聞きに行ったら出てきたのは局長御自ら。

若干度肝を抜かれはしたがこっちだって今や局を一つ預かる局長、立場は変わらない。

といっても今回は交渉事という訳でもなく、手続きの仕方や提出書類の事など。

ただ、それらは魔族界での土地の資源や目的などで変わってくるのでまずは所有する土地の選別だ。

とりあえず、まずは食料生産に向く土地、つまりは農地だ。

どういった土地でならどういう作物が育てらるのか。自分は全くのド素人だ。

そこら辺の手配もしなきゃならんと…う~ん、どうしようか…


鬼「農地開発かぁ…魔族と戦う方が楽かな~」

ア「おっ、お前もだんだん私と似たような考え方になってきたな」

鬼「こればかりは本当にそう思うわ。手続やら農作業やら…ボコってハイ終わり!の方が楽と考えます」

ア「だが、やると言ったのはお前自身だ。言い訳するわけにもいかんだろ?」

鬼「はい、その通りでございます。では額に汗して農作業するか~」

ア「え、本当に鍬とかもって働く気か?」

鬼「んなわけないだろ?エルトの時と一緒よ。手筈は整えて実作業はプロに任せる。

こっちは経営者よ?人を使うのがお仕事」

ア「ではまた、弱小の生産系ギルドの勧誘でもするのか?」

鬼「そうだね~。基本的には自分の傘下というか子会社というか…

とにかく、ある程度こちらの口出しがしやすいとなると大手はまず無理。

かといってあんまり弱小というのもねぇ…」

ア「弱小はまずいのか?規模が小さければこちらの要望も通りやすいのでは?」

ア「農作業というのはどうしても人手がいる事だろ?

それなりに人員が確保できないとそもそも仕事できるのか?という話になる。

そこでだ、今回話を通したいのは少し落ち目が出てきた中堅所。

ある程度の規模がありつつ利益になる話には相当食いつきのいいとこってとこだな。

さてどうやって調べたらいいのか…悩むな」

ア「それならば逆の発想はどうだ?」

鬼「逆?」

ア「こちらから探すのではなく、向こうから来るように仕向ければいいのではないか?

ある程度の情報流して興味があれば何らかの形で接触があるだろ?そこで判断というのどうだ?」

鬼「おお、それは手間が省けていいな!ただ、どうやって話を流すかという所ではあるが…

また、バッカスあたりに頼むか…でもこちら側からの発信だとあんまり信憑性がないか」

ア「そこはもう少し試案が必要だな」


情報の流出方法を考えながらとりあえず家にはたどり着いた。

家に戻るとバッカスが居間で椅子に座ってお茶を飲んでいた。

顔には安堵の表情なのか、疲労感マックスなのか大分穏やかな様子だ。

店舗建設で大分忙しいはずなんじゃいのか?


鬼「オッサン、どうしたん?悟りきったような穏やかな顔してるけど?」

バ「おお、キリュウか。…ようやく店舗部分が出来たのでな。その報告に来たのだ」

鬼「おお!ついに出来たの!?いやぁ~、お疲れさんお疲れさん」

バ「後は店舗経営の話になるか。実際わしはここに雇われる形になるのだろう?」

鬼「ああ、そうなるけど…いいの?今まで自分の店でやってたのに」

バ「残念ながらわしの店の営業停止処分が解かれておらんのでな。

収入が全くないのだ。だが今後はここで働けば給料は出るのだろ?」

鬼「あ、逆に今まで出てなかったんだ!?すまない、それは大変失礼をした」

バ「いや、そんな謝らんでも…実際店が出来てないのだ。店主として働くのはそれから。

では給料はそれから…」

鬼「だが、今まで店の建設に関しては任せきりだったんだ。その間も当然雇用期間に入る。

エリーゼに言って今までの分を計算して払うようにしてもらうから」

バ「コヨウキカン?何だ、それは?」

鬼「いいからいいから。とりあえず、今後の給料なんかもエリーゼを相談して妥当な金額きちんと貰う事!

いいな、おっさん!」

バ「随分と手厚い待遇だな…若干怖いぞ?」

鬼「払うもの払えばきちんとこき使えるし」

バ「…それがなかったら相当いい経営者に思えたんだがな。だがそういう事なら思う存分使ってくれ」

鬼「それはもう遠慮なく!」

バ「店の方には商品をいれて飾ってある。お前も見ておくといい」

鬼「ではそうさせてもらうかな」



店舗はエルト所有のこの敷地内に建てた。

ここ最近で樹はぶっこぬくわ店は出来るわ倉庫は出来るわ…ここらの風景もだいぶ変わったんだろうな

店に入ると幾つもの武具や防具が並んでいる。どれもが自分の狩ってきた魔族から作ったし代物だ。

こうずらっと並んでいると感慨深いものがあるな…


鬼「…ここまで来るのに大分かかったかな~」

ア「いやいや、普通に考えればここまで来ること自体あり得んぞ?

時間をかければできたという事でもあるまい」

鬼「あり?そうかいな?」

ア「最初我らには何があった?金もなく、コネもなく、周りは敵だらけ。

その状況下でここまで来れた事自体奇跡だぞ」

鬼「それもそうか…いやはや…何かあっという間だったかね」

ア「何を言っておるのだ?これからも大変なのはまだまだ続くのだ。一息つく暇なぞないわ」

鬼「それもそうだ!しかし…ここにある商品…どれもやっぱり結構値が張るな。

二桁商品なんかないじゃないの。ほぼ三桁か四桁単位ばかりじゃないの。

売れんのか?こんな値段で」

ア「使っている素材が素材だからな。仕方あるまい」

鬼「かといって値段下げる訳にもいかんよな~。最初からあまり安売りするとそれが当たり前になるし。

そうなると今後正規の値段が高く感じる様になるだろうし…」

ア「正直相当高位の契約者とかにでないと売れんか…

そうなると、国内だけだとあんまり市場は広くないな」

鬼「…だよな~。やっぱり早急にもう少し低魔格の魔族でバリエーション増やさんとまずいか」

ア「だが、そうなると街中にある他の店と差別化は図れんぞ。

ここはただでさえ立地的に町からは離れている。そこに客を呼ぶというのならここに来たいと思わせんと」

鬼「……お前本当に神様か?人間の客商売分かりすぎじゃないか?」

ア「そこはもう触れるな。それで、何か秘策でもあるのか?

ただでさえ前評判は最悪なんだ。それだけでもかなり不利だぞ」

鬼「品物は一級品なんだ。あとは営業が大事なんだが…一応考えはあるけどね?」

ア「ほぅ、考えか。どういう類のものだ?」

鬼「人間の欲求をうまく付け込むのが商売でしょ?そこで……でだ……どう思う?」

ア「……それなりに上手い手ではあると思うが、上手くいくのか?」

鬼「そこら辺はやってみて考えようじゃない。さて…では、行きますか!」

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