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七十六話目

ユリウスとの話し合いでは細かい情報開示はもう少しお互いの情報を持ち寄って、という事になった。

何せ全域が全然わかっていない魔族界だ。何処に何があるか、どういう魔族の生息域なのか。

彼らの言う場所が自分達の知っている場所なのか。

そういった情報のすり合わせが必要になった。そこら辺は一回国に戻らんと分からんな。

まずは試験的に何処かのギルドとの活動はしてみんと分からんな。

活動拠点の守りは当然の事、そこに行くまでの道中も整備して黒炎を設置しないと駄目だろうし…

そうなると今ある石昌だけじゃ全然足らんだろうし…

まずは場所をギルドか国かその辺りに聞いて法的にも決めんと駄目だろう。

流石に魔族界ならどこに手を出しても…あれ、いいのか?勝手に決めて囲んでも?

そこら辺の領有権とかってどういう扱い何だろうか?国か?ギルドか?教会…は無さそうか。



鬼「しまったなぁ…そういえばここら辺の土地の所有権とかの話は聞いてなかったか。

一番大事なところ聞くの忘れてたわ」

ア「誰の物でも無いはずだが…魔族共にそういった概念は無いし…」

ユ「とりあえず、どこ等辺とかっていうあてもないのか?流石に無計画にも程があるんじゃないのか?」

鬼「どうなんだろ?とりあえず石昌の所有権と管理権の事で頭一杯だったし…とりあえず、一回戻るか」

ユ「なんだ、泊っていかないのか?ゆっくりしていけばいいだろう?」

鬼「いやいや、こう見えてこれからは若干公務員的な立場にたっちゃうから。

帰って詰めなきゃいけない話も山積みだしね」

ユ「それは残念だ…では、また今度ゆっくり」

?「村長、キリュウ。お話が終わったのならちょっといいかな?」


入り口に立っていたのは村の中心的な存在である獣神装サクロアルマを持つ氏族の一人ボリスだ。

三氏族の中では比較的若い部類に入る。氏族の当主といった辺りか。


鬼「おお、ボリス!久し振り!元気?」

ボ「まぁ、それなりかな。で、村の入り口にある魔族の遺骸キリュウが狩ったんだって?」

鬼「そう、久方ぶりの成果よ。いやぁ、苦労した苦労した。何せ久しぶりだからカンが鈍ってるわ。

んで、それがどうかした?」

ボ「出来ればなんだけど…クリカリを一体貰う事は出来ないだろうか?」

鬼「クリカリって…ああ、前足四本が刀状になっているアイツか。でも、なんで?」

ボ「僕の一族の中に前回の戦闘でクリカリの獣装アルマを壊した者がいるんだ。

あれから何回か我々も狩りに出てはいるんだけど中々巡り合わなくて」

鬼「ああ、そういう事か…他の魔族の獣装じゃ駄目なの?

狩りに出てるなら全くの無収穫でも無いんでしょ?」

ユ「獣装は長い間をかけて感覚と力をその体に馴染ませていく。

種族を変えるとなるとまた長い練習期間を要するのでな。おいそれと獣装を変えれんのだ」

ボ「クリカリはその戦闘力もそれなりにあるし、何より機動性が高いからね。

蟲型は地形への順応性も結構高い。中々の人気種族なんだよ」

鬼「あれって確か3日4くらいの魔格なんだろ?そこら辺が人気ってのもどうなの?

もっと高位の魔族の方が使えるんじゃないの?」

ボ「高位になればなるほど当然扱いが難しくなる。

使えるかどうかわからん高位種よりも確実に使える低位種や中位種が助かるんだよ。

5以上はそれなりに才能というかセンスというか…生まれつきの能力が必要なんだよ」

鬼「そうなると獣神装なんてのを使えるアゴン族というのは…」

ボ「最早英雄だね。その名前はアゴン族全域に知れ渡るほどに」

鬼「…まぁ一体位ならあげてもいいんだけど…あれもそれなりに価値のある素体だし…」

ユ「いや、無理なら断ってくれても構わない。我々は人間族と違って金銭という文化が無いのでな。

支払える対価が無い…」

鬼「いや、いいよ。今後のお付き合いもあるから今回のは無料という事で」

ユ「しかし、全くの対価も無いというのは…」

鬼「そうだねぇ…であるならば労働力で返してもらうというのは?今後自分もこっちで色々やる事もある。

何か人手がいる場合は手を貸してもらうというのでどう?」

ボ「それなら問題ないのでは?村長?」

ユ「…渡せる物がそれしかないのであれば仕方ないか」

ボ「では決まり!今後僕の氏族であれば喜んで手を貸す、という事で!」

鬼「じゃああれは置いておくからお好きにどうぞ。ではこれで行くよ」

ユ「すまんな。また今度」

ボ「じゃあ僕はお見送りをしてくるよ」




帰りの道中も一応訓練がてらマーキング法を行いながら移動していく。

ただこれ以上は狩れないわな。何せ運搬方法が自力で引っ張っていく、なんだもの。

重量的には全く問題は無いが、何せ質量が質量だ。道中樹木や岩をなぎ倒しながら進んで行っている。

今後どこ等辺が使えるか分からないという事で自然破壊は程々にしておきたい。


ア「そういえば本当にあれ、置いてきて良かったのか?

体はともかく、あの腕は加工すればそれなりの武器になるのだぞ?一本数十万単位の値段になると思うが?

四本で数百万程度になるが?」

鬼「その値段聞くと確かに惜しいが、得たものもあるし。そこは言いっこなし」

ア「得た物というが正直いるか?戦力であれば我らだけで十分過ぎる程だと思うがな」

鬼「戦力だけで見るならな。だがこれで自分は数という力を手にしたんだ。その意味は大きいと思うぞ」

ア「数?…ああ、そういう事か」

鬼「流石に自分の手足となる軍…とまでは行かんが人手がいる場合の頼みやすい手段にはなった。

今後ここで何が要るか分からん。手に入るものであれば何でも手に入れていこうじゃない」

ア「魔族の力を手に入れたという事になるからな。ここでの活動にはその意味は大きいか。

全く…あんな魔格4程度でどれだけこき使う気だ?鬼か悪魔だな」

鬼「私的な戦団的な感じかな?人間界でそれやるとどういううわさや憶測が出るか分かったもんじゃない。

変な勘繰り入れられて邪魔なんかされた日には鬱陶しい事この上ないわ。

手持ちでこれだけの戦力や労働力は手に入ったんだ。あんな魔族一体安いモノよ」

ア「本当に鬼か悪魔だな、お前は」


アレイスには散々非難をされたがこちとら貴重な素材をくれてやったんだ。

その程度の労力を差し出すのは当然の事だろう?と自分は思うのだが…そんなに酷いのかな?

まぁ、特に意図したわけではないが意外な形で労働力を手にしたんだ。しっかり活用させてもらおう。

今後より強力な関係性を気づくために、もう少し手を入れてもいいな。

折角手に入れた友情だ。強固なものにしておいても損はないだろう。

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