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七十四話目

アゴン石昌に関して国からはあくまでも国家に属した物として扱いたい。

それらを扱う部署の責任者として自分を迎えたいという話だ。

こちらとしては何をたわけた事を言いやがると。

個人でもらったのに国家に属するというのは意味が分からん。

しかもサラッと自分に国に仕えろとかいう注文まで出てくる始末。

まぁ、様々な話し合いをした結果全く新しい組織を作る事。

国、ギルド、教会いかなる組織とも独立した組織だ、

そこの名称にアクアビスの名前を入れる事。

お互いの妥協点である自分側は自由、あちら側は管理しているという対面だ。

これらの提案をどこまで国が認めるか…


鬼「なぁ、提案を全部受け入れられる確率はどれだけあると思う?」

ア「それはほぼあり得んだろうから…どの程度こちらの自由が削られるかだ」

鬼「人事の介入、組織立ち上げに関する各組織の介入。

国を黙らせたら後の組織…まぁ、教会は自分には沈黙を決め込んでいるからギルドか。

ギルド側から介入するとなると…どの辺かな?」

ア「生産ギルドは間違いなく来るな。食料の生産、鉱物や材木の調達。これらを一手に担うギルドだ」

鬼「ギルドの根幹をなす部署か。いや、人の生活そのものか。

となると向こうも目の色変えて突っ込んでくるか~」

ア「他だと闘人ギルド辺りはどうだろうか…一応魔族界に一番縁が深いギルドではあるからな。

何か言ってくるとしたらそこら辺だろう」

鬼「教会は流石に何もないだろ?あいつらが資源確保だの食糧問題だのに興味あるとも思えんが?」

ア「そんな問題にあいつらは興味も持たんさ。教会の拡大、神への信仰。

アイツらが考えているのはこんな所だ」

鬼「では、国からの返答を待つ間に一回村に顔を出しとこうか。

魔族界での生存領域拡大を考えるのなら彼らの持つ知識は非常に重要になるだろうし」

ア「そういえば、もうすぐ店舗部分も出来るとバッカスが言っていたぞ?

商業関連は何か考えがあるのか?」

鬼「考えって?」

ア「店を出すのだろ?店の宣伝や客の確保、まぁ仕入れ関連は考えなくてもいいとして…

考える所はかなりあるのではないか?」

鬼「…神様の癖に人間の商業の知識まであるのか?結構俗っぽいのね」

ア「我らオディアスの神は人間と共に存在してきたのだぞ?多少なりとも人間に関する知識は増える」

鬼「宣伝は特に考えてはいないさ。何せ自分が狩ってきた魔族共の情報は相当流れている。

幸か不幸か自分の名前は売れている。だが、客の確保は若干不安が残るか。

何せこの名前は悪名にも程があるからな。関わろうとするのを避ける人間も多かろうし…どうするかね~」

ア「そこら辺は今後の大きな課題か…とりあえず、村に行くか。道中狩猟活動もしていこう。

これから石昌はどれだけあっても邪魔にならんしな」

鬼「そういえば自分の黒炎の性能とか威力とか試しとかんとな。

どれだけ維持できるか、規模による石昌の使用量。防御性能は…」

ア「そこに関しては心配はいらんだろう。聖クラスの攻撃でもそうそう緩むことはあるまい。

ただ…」

鬼「ただ、何だよ?」

ア「聖クラスの集団攻撃とかになると流石に心配ではある。

まぁ、その実力者がそんなにまとまった数もいないがな」

鬼「では行こうかね。国からの返事待ちではあるがやる事はしっかりやっとこうか」




アゴン族ではいつになく緊張した日々が続いていた。

何せ今まで戦争の種にまでなっていたアゴン石昌を人間族に渡すという行動に出たのだ。

人間族がこれをどうとらえるか、これを機にどう動くのか。

確かに一度渡すという行為には種族が納得した。

ただ、納得するのと何の不安もないのかはイコールではないのだ。


ユ「しかし、あれからそれなりに日数が経ったが…人間族は何のリアクションもないな。

もっと派手に魔族界侵攻を進めると思ったんだが…」

イ「多分だがアイツが相当ゴネているんじゃないか?あれは大分我が強いからな。

利益分配や使用方法辺りで国と揉めてるいそうだ」

ユ「個人が国に喧嘩を売る、か…だが案外あり得そうなので恐ろしい所もあるが」

イ「全くだ、アイツならやりかねん」

カ「お父さん、外に何体か魔族が来たって!」

イ「何体か?その程度ならほっといてもいいのではないか?」

ユ「それもそうか…」

カ「それが…見張りからは真っすぐここに向かっているって」

ユ「で、こちらに向かっている魔族というのは?」

カ「四刀蟲クリカリ、盾腕種マングル、剛牙犬クサング。

それらが数体ほどの集団でこちらに真っすぐ来ているって」

ユ「どれも3か4ほどの魔族か。とりあえず当番の戦闘隊は待機。

結界炎はその程度ではどうこう出来んが…まぁ、突破できんとなれば帰るだろう」

イ「前の事もある。一応我らも向かうとするか」


村内は意外に緊張状態が蔓延している。

本来ならばその程度の魔族に突破される守りではない。

だが以前の襲撃の記憶が新しいせいか、恐怖は残っている。

待機している戦闘隊も思いのほか緊張している。


ユ「皆、とりあえず各々の家に戻ってくれ。

戦闘隊はそのまま待機!もしこのままあいつらが来るのであれば…そのまま迎え撃つ!」

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