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六十八話目

アゴン族が人間界の境界門ギリギリまで踏み込んできた理由。

それはユリウス村の危機を以前に自分が救った事への報酬を支払いたいそうだ。

自分はその時に狩った魔族の体でいいって言ったんだがな…

彼ら曰くそれは自分が行った結果の利益であり、アゴン族としての礼では無いと言い張っている。

まぁ、そこまで言うのならばありがたく受け取った…まではよかったんだが…

何と同伴していた法聖騎士団団長がふざけた事を言い出しやがった。

物はアゴン石昌。彼らが魔族界で平和に暮らすことを可能にしている人間界と違った技術体系だ。

遠い昔にはこれが元で両種族は戦争にまで発展してしまった。

故にこの技術の結晶を人間族は昔より喉から手が出るほど欲しかったのだ。

それが今、まさに今アゴン族は一人の人間に渡してきたのだ。

それを普通の人間が目にしたらどう思う?それが人間界に及ぼす影響と利益は計り知れない物になる。

それが国の中心に居る騎士団の団長であるならば御国の為に多少の非道は行うだろう。

法聖騎士団団長オルガ・ドルイユは様々な方向から自分を脅してきた。

戦力的にも、人間的にも法律的にもだ。正直ブチギレでここにいる騎士団全員滅ぼす気だったんだが…

それを止めたのはアレイスだ。しかも、どういうつもりなのか団長と訳の分からん交渉までしやがった!

このクソ鳥いったい何を考えてやがるんだ?

騎士団がニヤニヤしながら箱を運ぶのを忸怩たる思いで見送り、現在この場には我々だけだ。

さぁ、じっくり話を聞こうじゃない。


鬼「それでだ、アレイス君。一体どういうつもりで自分を止めたんだ?」

ア「言ったろう。あの我を通すのがいかに困難か。それは分かっているだろう?」

鬼「そこは理解した。でも自分達が本気を出せば…」

ア「そう。あいつらを全滅させるのは確かに難しいが逃げるのであれば容易だ。

アイツらに自分達の本気が捕まえられるなんかあり得んからな」

鬼「あ、やっぱりそこら辺は気づいてたんだ?おかしいと思ったわ~。

いつも自信満々のお前があの程度で怖気つくはずがないもんな。

常に国一つ滅ぼせるって豪語してんだもの。たかだか三桁程度の契約者で引くはずないよ。

いくら聖ランクが複数いるとしてもだ」

ア「当然だ、だがそこら辺はお前も理解してたんだろ?だから黙っていた。違うか?」

鬼「おかしいとは思ったがお前に何か考えがありそうだからな。一応見過ごしたのよ。

で、どういう考えがあったんだ?」

ア「最後のあの村長の言葉覚えているか?」

鬼「確かこれはどのような状況でも自分の利益になる。こちらに遠慮は要らない、だっけ?」

ア「ひょっとしてユリウスはこうなるって分かってたんじゃないのか?

たとえ他の人間に奪われても大丈夫だと。お前の手の内になくてもアレはお前にしか使えない。

だからどのような状況でもこちらに遠慮なんか要らない。という風には受け取れないか?」

鬼「まぁ、そう言われれば一応意味としては通るが…だけどお前も確証はないだろ?

あくまでもお前の推測であって確実な証拠もない。違うか?」

ア「確かにその通りだ。だが、それ以外にユリウスの言葉の意味が通る推測があるか?」

鬼「いや確かに無いけど…」

ア「それにだ。アゴン族は長い歴史を人間族との戦争という形で付き合ってきたんだ。

人間のそこら辺の業の深さはどんな妖族よりも理解していると思うがな」

鬼「う~ん…一応筋は通ってはいるが…確証がな~」

ア「であるならばどうだ?直接彼らに聞いてみればいい」

鬼「マジで言ってんの!?あなたたちの秘宝を貰いましたが、すぐ奪われちゃいました!

ってわざわざ言いに行くのけ!?恥ばらまく様なもんじゃんよ~」

ア「だが隠し通せる事実でもあるまい?恥だというのならば謝罪もせねばならんだろう?」

鬼「はぁ~…それもそうか。うわぁ、久しぶりに遊びに行くのにこんなに気が重いのかよ~」





鬼「という訳で頂いた物を騎士団のクズ共に奪われてしましました!

本当に申し訳ありませんでした!」


諸々の事情説明のためにとにかく村に向かうため、朝もまだ薄暗い位に出て行った。

本来なら寝ている時間帯ではあるが、申し訳なさと罪悪感で正直そんな寝てられなかったんだわ。

ただ、流石に魔族界という危険地帯で暮らす種族の朝は早いな。

着いたらもう村人殆ど起きてんだもの。こっち見たってあらおはようだもの。

普通なら何をこんなに早朝から来やがんだ、ああ?みたいに睨まれてもおかしくないよ?

んでとにかくそこら辺の住人に三氏族に話があるって言ったら若干訝しげに見られた。

そらそうだろ、あんだけの事があって次の日の朝に当事者が、それも三氏族呼び出してんだ。

おっかながるのもしゃ~ないわな~。

んですぐにユリウスの家に通されてすぐさま三氏族の当主の三人の登場。

顔見ると出てきたのは言い訳とかもなんも浮かばず、深い謝罪しか浮かばなかった。

いきなり深々と謝るもんだから向こうもどう接していいのか分からんらしい。

ああ、この後の事情説明が本当にしんどい…

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