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五十七話目

久方ぶりにエルト工房に客人が来た。最近ここを訪ねてくる人間は碌な要件ではなかった。

騎士団然りギルドの人間然り妖族の要件然りだ。

今回訪ねてきたのはこの世界でのもう唯一の友人といえるエリーゼだ。

流石に遊びに来たとは思ってはいなかったが、口にした要件が…


エ「ちょっと色々あっちゃって…ここで雇ってくれない?」



とりあえず、玄関先では話もできないという事で家の中に入ってもらった。

少し飲み物を用意して話をする準備は整ったと。


鬼「それでだ、一体な何をどうすれば騎士団を辞めさせられるって事になったんだ?」

エ「いやぁ、あはははは…そこら辺はあんまり聞かないでほしいんだけど…駄目?」

鬼「いやいやそこが一番重要でしょ、どうしたものか…」

ア「構わんじゃないか。人材が増えるのは喜ばしい事だろ?」

鬼「そらそうだが…では改めて聞くぞ?いったい何をして騎士団を辞めることになった?

ここで雇うとなると自分は責任者だ。能力の無い人間を雇う訳にはいかない」

エ「……分かったわ。私が所属していたのは法聖騎士団第三師団調査部。

戦闘ではなく任務地の安全の確認や脅威の有無何かを調べる調査専門の部署よ。

法神契約者はその力の特異性から他の騎士団との連携が最も多い騎士団になるの。

…私が命令された任務地は魔族界、同じ師団の戦闘部門との共同任務だった。

内容は魔族界における資源地の選定。そこにどれだけの魔族がいて、どの程度の強さなのか。

事前に偵察に行ったときは多少の魔族はいたけどそこまでの脅威は無かった。

報告はもちろん脅威無し、そこまではよかったんだけど…」

鬼「というと?」

エ「…任務地には魔族はいなかった。私の報告を受けて戦闘部隊と資源地選定の為の専門家が向かったわ。

私も現地に一緒に向かったの、現地での危険情報を探索、戦闘部隊に報告するっていう任務ね。

現地について…いきなり魔族の襲撃を受けたの。魔格7鈍猿ゴライアス」

ア「あいつか…結構面倒な奴に襲われたものだな」

鬼「鈍猿?どういう奴?」

ア「痛覚がないんじゃないか?という位に防御力と言えばいいのか…

攻撃が効いているのかどうかも分からん。それでついた名前が鈍猿だ」

鬼「なんともはや…そういう強さもあるのね…」

エ「場所は人間界からそこまで離れてなかったていうのもあって、鬼ランクしか行ってなかったのよ。

幸い何とか被害もなく逃げれたけど…」

鬼「まさかとは思うが、その責任を取らされたのか?

相手は魔族だろ?調べて居なかったって言ってもその後にそこに住み着いた可能性もあるだろ?」

エ「そのランクの魔族になれば住処というのはそうそう変わらない。

何か大きな天災でも起きて住処を追われたというのなら分かるんだけど、そういった情報もないし。

まぁ…私の力不足だったのよ。騎士団のメンバーを危険にさらしてしまった責任を取ったの」

鬼「しかしなぁ…分からんでもないが、辞めなきゃいけないような内容か?

少なくとも人的被害は無いのだろ?」

エ「実際それだけ法聖騎士団の調査部というのはそれだけ責任重大なのよ。

他の騎士団には無い部署だし、信頼度も大きい。まだ同じ騎士団での任務だったからよかったものの…

他の騎士団との共同任務だったらもっと大変だったわ」

鬼「そうか…で、次の就職先にここを選んだと。いいんか、ここで?」

エ「とにかく、すぐに次の仕事見つけないと生活できないんだもん。

騎士団の宿舎も出されたし。出来れば住む所もお願いしたいのよ。

流石にそこまでわがまま言えるのはやっぱり友人の所しかないのよ」

鬼「待て待て、住む所に関しては実家に帰りなさいよ。年頃の女の子が住む様な所ではないぞ?

ここに住んでるのは気難しい職人ばかりだ」

エ「そこは頑張るから!ねぇ、何とかお願いできない?」

鬼「雇うだけなら自分が勝手に決めてもいいんだが、住むとなるとエルトの許可を取らにゃならん。

…とりあえず、聞いてくるから少し待っていてくれ」


今にエリーゼを残してアレイスと自分は工房の方に向かう。

しかし、予想以上に面倒な事になっちゃったな~。まさか、あいつが騎士団を首になるとは…



鬼「という訳なんだが…どうだい?」

エ「いや、僕は別に構わないけど…本当にここに住むの?」

ア「住み込みでというのが向こうの条件だしな」

エ「まぁ、キリュウの友人だしね。その辺りは任せるよ。ここに住むのも僕は認める。これでいいかい?」

鬼「悪いね、今回の件は完全にこっちの事情なんだけど」

エ「そんな謝る事じゃないよ。じゃあ僕は仕事に戻るね」


家主たるエルトからの許可は貰えた事だし、エリーゼの件はこれでいいだろう。

さて、やる事もあるしさっさと行きますか。今日はやる事が結構多いからさっさと動かないと。

基本方針であるギルドに加入しないという姿勢は変わっていない。

実際問題この国のギルド連中には色々と腹立つ事が多かった。

それが実力が分かってからあんの闘人ギルド長は後ろ盾云々言いやがるし。

この基本方針をどこまで貫き通せるのか…どこまで自分の力で我儘を通せるのか。

そこら辺は今後動きながら考えるとしよう。まず最初の相手はギルド。…まぁ、頑張りますか。


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