四十六話目
ここに到着して小一時間。同じ時間向かってくる魔族をせん滅し続けている。
魔族共の攻撃はそれこそ多種多様だ。自分の牙や爪で攻撃してくるもの。
その剛力で殴りつけてくるもの、毒やら火やら自分の属性で攻撃してくるもの。
正直訳が分からん!すべての攻撃を殴りつけ、蹴り防ぎ、同じ動作で反撃をする。
防御はほとんど考えなくていいのが鎧の有難い事だよ。
しかし…本当に次から次へと出てきやがる!!襲って魔族も種族が豊富だこと。
こんなに多種族が連携して襲うなんてあんのか?
戦闘状況自体は全くもってこちらが優勢だ。負けるという発想自体は無い。
どいつもこいつも魔各8以上なんかは居ないからな。
鬼「しっかし…どんだけやったらこいつら全滅すんだよ!!」
ア「分からんが、とにかく集中しろ。
こいつら程度の攻撃で壊れる鎧ではないが、あんまりやられすぎるのは…」
鬼「まずいのか!?限界でも来るのか!?」
ア「いや、私が腹立つのだよ」
鬼「お前かい!」
正直まさかここまでの数が押し掛けてくるとは…
それに何故ここまで躍起に攻めてきてるんだ?
だが流石に小一時間も魔族を倒した成果は出てき始めている。
明らかにこっちに歯向かう奴等が居なくなった。
少し距離を取ってこちらの様子をうかがっている。
まぁ、数百もの御仲間がやられちゃそうなるだろうて。
鬼「一旦は止まったか…このまま帰ってくれればいいんだがな」
ア「…大丈夫だな。一番後ろはもう逃げ始めている」
アレイスの言葉通り別段指揮官というものがいない文字通り烏合の衆。
一匹が逃げ始めればその恐怖は一気に伝染してすべての魔族が逃げてくれた。
周りには命を失った魔族の亡骸が転がっている。
鬼「おい、アレイス。どうだ、材料になりそうな魔族は居るか?」
ア「いや、こりゃ駄目だな。どいつも使えん」
鬼「嘘!?こんだけいるのにか!?一匹も!?」
ア「あまり武器や防具に使えそうな魔族はいないのだ。魔族ならすべて加工できるという訳ではない」
鬼「嘘だろ…こんだけ戦ったのに使える魔族は無しか」
ア「まぁ、魂石は取り出せる。それに武器防具には使えんでもあっちでは使えそうだな…
だが、これだけの量だ。それにどれが必要なのか私らにはわからんだろ」
鬼「それもそうだな…それにアゴン族との兼ね合いもある。まるまんま全部という訳にはいかんだろ。
回収方法を考えないといかんか…そこら辺は一旦後回しにするか。村に報告いれないとな」
村に入ると村人が今まで一番最高の出迎えで迎えられた。
全員がそれは嬉しそうにこちらに駆け寄ってくる。
戦闘が終わった喜び、不安からの開放、まぁ心情は色々だろうな。
ただ、それは戦闘に出ていない非戦闘員だ。戦場に出てた戦士達は複雑な表情をしている。
戦闘が終わり、死人は出ていない。それは確かに嬉しいのだろう。
それをこの村の住人でもない、ましてやアゴン族でもない人間にだ。悔しいのは分かるわ。
そんな、様々な表情を浮かべる村人の先頭にはユリウス、イザーク、ボリスの三人だ。
鬼「終わったわ。逃げた魔族はどうする?追いかけて止めを?」
ユ「いや、それは要らんだろ。ここを襲わなければそれで構わん」
イ「負傷者は多数だが、死者はゼロだ。あれだけの戦闘でゼロは大勝だろう」
ボ「外に転がっている魔族はどうしましょう?彼にも分けるのが当然でしょうし。
我々には人間たちのような金銭という文化はないですから」
ユ「それもそうだな。どうする、キリュウ?」
鬼「それなんだよな…正直自分にはどれがいるのかの判断がつかんのだ。
アレイス曰く武器防具に使えそうなのはあんまり無さそうだし」
ユ「そうか…では先に我らが選んで余った物をお前にやるというのでどうだ?
残り物を渡すようで申し訳ないのだが…」
鬼「それでいいか。…近い内に取りに来るから何処かで保管しといてくれるか?」
ユ「ああ、分かった。とりあえず今日はもう皆動けん。外の片づけは明日に回すか」
鬼「ほんじゃま、お疲れさん。また来るから」
イ「お前もう帰るのか!?少しくらい休んでってもいいんじゃないのか?」
ボ「そうですよ。もうすぐ夜になりんですしね。大した事もできないけど」
鬼「それもそうか…どうだろアレイス。時間もまだ余裕あるし」
ア「いいんじゃないか?とりあえず、朝早く出れば余裕だろ」
ユ「では我が家に来ればいい。大した事もできんがな。
今回の事で物資をかなり消費してしまっている」
イ「数日中にでも補給をせねばなるまい。まさかこんな事がしょっちゅう起きるとも思えんが…」
ボ「原因が分からない以上、起きないとも言えませんからね」
ユ「原因究明はまた後日隊を組んで魔族界を調べねばなるまい。
では解散だ!各々家に戻り休養を取ってくれ!」
戦闘も終わり村の中は一応普段通り…という訳にはいかないが平和は戻った。
ただ村人も不安から解放されたという訳ではない。
さっきボリスが言ったのが全員頭をよぎっている。
原因が分からない以上また同じことが起きないとは言えない。
そこが分からん以上不安は消えんわな~。
ただ自分も原因究明まで付き合いたいのが本音なんだけど…
そこまで付き合っちゃっうと完全にタイムオーバーなんだよな。
本格的に禁止令の方をどうにかしないと。とりあえず…今日の所は休むとするか。




