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三話目

あれから何時間過ぎたのだろう。どうやって教会を出たのかもわからない。

教会の前の椅子に座り、連れをただただ待っていた。

日も暮れもう夜に差し掛かろうかした時、扉があき三人が出てきた。

三人とも楽しげな表情を浮かべているのがよく分かる。

そらそうだろう、二人は鬼、一人に至っては龍にまでランクが上がったんだから。

エリーゼがこっちに気付き駆け寄ってきた。


エ「キリュウ…あの…」

鬼「おめでとう。鬼、よかったじゃないか」

ラ「よう、キリュウ」

鬼「お前が一番出世頭か。龍おめでとう」

ラ「…史上初の無契約者。もう教会中の噂になってるぜ」

鬼「だろうな」

ラ「俺らはもういる位置が違いすぎる。まさか人ランクにすら選ばれないとは…

もう俺たちは友達ではいられない。無契約者が友達なんて周りになんて思われるか…」

エ「ラリウス!そんな…イゴルも何か言ってよ!」

イ「…ごめんエリーゼ。僕も同じだよ」

エ「イゴル…」

イ「君も考えた方がいい。これからの僕たちには明るい未来が待っている。

誰と共に歩くかよく考えた方がいい」

鬼「そうかそうか…どうにも自分はどこに行っても駄目か…」

ラ「そういう事だ。今後俺たちは何の関係もない」

鬼「ああ、分かったよ…エリーゼありがとう、君だけ心配してくれたのは忘れないよ」


こんな知らない世界まで来て18年生活した挙句がまたこれか。

自分は一体どれだけの物を失えばいいんだろうか。

親友、それまでの生活。またここでも失うのか?

のろのろと歩き一応家までは無事に着いたが…なんと言えばいいのだろうか?

人や魔どころか契約者にすらなれませんでしたと?

二人はいるかと思い家の中を窓からのぞいてみると…

そこには壊れはてた家の惨状が見えてしまった。

どうやら父親が暴れているようだ。ああ、話はもう行っているようだ。


ダ「無契約者?何なんだそれは!?聞いたこともない!私は明日からどの面を下げて街に行けば…

あ~~~~~!!!!なぜだ~~~!?」

フ「………」


父親は暴れまくり、母親は言葉も出ないと。

今家に入ると殺されそうだな…やめとこう。

どうやら最後の砦の家族も失ったか…二度目はもう少しなれるかと思ったが…

駄目だねぇ、涙すら出てこない。いっそ家に入って殺されればいいのか?

ふらふらと歩いて人気のない方に歩いていると、いつものグシャの丘にたどり着いた。

ほんの数日前までここで友人と遊び、笑い、話をしていたこの丘に。

もう戻れないと思ったら今度は泣いていた。


鬼「何故…自分ばかりがすべてを失う!ナゼ…また失ってしまう位なら…あのままあそこにいれば!!

オディアス!!なぜだ~~~!?自分を何故ここに連れて来たんだ!?」


もう誰も自分を必要としてくれない。家族も友人も…

もう誰も自分を呼んではくれない…



ひとしきり泣き叫んでいると雨が降ってきた。

雨や風に打たれていると頭が冷えて今後どうするかを考える事に。

周りを見渡すが例の祠以外雨風をしのげる場所が無い。

まぁ、いいか。あそこに行ったからってもう自分を叱ってくれる人はいないんだから…

初めて入って祠は薄暗く人の手が入っていないせいで中は草やら葉っぱで散らかっている。

もう誰からも必要とされていない祠。なんだかこれからの自分を見ているようで笑いすら出てくる。


鬼「自分もこうやって落ちぶれていくのか…いっそのこと家で父親にやられていれば…

少しは両親の心は救われるのか?」


それからどのくらいの時間をここで過ごしたんだろうか。

疲労のせいか少し眠ってしまったらしいな。

こんな時でも人間て眠くなんのね…

眠い頭が段々覚醒し始めると妙な声が聞こえてきた。

まだ頭が寝ぼけてるのかとも思ったが…違うな。


?{こっ…だ。オ…気…かない…ま}


こんな感じの声というか頭に響くような…

奥の方から聞こえるというか感じるような…


鬼「ここには人間はいない…筈だよな?何の声だ?」


無視してもいいんだがな…気になるし、行ってみるか。

おお、そういえばここに入るのは初めてだな。

あいつ等がいれば探検も…いやもうよそう。考えるだけで悲しくなる。

奥に奥にと進むにつれて目は次第に暗さには慣れていった。

しっかしまぁ、何にも無い明かり一つ松明一本無いぞ?



一番奥にたどり着いて周りを見渡すと一番奥の壁に物が物があるのがうっすら見える。

黒く薄汚れたソフトボール位の大きさの球体の物が一つだけポツンとある。

…ここら辺の人間はこんなものを怖がってんのか?下らねぇ…


鬼「しっかし汚いな。何だこれ…」


何かわからないので思わず手に取って触った瞬間、玉が光り出した。

この光は以前儀式で見たぞ!?光ったと思えば今度は誰かの声が聞こえる!?


?「ああ…ああああああ!!!久しぶりの魂の波動!!!生き返るわ~」

鬼「誰だ!?どこにいる!?なんだよこれ!?」

?「おお、お前の魂は格別だ。なるほど、選ばれた理由はこれだな。親父殿もいい趣味をしている」

鬼「…玉?これが喋ってんのか?」

?「お前が私の契約者だな。名前は…キリュウ?苗字はなしか?

二親は…なんだ、二人とも人ランクか。それでは致し方ない」

鬼「よし、状況は理解…した。現時点玉が喋ってると。お前は一体どちら様だ?」

?「私は掌神アレイス。オマエと契約する神」

鬼「掌神アレイス?聞いたこともないんだが…」

ア「まぁ、はるか昔に兄弟達に封じられたからな。人間共の歴史からも忘れ去られたんだろうな」

鬼「…名前に神が入ってるってことは、兄弟はひょっとしてオディアス教の5神か?」

ア「そういう事。俺が一番弟になるな」

鬼「あの5神って兄弟なの!?初耳…てかちょっと待て?あんた今俺と契約するって言わなかった?」

ア「そうだね」

鬼「…よっしゃぁ!!!!自分もこれで契約者だ!!ざまぁ見ろあいつら!!

もうこれで無能とは言わせねぇぞ!!」

ア「あ~、喜んでるとこ悪いが…まぁ、いいか。先に契約だけしとくか」

鬼「おうとも!すぐしてくれ!これでこの国の人間共見返してやる!」

ア「掌神アレイスの名の元にキリュウをわが一族に加え我の力を与える。

キリュウよ、我が一族になるか?」

鬼「無論だ!」

ア「では我が力をお前に」


玉が黙ったと思えば、その瞬間玉が砕け破片が霧となり自分の体に纏わり始めた。

数秒後、霧が晴れたらきていた服が変わっていた。

全身を黒で染めて、素材としては皮に近いのかな?

手と足には鎧の具足のような防具がはめ込まれている。

少し手足を動かしてみたが運動性はかなりいいようだ。


鬼「結構かっこいいじゃん!」

ア「それは通常時の服装だ。戦闘用は全身を鎧で覆い、より防御力が増す」

鬼「すげぇなぁ…で、武器は何だ?」

ア「武器?もう手に着けているじゃないか?」

鬼「着けてるって…このガントレット?いやいや素手じゃん」

ア「そう、私の戦闘スタイルは素手での格闘戦。武器は無い」

鬼「…掌って手のひらって書くしょうか。ああ、なるほど。

まぁ、いいか。小難しい武器を持つよりは。素手でボッコボコ。

うん、シンプルシンプル」

ア「無事契約は終了。お前はこれで我が一族だ」

鬼「ところでさ、俺のランクは何?鬼?龍?」

ア「お前の場合は私の力を全部やったからな。ランクは掌神。史上初のランクだろうな」

鬼「…聖の上って事?」

ア「そうだ」


いやいやいや、それも聞いたことねぇって。神って何よ神って。

無事契約者になったはいいものの、今まで封じられた神様に戦闘スタイルが素手って。

契約者になれたはいいがこれはどんなもんなんだろう?

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