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三十八話目

自分を取り押さえに来た素材課の方々は空恐ろしい顔でこちらを睨んでいる。

龍が二人に鬼が四人もろくなダメージも与えられずにボコボコにされた挙句、この様だ。

一応気絶していた方々を森から集めて攻撃もしないで目が覚めるまで待ってあげたのに。

もう襲ってこないとは思うから鎧は解いて、アレイスは今は肩に止まっている。

しかしだぞ、こんなに睨まれるならもう少しどついておいた方がよかったな~。


鬼「おいおい、睨むなよ。きちんと回収したろ?人員全員。

気絶している間も攻撃もしなかったしさ~。感謝されてもいいっしょ」

マ「………約定通り我らは城に戻る。現状貴様を連行する事すら我らには出来んからな」

鬼「そうね~」

マ「しかしだ、次にはおそらく聖が来るぞ。この国数万の契約者の頂点。

数十人しかいない聖ランク。それらも相手にして貴様は生き残れるつもりか?」

鬼「勝てる自信はあるけど…次なんかあるの?」

マ「先鋒たる我らが負けたのだ。次の手はさらなる戦力を…」

鬼「だ~か~ら~!アンタらがここに来た理由を考えろよ。

自分は龍二人に鬼四人に武を示した。これ以上疑う余地があるのかな?」

マ「…疑うと言えば貴様のその肩の鳥。そいつも何なんだ?

我らのランクを正確にいい当てるなど…鳥が喋ると言うだけでもありえないのに」

鬼「さてね~。何なんだろうね~」

マ「ふん、敗者には知る権利などないという事か。…撤収だ、全員城に戻るぞ!」


六人は自分の足で歩いて帰っていく。

それなりに力を入れて攻撃を加えたから、どうかなぁとは思ったけど…

うん、案外大丈夫みたいね。しかし…


鬼「次は本当に聖が来ると思うか?自分もああは言ったが…」

ア「分からんが…今回の事とて本当にお前の力を疑ってという訳でもあるまい。

お前の力など国中で流れているのだからな。分類としては嫌がらせに当たるんではないか」

鬼「聖か…そんなにやばいのかな?」

ア「一度に数十人の聖が動く事などありえんが…来たとしても何とかなるんじゃないか?

聖は人の最高位。神ランクに勝てるとは思えん。

だが、お前自身まだ私の力をすべて使いこなしているわけではない。

…そろそろ聖が動くかもしれんとなると、もっと私の力に慣れてもらわんと駄目だろうか」

鬼「え、何、そんななんかカッコイイのあんの?」

ア「………そこら辺は近いうちに話すとしよう。どうせしばらくは私達はやる事が無いのだろう?」

鬼「そうね~。実際問題7の三体、アブルート。これだけであの五人が総動員で動いているし…

これ以上増やしても彼等の負担増えちゃうしね。これ以上酷使したら死んじゃいそう」

ア「では後はおっさんとエルト達に任せるとして…我らは自分達の出来る事をしようじゃないか」




国からの役人をキリュウが追い返して早数日。

キリュウからは次は聖が来るかもね~、等軽く言われ怯えながら過ごしたこの数日。

とりあえずまだ国からは何も言われていないのでまぁ、心配はしないでおこう。

そこら辺はキリュウが処理するからお前達は作業にのみ没頭してくれと。

そういわれる中僕が武器製作、新入り四人が防具製作を行っている。

中では作業工程が違う為、作業中は四人との交流は無いんだよな。

しかし、同じ工房で作業をしている為休憩や食事などでは喋る事が多い。

最初は不安だったが彼等とはなんとかうまく過ごせている。


エ「じゃあ、そろそろ休もうか!」

ト「おっしゃ!全員休憩だ!」


工房をでる数少ない機会がこの休憩だ。

全員住居部分の居間でお茶を飲んだり、菓子をつつく等各々休憩を取っている。

トーマスの方が年齢は上だが、雇主という関係上喋る場合は全員エルトには敬語だ。


ト「しかし、この工房のソウルマシン、全部魔格7の魔族の物なんですよね?」

エ「はい、全部キリュウが狩ってきた物ですよ」

ト「中々に贅沢な使い方をしていますよね。ここくらいの規模なら4と5で充分ですよね?

7となると…まだ数か月使ってもバンバン動きそうだ」

エ「そうですね…闘人ギルドで買おうとしたら、数千万行きそうですよ。三体分ですからね」

ト「アブルートの魂石は手付かずなんでしょう?そちらはどうするんですか?」

エ「そこなんですよね~。

魔格8の魂石なんてソウルマシンギルドの商会辺りは喉から手が出るほどでしょうし…

そこらへんにでも流すつもりなんですかね?」

ト「エルトさんは知らないんですか?工房の責任者なのに?」

エ「正直彼が何を考えているのか、さっぱり分かりませんよ。

考えられます?ギルドに入らないなんて選択。ありえないでしょ?」

ト「それは私もビックリですよ。店も商業ギルドには入らないんですよね?

それで揉めないんですかね?」

エ「もうそこら辺は考えない事にしました。キリュウに一任ですよ。

僕達は職人ですから」

ト「……私としては彼も分かりませんよ。あの力は聖にすら匹敵する物でしょうけど…

詳しい事情は教えてくれませんから。一体何をしたいのか…」

エ「最近あまり家の方にもいないんですよ。日中どこかに出て行って夜にフラッと帰ってきますし。

一体どこで何をしているんだか」

ト「まぁ、我々四人は色々裏がありますんでね。黙って従いますよ」

エ「何か…すいませんね。脅迫しているみたいで…」

ト「責は我々にあります。…さぁ、仕事に戻りましょう。あんまりだらけるとやる気も抜けますしね」

エ「分かりました。さぁ皆さん仕事に戻りましょうか!!」


トーマスの疑問は僕もそれこそ頭の中で散々浮かんできた物だ。

キリュウが何をしたいか、彼が何者なのか。

彼が討ち取った魔族はすべてが一人で狩るには聖クラスの実力が必要だ。

しかし、彼には契約神は無く素手で戦うというこの世界ではありえないスタイル。

そんな人間離れした彼が何を望んで行動しているのか。

考えれば考えるほど分からなくなっているのが現実だ。

でも彼が居なかったら工房がここまで活気づいたか?ありえないだろう。

多分今も武器も作れない状況だったはずだ。

それに魔族と命をかけて戦ってくれるキリュウという人間を僕は尊敬もしている。

何処まで行くのか怖いけど…信じるしかないよなぁ。

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