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三十七話目

家の中で戦闘が始まると後でエルトに怒られそうだからな。家から離れてやらないとまずい!


鬼「アレイス、鎧展開!龍二人同時はやった事ないからどうだろう!?」

ア「構わん、龍二人に鬼が四人!私が手を貸すまでもないわ!好きにやれ!」

鬼「解放はなしか!了解!」


鎧を展開し、家を全速力で飛び出す。前に賊対策に家の周りを改造したのがよかったな。

戦闘が始まっても壊れる物が無い。いや~、工事前に来てくれてよかったよ。


マ「全員散開!奴を囲み動きを封じろ!全力で行って構わん!最悪死んでもこちらの言い訳がたつ!」

鬼「あ、てめぇ!死んでも構わんてか!酷過ぎるだろうが!」

マ「黙れ!それが嫌なら我々の言う事をさっさと聞いておけばよかっただろう!」

鬼「あんな言い掛かりで誰がついていくか!お前等自分に負けたら黙って帰れよ!」


相手の戦力は撃龍一人、槍龍一人、撃鬼一人、槍鬼一人、法鬼が二人か。

それぞれの武器は槍龍は両刃の槍、槍鬼は薙刀かな?撃組は二人とも棍。

それぞれの龍の部下と法の契約者を連れてきたか。

初手は槍鬼。一瞬で距離を詰めて目にも止まらないスピードで連続突きを食らっている。

防ぐのは簡単だがこちらの力を示すため、すべての攻撃を鎧で受け切る。


ガン!!ギィィン!!



マ「ちっ!本当にあの鎧は何で出来てやがる!」

槍龍「私が行く!法鬼以外は全員囲んで直接攻撃!法鬼は奴が逃げた場合迎撃しろ!」


槍が二人に棍が二人。両方とも少し離れた中距離攻撃が可能と。

四人は統率のとれた動きで自分を囲み、突きや払い振り上げや振り下ろしといった攻撃を仕掛けてくる。

しかも、四人の攻撃は各々を邪魔しないように絶妙のタイミングで仕掛けられている。

各騎士団はあんまり仲良くなかったんじゃなかったっけ?

それらの攻撃を、殴る蹴る振り払う弾く等々の防衛手段で防いでいく。

時折ジャンプなどを混ぜて躱しも入れていく。…もういいか。躱してばかりも飽きてくるし。


マ「くそ!何故ここまで動きが違うのだ!?我らは龍だぞ!?」

鬼「噂知ってるでしょ?前に剣龍ぶちのめしたんだから。…今度はこっちな!」


突いてくる槍鬼の一撃を無造作につかみ、撃鬼の方へ槍ごと振り下ろす。

突くスピードに乗せて振り下ろしたものだからそら恐ろしい勢いで二人はぶつかってしまった。

ガァァン!!

鎧同士がぶつかるものだから衝撃音も激しい事激しい事。

まだ動きそうだったから二人をまとめて蹴り飛ばす!!

蹴りが直接当たった槍鬼君の鎧の胴体部分は粉々だ。


鬼「一応手加減はしたけど…死んだらごめんね」

マ「本当にあれは何と契約すればこんな訳の分からん力が出るのだ!?

ええい、武器攻撃が効かんのなら魔法だ!」

法「「一切を塵となす紅蓮の炎、ヒートフレイム!」」


少し離れた所に法鬼組から赤々と燃える炎の塊がこちらを襲って来る。

あかん、あれはちょっと怖いんですけど!?


鬼「おいおいおい、アレイス!あれは躱した方がいいかな!?」

ア「たかだか法鬼程度で動く事すら馬鹿らしいわ。いいからそこに居ろ」


ドォン!!!


直撃した炎は自分を包み込み、周囲数mを焼き尽くしていく。

周りに樹木があれな森林火災になってたか。危ないな~。


マ「防御力があっても炎と高温は防げないだろう!死なない程度には助けてやろう!」

槍「おい、いいのか?鎧で直接攻撃は防げても魔法は無理だろう?

しかもあの二人、手加減もしないで…」

マ「構わん。後で治療は城で受けさせてやる。死ななければそれでいい。見ろ、炎はもうきえか…」


炎が治まり、焼けた周囲は真っ黒焦げだ。その中心に悠然と佇む自分。

う~ん…かっこいいな。こんなアニメみたいなシチュエーションが出来るとは。


鬼「…マントが欲しい!」

ア「はぁ?」

鬼「やっぱりこういうときはさ、炎をマントでバサッと払うとかっこよくない!?」

ア「分かった分かった。その相談には後で乗るからとりあえずあのお二人の御相手をしようじゃないか」

鬼「おお!龍のお二人さん!さぁ、始めようか?」

マ「………一体どうなっている?物理攻撃も効かん、魔法攻撃も効かん。

あれの素材は一体どうなっている?」

槍「それに今のは炎熱魔法だぞ?炎の攻撃が効かんでも高熱によるダメージもないだと?」

マ「……あいつの一番の脅威はあの圧倒的な防御力という訳か。

そらそうだろ、いかなる攻撃も通らんのでは勝てる訳がない。だが…」

槍「我らも龍の名を冠する契約者。無傷で逃げ帰る等ありえん!!」


槍龍と撃龍が二人同時に攻めてくる。契約者なら恐怖する光景だろう。

一歩はあっという間に距離を潰し、一撃は巨岩をも砕く剛撃。

それらの戦力が二人同時に体が霞むようなスピードで打ち込んでくるのだ。

しかし…自分も力の扱いがなれてきたのか、今のところ自分の扱える力で対処できる。

ただ、これもあと何人か出てこられたら自力で対処は出来んか。

いやぁ~、でもこれはこれで良い訓練になるわ~。鬼気迫る攻撃は適度に緊張感もある。

しかし…そろそろもういいかな。


鬼「うん、良い訓練あんがとさん。もういいから帰ってもらうか」

マ「なっ!?訓練だと!?」

槍「貴様ぁぁぁ!!!!」

鬼「あっ、やばい。踏んだら駄目な地雷ふんだな」


しかし、激昂したおかげで攻撃が一気に大降りになってくれた。

お互いが全力を込めて踏み込み、繰り出す一撃。

自分の命を刈り取ろうとする渾身の一撃を避けながら懐に飛び込み、今度はこちらの番だ。

訓練に手伝ってくれた感謝も込めて…


鬼「喰らえぇぇぇぇ!!」


懐に飛び込む勢いをそのままに回し蹴りをがら空きのボディに食らわせる。

蹴りの勢いをそのまま減速させずに、もう片方にぶち込む!!


ガァァン!ドォォォン!


鎧が砕ける音、そのまま森突っ込み樹々をなぎ倒しながら吹っ飛んでいく轟音。

いやぁ、気分が良い。力の扱いにも慣れ龍二人同時でもダメージ無しで倒せる。

まぁ、思いっきりアレイスの鎧の性能のお蔭だけど…


鬼「鬼二人に龍二人同時撃破と。しかし、これも噂にしかならんだろうがな」

ア「この戦力はそれこそお前のたおしたアブルートに派遣されても可笑しくない戦力だ。

だからこそ国は隠すぞ。国の威信に関わる」

鬼「……そろそろ自分の脅威というものを知ってもらう必要が出てくるか。

いつまでも力の無い無契約者で通す気はない。

正体をばらす気はないが、名は売ろう。…異形の実力者ここにあると」

ア「……何をすればいいものか」

鬼「喧嘩を売ろうか。この国の一端を担う組織にだ」

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