三十三話目
小一時間ほど素材を見た結果、いくつかの防具は作れるそうだ。
一式のフルアーマーも作れるとの事だ。
そうなると素材の質と魔格から一式装備となると数千万単位になるらしい。
わぉ!残り物でこの価格かよ!アブルートが楽しみだね!
鬼「では早速仕事に取り掛かっておくれよ!さぁ、キリキリ働け!」
ト「分かった。では皆、作業に取り掛かろうか!」
四人は各々使う素材を運び込み作業に取り掛かった。
彼曰く、ここのマシンは型は古いが実用は可能との事だ。
ようやく工房の全てが実働可能という事かな。
鬼「さて、これにてエルト工房は完全稼働という事だ。
これにて第一段階は何とか成功という事か」
ア「で、第二段階とやらにはいつ進むんだ?」
鬼「ちょっと今から行くか。建築関係の工房ギルドいかないとな」
早速街の中にある工房ギルドに行くことに。
そこに行ってどこかの工房を紹介してもらわないとな。
その工房を選ぶのが中々大変なんだよなぁ…
この世界にあるのかは知らないけど手抜き工事とかされても困るしな。
とその前にだ、エルトに確認取らなきゃならんことが一点。
鬼「エルトや、ここら辺はこの工房以外はほぼ空地だがどこら辺までが君の土地だ?」
エ「どこら辺と言われてもな…ていうかそれ知らないのにこんなに周り荒らしたの?
もし他人の土地だったらどうするの?」
鬼「まぁ…そん時はそん時で。で、どうなのよ?」
エ「運がよかったね。この工房を中心にして100アレイクスは僕の名義になってるよ」
この世界での距離の単位はオディアス教五神に応じて数えられる。
cmが剣神エバークス、mが槍神アレイクス、㎞がトリゲイ。
鬼「え、マジ?お前って結構な大地主なわけ?」
エ「オオジヌシ?なにそれ?」
鬼「あ~、こっちじゃ言わない言い回しか。多くの土地を持つ人、みたいな?」
エ「見ての通りここら辺は買い手なんか居ない人里離れた土地だしね。
父さんが工房拡大も見越してここら辺を買い取った訳」
鬼「良い親父さんじゃないの。じゃあ工房ギルドに行ってくる。
ここの近くに店を作る算段をしてくるわ」
エ「…やっちゃうんだ。うわぁ…本当にやるんだと思うと怖くなってきたよ」
鬼「正直これからが大変になると思う。店を構えるとなると商品の製造。
更に商品の管理、店の運営。それらをこっちがすべてやらなくちゃならん。
そこらへんの管理を出来るような人材も出来れば確保したいな」
エ「そうだね、流石に僕も店なんかやった事ないし…」
鬼「製造や商品の管理などはエルトや今入れたあの四人を酷使すればいいとして…」
エ「そこにさらっと僕の名前入れないでよ」
鬼「金銭面などの管理に関してはどうにもなぁ…そこらは後で考えよう。
悩みは店が出来てからだ」
エ「まぁ、出来てもいない店の心配をしても仕方ないからね。
とりあえず気をつけて」
鬼「ほんじゃま行ってきますよ」
街の中にある工房ギルドは闘人ギルドとは違い建物自体は小さい。
ここは依頼者に工房ギルドを斡旋したり、就職希望者の口を世話をしたりと事務仕事がほぼだ。
中に入り受付に行き内容を伝える。
鬼「すいません、建築依頼とかの相談は何処ですればいいんですかね?」
受「建築依頼ですね。では担当の者をお呼びしますので少々そこのテーブルでお待ちください」
鬼「はいはいっと」
テーブルに座り待つ事数分。担当者が来たようだ。
わぉ、女性じゃない。ちょっと嬉しいな。
リ「初めまして。私は工房ギルド建築系担当リオノーラと申します」
鬼「キリュウです」
リ「今回は新築という事でよろしいでしょうか?」
鬼「ええ、今度自宅のすぐ横に武具防具の販売店を作ろうと思いましてね」
リ「それはおめでとうございます。で、予算の方はどの程度を考えておられますか?」
鬼「大体三千万から三千五百万くらいを見ています。
商品の陳列と販売スペース、商品の保管が出来る倉庫。ここら辺ですかね」
リ「では幾つか建築系工房ギルドを御紹介いたします。
どの工房を選ぶかはそちらでお選びください」
鬼「その紹介っていうのはどういう選考基準なんですか?」
リ「建築系の上位工房です。その分野では規模も実績もトップレベルですのでご安心を。
では少々お待ちください」
係員のリオノーラさんはさっさと奥に引っ込んでいった。建築系工房ギルドのトップ上位の工房かぁ…
エルトの所とはえらい違いじゃないの。
しかし、ギルドで紹介されるのは最大手とその次位のみ。
そうなるとそれ以外の工房とかはどうなんだ?
まぁ、分からんではないけどなんとも嫌なシステムだこと。
店をやるのはいいとしてこのシステムでは集客を考えないといけないな。
まぁ元々ギルドに加盟するつもりはないが…この世界ではギルドが基本に考えられている。
それ以外で客を呼ぶアイデアを考えないと…とりあえず工房決めないと。




