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二十七話目

門をくぐり、エルとの待つ家に戻る途中なのだが…

帰路の途中、人のいる所を通るのは仕方名の無い事だ。

前に一番最初に狩った数匹を担いで帰った時もそれなりに注目を集めた。

だが、今回はその時よりも明らかに人の注目を集めている。


鬼「なんだよ、今回はえらい見られてるじゃないか」

ア「見た事の無い魔族を人の住む街で担いで歩いてるんだ。当然だろ」

鬼「あれ、こいつって意外に無名?」

ア「7くらいはある程度知られてるが、8以上はほとんど見かけんだろうな。

ザカリ―も言っていたろ。このランクは龍でも数名集まるくらいだと」

鬼「ああ、確かにそんな事言ってたなぁ。そうすっとこのランクは逆に知られてないんだ?」

ア「8以上はそもそもかなり奥の魔族界で生息しているしな。

人間はよっぽどの事が無い限りそんな奥地までは行かんだろうし」

鬼「という事は破龍アブルートって名前は?」

ア「そこら辺は分からん。彼等が独自に使っている名称なのか、世界の共通認識なのか。

下手をすれば人間界では通じんかもしれん」

鬼「じゃあ、新種の魔族を討伐したって事か?」

ア「それは分からんが…おい、あの守備隊こっちに真っ直ぐ向かっているぞ。

ひょっとして私達に用があるんじゃないのか?」


アレイスの言う方向を向くと確かに数名の鎧を着こんだ守備隊が向かっている。

真っ直ぐ来ているし…多分自分の方に来ているんだろう。

あれ、今回は何もしてないんだけど?


守「そこの者、その担いでいる魔族は何だ?

見かけない魔族を担いでいる者がいると通報があったのだが…

本当に見た事ないな。おい誰か、これが解る者は居るか!?」


後ろの控えている隊員も観察して考えてはいるが…誰も記憶に残っている者はいないらしい。

面倒事もなんだし、教えるくらいはいいかな。


鬼「魔格は8、名称は破龍アブルート。これで通じんのかな?」

守「8だと!?…これがか!?初めて見たぞ。

破龍アブルート…名前は確かに聞いた事が有る。だが、実物を見るのは初めてだな」

鬼「なるほど、人間でも通用する呼称だったか。見られてよかったね。じゃあ行くんで」

守「ちょ、ちょっと待ちなさい!これは報告はしたのか?」

鬼「ああ?報告?んなモン知らんがな。今帰ってきたばっかんだしよ」

守「それでは駄目だ。8以上の魔族は騎士団に報告の義務がある。

何時、何処で、どのようにして狩ったか。

それらを騎士団に報告して次の対策に役立てる。それが契約者に課せられた義務だ」

鬼「めんどくせぇなぁ…で、何処に行きゃいいんだよ」

守「ここまで来たのなら城に行くのが早いだろ」

鬼「てことは…うわ、高位契約者の街に入んないとダメじゃん。行きたくねぇなぁ…」


まさか、そんな義務まであったなんて事はきいてないちゅうの。

…7までにしとけばよかったか。

ただ、それを乗り越えればこいつを装備品にして売れればかなりの儲けになるはず!

よし、それを励みに頑張りますか!

そこからさらに中心部に入っていき、城の入り口に来たはいいが…


鬼「どこをどう見たってこいつは入りそうにないな」

ア「やっていいのならこの入口を多少模様替えしてでも入れるのだが…

それは流石にまずいのだろ」

鬼「模様替えっちゅうか、それはリフォームだろうな。使うのはこの拳でだけど」

守「こらお前達!!入り口にそんな物騒な物をいつまでも置いておくな!

早くどこかに持って行かんか!」

鬼「魔格8の魔族なんで報告しろって言われたので来ました~。何処に運べばいいんですか~?」

守「なれば裏口の搬入口を使え。そこならば入るだろう」


今度は裏口かよ。どんだけ人をたらいまわしにすれば気がすむのさ。

抱えて運んで、いったいどんだけ動けばいいんだか。



裏口とやらにやっとたどり着いた。そこにいた守備隊に目的を伝えると担当官を寄越すそうだ。

城内には運ばす、ここで待っていろとのお達しだ。

やれやれ、やっと少し休めそうだ。


鬼「全く、8の魔族を狩っただけでこの面倒な手続き。今後は狙いを変えるか」

ア「そうも言うな。人間側にしてみれば貴重なサンプルだ。研究等もしたいのだろう」

鬼「知らんがな。…早く手続き済ませて帰ろう。作って、売って、本格的に店舗考えないとな。

こいつはかなりの高値で売れそうだし、その金でもう十分だろ」

?「お待たせしました。私は法聖騎士団所属の…」


担当官の自己紹介は途中で中断だ。何せそんなものは要らなかった。

いつ振りだろうか、この世界で友だった人間を見たのは。


鬼「よう、久しぶり。元気か?エリーゼ」

エ「キリュウ…貴方なの?魔格8破龍アブルートを狩った契約者というのは」

鬼「そうなるねぇ…でだ、こちとら同居人待たせてんだ。ちゃっちゃかすませてくれ」

エ「そんな…じゃああの噂は全部本当なの?史上初の無契約者、黒衣に黒い鳥、

境界の壁を壊し、龍すら打ち破った」

鬼「うわぁ、だんだん前置きが増えていくな。一応全部正解だな」

エ「…キリュウ、何があったの?儀式以来家にも帰ってないって聞いてるし…」

鬼「まぁ、色々あったんでね。細かい事は…まぁいずれという事で。

で、法聖騎士団?なにそれ?」

エ「この国は契約神毎に騎士団が分かれているの。

法聖騎士団、剣聖騎士団、槍聖騎士団、撃聖騎士団、弓聖騎士団。私は法聖騎士団に属しているの。

街や門にいる守備隊なんかは騎士団の下部組織よ」

鬼「やっぱり、守備隊は下っ端か。じゃあ境界のいた守衛団てのは?

エ「それぞれの騎士団から人員を派遣、そこから守衛団を結成、守備隊を編成して門を守っているの。

騎士団とはまた別の組織ね」

鬼「普通に騎士団で守ればいいんじゃないのか?」

エ「それだとどこの騎士団がやるのか揉めるのよ。五つの騎士団はそれぞれが常に手柄の競い合い。

境界門の守備なんかそれこそ人間界を守るための要。かなりの取り合いになるの。

それで妥協案、全部の団から人を出して守衛団ていう独立した組織が出来たの」

鬼「何とも面倒な…しかし、騎士団所属の契約者がこんな雑務もすんのか?」

エ「新人だしね。戦闘専門の騎士団にも書類仕事や雑務はいくらでもあるわけ。

扱うのが魔族ならやっぱり私達の方が慣れているし。まぁ、龍以上は無いんだけどね」

鬼「そらエリートはそんな雑用はせんわな。…他の連中は元気か?友人だった連中は」

エ「ええ、皆元気よ。各々騎士団としての仕事をこなしているわ」

鬼「そうかそうか…元気ならそれでいいんだ。元気でいてもらわないと困るしな」

エ「やっぱり…私達を恨んでる?キリュウを見捨てた私達を」

鬼「暗い話はもうやめよう。さぁ、仕事を済ませようじゃないか」

エ「…じゃあ、アブルートを討伐した状況を話して」

鬼「あ~、そうか報告ってそういう事か。さて、どう話したもんかな」

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