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十九話目

一応村長のユリウスは自分に多少の友好の証を示してくれた。

ただ、周りの住民はというとそれは違うらしい。

明らかにこいつ何とかしろよとか視線を送ってくる住民がほとんど。

そら、そうだ。今まで敵対していた種族がいきなり村に入って村指折りの戦士を瞬殺。

それだけでも本来なら村全体で暴動規模になってもおかしくないのだ

村長が迎えるったって気に食わんだろうな。


?「ユリウス!何故その者を村に入れる!?そいつは人間なのだろ!?」


恐らく村の人間の総意を伝えてきたのがこのおっさん。体は太り、戦士というには程遠い体つきだ。

獣装(アルマ)の所持は見受けられない。


ユ「イザーク、彼はどうやら他の人間とは違う。聞けばオディアス教とも敵対していると。

であるならば敵の敵は味方、とまではいかないが多少なりとも懇意にしても損は無いだろ?」

イ「人間だという時点で十分問題だ!何故こいつを叩きださん!?」

ユ「貴方は何を見ていたのだ?あの四人全員を事も無げに叩き伏せる相手にこれ以上どうしろと?

村人全員でかかればいいのか?」

イ「それで構わんだろ!人間をこのまま村に入れる方が同胞は不安だ!」


周りの村人の半分くらいはこのイザークというおっさんの意見に賛成らしい。

なるほど、そうなるともう一回戦やらかすのか?


ユ「確かにそれをすればひょっとしたら勝てるかもしれない。

だがイザークよ。貴方が先程から言っているじゃないか。彼は誰だ?」

イ「人間であろう?」

ユ「その通り。あの四人には彼は少し手加減したらしいが、これだけの数だ。

彼も今度は本気で戦うだろう。そうなれば一体どれだけの被害が出ると思う?

貴方が言うように彼は人間。妖族に殊更手加減する理由は無い。

それに数がいれば戦える等というなら彼の力を甘く見過ぎている。

そんなに不満があるのであれば貴方自身が戦いますか?

貴方も獣神装(サクロアルマ)を使う一族。彼はそれほどの実力者だと思いますが?」

イ「…どうなっても私は責任は取らんぞ!」


イザークというおっさんの敗北で幕を閉じたこの論戦。

それと同時に周りにできていた集団も各々散っていった。

こちらとしてもこれ以上の戦闘は勘弁だ。これ以上は本当に誰かが死んでしまう…自分以外で。

騒ぎの場から少し離れた所にユリウス村村長の家は中々大きくそこに通された。


ユ「まぁ、夕食までは幾分か時間がかかる。すこしお茶でも飲んで待っていてくれ」

鬼「そらどうも。で、なんで自分をここに?

あの感じからすると村人の大半は自分がここに居る事自体嫌がってるみたいだし?」

ユ「何、友好の証というのはある程度は本当さ。

君と敵対している状態でここを出て行かれたほうが怖い。

無いとは思うが人間の襲撃なんかあったらたまったものじゃない」

鬼「んな下らない事はしないよ。これといった恨みも貴方方の種族には無い」

ユ「すまないが、それをすべて鵜呑みにできるほど我が種族は人間と折り合いは悪い。

なので君にはここに入った以上、特別なのだという事を周りに示したいのだ。

そうすれば村の治安維持、精神安定が図れるというものだよ」

鬼「その理由の何割が娘に絡んでるのかな?というのは野暮な質問かな」

ユ「誰だって娘は大事だ、そうだろ?

あんな小さな子供に敵を村に入れたという責任を君は負わせたいのか?」

鬼「了解、ワタシハコノムラノトモダチデス。これでいいかな?」

ユ「形だけでもそうしていてくれ」

鬼「それで、後の理由は何?」

ユ「君自身に大分興味が出てきた…というのが本音だ。君は武器を使わず素手で戦った。

我ら同様に。オディアス教が嫌いというのも初めて聞いた話だ。

君はオディアス教の恩恵を受けてはいないのか?」

鬼「あ~…そこ気になるよね。まぁ、いいか。アレイス、ちょっと出てきてくんない?」

ユ「アレイス?」


ああ、そういえば鎧展開しっぱなしだったな。一度鎧をしまう。

急に身に着けていた鎧が消えて素顔が現れたものだから向こうも困っている。

人間と分かっていてもいざ目の前に現れるとビックリするらしい。

鎧が解けた事によりアレイスも鳥に戻り肩に止まる。


ユ「…色々と驚くな。鎧はどうした?その鳥は?」

鬼「まず紹介から。こちら自分と専属契約を交わしている5神と同等の神様です。

掌神アレイス。専属契約しているものだから自分のランクも掌神。戦闘スタイルは徒手格闘戦。

鎧は彼の力を具現化したもので龍ランクの攻撃でも無傷&衝撃吸収性能も完璧。

自分はノーダメージ。まだ、聖ランクとは戦った事はないがやってもほぼ圧勝だろう。

以上がこいつと自分の主だった秘密です何か質問はありますか?」

ユ「……もう何が分からないかそれが分からなくなってきた」

鬼「この話はまだ人間界ではしていない。秘密を打ち明けるのは初めてだよ」

ユ「人間達には話さない?ではなぜ私には話したのだ?」

鬼「人にとってオディアス教はすべてだ。生活の維持、生命の防衛、種族の繁栄。

すべての根本だ。故にオディアス教を否定する者には拒絶反応を示してしまう。

貴方方には少し驚く程度だろうが、人間界にとっちゃかなりの大事な訳。

この話が人間界に漏れたら下手すりゃ命を狙われるだろう。危険分子だからな」

ユ「それほどなのか?魔族との脅威が有るのだから力有る者は望まれるものではないのか?」

鬼「それが人の持ちうる力であれば望まれもするだろうけど…

あまりにも人から外れた力だから。龍ランクを一撃で倒してしまうような力はね」

ユ「そうか…まあ、我らとしては大きな違いは無い。ともかく娘を助けてくれた人に感謝をする。

ありがとう」


流石に、人とは違う種族だけあって自分の秘密を知ってもそれ程反応は無い。

多分オディアス教とかかわりのある人間だけなのだろうと思う。

自分を敵視するのは。教会長のジジィしかり、5神しかり。他の人間もどうだか。

ユリウスの反応がこの種族全体的な反応なら…このまま妖族になっちまうか?

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