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最初の話

のんびりと書いていきたいかな~と考えています。

暇つぶし…になるかどうかは分かりませんが。

本名:鬼龍真道きりゅうしんどう

年齢:18歳

国籍:日本

家族構成:父、母、兄、妹

こちらが本作主人公となる自分の簡単なプロフィールだ。名前が少々派手以外特に特徴は無しと。

補足情報として自分の家はそれなりに資産家という点が一つ。

父親が所謂投資家という職業。これが中々に世間とはずれている。

はたから見ていれば電話とパソコンしかしていない人間がですよ。

必死に働く人間の何倍も稼いでいるからこの世界もおかしい物だ。

そうした家庭というのは世間一般羨ましくもあるのだと思う。

楽して大金を稼ぎたい。ほとんどの人間が夢見るものだろう。

しかしだ、生まれた時からそういった何不自由のないというのも人間おかしくなるのだ。

物を自由に買い与えられて、食事も豪華。小遣いは欲しいとねだれば出てくる生活。

これだけ恵まれた生活だ。人間調子に乗らない筈がない。

最初は皆の喜ぶ顔が見たかっただけなんだ。

食事をおごる、お菓子をおごる、飲み物をおごる、遊ぶ金を出す。

皆最初は喜び、お礼を言い感謝の意を示してくれた。

しかし、人間それが続くと嫌な方向に順応していく。

ある時、金が無いから今日は皆に奢れないと言った時があった。

その瞬間に自分の価値はなくなったのだろう。

皆の顔から自分への友情や親しみを込めた目は消えうせた。

以来、友人と呼べるものは居なくなり学校では孤立。

今手元にあるお金がなんだかとても汚い物にすら見えてしまった。

段々学校にも行かず引きこもる様になった。一日中家で過ごす。

今の引きこもりはなんとも楽しい物だ。ゲームにアニメ、ドラマや動画サイト。

外に出ずとも楽しい事は家の中に転がっている。ネット環境万歳だ!!

しかし、そんな状況を家族はいつまでも放置などしておいてはくれんのだ。

最初は優しく対応していた親や兄弟も次第に厳しく当たるようになりだす。

それでも状況が変わらないとどうなるのか?最早家の中では自分はいない存在だ。

誰も話しかけても来ず、家の中ですれ違っても目線も合わせない。

なぜこうなったんだろうか?自分は何を間違って生きて来たんだろ?

前のような普通の生活に戻りたいと思う自分がいる。でも戻り方が分からない。




そんな日常が続いたある日、家族が食事をしている時だ。

トイレに行こうとリビングに近づいた時皆の話し声が聞こえてきた。


兄「父さん、あれどうすんの?いい加減何とかしないと近所の目もあるし」

父「そうだなぁ…私も考えているのだが…」

妹「もうあれと顔を合わすのも嫌なんだけど~。周りの友達もあれ知ってるのも何人かいるしね」


ちなみに会話中に出ているあれというのが自分だと気付いたのはこの時が初めて。

そうか、家族中ではあれで共通認識が持たれてんだな。


母「…私はどこかの施設に居れようと思っているの。もう私たちでは手におえないわ」

兄「ああ、テレビで見た事あるね。いいんじゃない?俺達頑張ったよ」

妹「賛成賛成!!」

父「…そうだな。いつまでもここに置いといても仕方がないしな」


その後家族はいつも通りの会話に戻っていった。

あの会話の感じでは施設に居れた自分がどう変わるかよりもここから居なくなる方が嬉しいらしい。

そうかそうか、ここまで来ましたか…

部屋に戻りいつものベッドの上に寝転がり、また自問する。

自分は何を間違ってここまで来たんだろう?何を失ってしまったんだろう?


鬼「ここから出て行くか…それもいいか…

ここじゃない何処かなら…今度はうまくやれるのかな?」

?「う~ん…いい匂いだ。落ちきった魂のなんといい匂いだ」

鬼「!?」


この家の人間は誰一人自分の部屋には入っては来ないはず。

というか扉開いてねぇぞ!?今喋ってのは誰だ!?

部屋の片隅に一人の男が立っている。小太り…いやあれは充分肥満だな。

出っ張った腹が着ているスーツのボタンに訴えている。

このスーツちいせぇぞと。まぁ、現時点そこら辺はどうでもいい。

問題はこの男が何の用でここに居るかだ。


鬼「あんた誰だ?まさかもう施設の人間が迎えに来たとかか?」

?「施設?ああ、お前の家族がここからお前を除外し、自分たちの平穏を取り戻す。

そのために金銭という対価を受け取り、お前をここより連れ出しに来る人間。

という意味でいいのかな?」

鬼「えらく長ったらしいがそう意味で結構だ。まさかもう来るとは思わなかったけど」

?「フム…であるならば半分当たり、半分はずれか」

鬼「ああ?」

?「私は対価も受け取っていし、お前の家族に頼まれたわけでも施設とやらに居れる気もない」

鬼「それがはずれの部分か?じゃあ当たりの部分は?」

?「ここではない何処かに連れていくというのは当たりだ。ぜひ君に来てほしい所があるのだよ」

鬼「…お前俺に何の用があるんだ?」

オ「おお、やっと聞いてくれたか。本来なら一番最初に聞かねばならんところだぞ?

では自己紹介から。私の名前はオディアス。そうだな、ここでは無い世界の神様。

という所だろうか」

鬼「…一応話は最後まで聞こうか」

オ「お前はここに居たくは無いのだろう。というより…家族が居させてはくれまい。

であるならばこちらに来ないか?何、必要な物はすべて用意しよう。

お前は身一つで来ればいい」

鬼「必要な物とは?」

オ「新しい家族、環境、まったく違う世界。おおよそお前が今欲しいと願う物」

鬼「…いいね。冗談にしても喉から手が出るほどに…羨ましいね」

オ「なれば乗るか?」

鬼「神様に騙されるのも面白そうだ。ここに居てもどうなる事でもなさそうだし」

オ「ではようこそ。行く世界の名前はヘルグオーネ。お前のやっているゲームのようなファンタジーだ。

おっかない化け物、使った事の無い武器、世界を砕く魔法!希望と危険の混ざり合う世界だ!」

鬼「何!?ちょっと待て聞いてな…」

オ「では坊や!死なんようにな!」


この言葉を最後に自分の記憶は途切れている。

ゲームみたいなファンタジー?…まぁ、いいか。

ここじゃない何処かなら…

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