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3.名もなき感情



ここ最近は、心が晴れない。

学校は楽しいし、勉強や部活だって真面目に勤しんでいる。

ふと思い浮かんだのは、先日プリントを拾ってくれた同級生だろう生徒。

ちゃんと礼を言うべきだと思うのだが、クラスも名前も知らないことにはどうしようもない。

ただ、気になったのはあの目。光を失ったような色、そして何か惹きつけられるものを感じた。率直に言えば、特殊、で具体的に言い表わしようがない。

あれから、1度も彼女のことを見かけたことはなかった。


そうこうしているうちに、月日は流れあっという間に進級する。

この1年で、彼女に再び会う機会はなかったためかいつの間にか、心の奥底へしまい込み忘れかけていた。まあ、対して気にすることでもなかったことは事実だったのだが。


だが、偶然は突如として嵐のようクラス替えによる新しいクラスで起こる。

なんと、同じクラスに彼女の姿はあった。

見慣れぬ者の多い中、出席番号順の席で彼女は俺の後ろの席だった。

思わず凝視してしまったため、彼女と目が合い、不審そうな顔をされた。否、彼女の表情はあまり変わっていなかったように思う。あの時のように口元は引き結んでいて、感情を表に出さないのかもしれない。

慌てて生徒名簿に目を向け[朱桜咲]という、名前を見つけた俺は心の中で感極まる。

どうしてかは知らない。俺はこの感情につく名前を知らなかった。


____もしかしたら俺は、この時から

接点などないまでに朱桜咲という人間に惹かれていたのかもしれない。


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