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本日3回目の投稿です!
「ほぁああああッ⁉」
取り繕うことも忘れてクリスは素っ頓狂な声を上げた。が、我が肉体に一片の恥じるところなし、とばかりに曝されたアネッサ嬢の見事な裸体よ。白く透き通るような肌に、年不相応に実った胸の果実――その薄桃色の先っぽまで丸見えだ。括れた腰だが適度に肉が乗って、安産型の尻に、むっちりとした太腿、そして、股間の金の――。
「ふふっ、流石にじっくりと見過ぎですわ。見せているとは言え、そこまで舐め回すようにされれば恥ずかしいものと――気持ち良いものがありますの」
「ッ⁉」
クリスは慌ててバッと顔を逸らした。が、その反応こそが後の祭りである。
「あら、どうして顔を背けられましたの? 同じ、女同士である筈なのに。耳まで真っ赤に染められて まるで殿方のような反応ですわ。尤も、わたくしの裸を見た殿方はおりませんでしたが。――これまでは」
愉悦を含んだ声音にクリスは死ぬ思いである。
クスクスと妖精のような声で笑っているのだが、それは小悪魔を通り越して大悪魔の笑声。アネッサは大きなモノをたぷりたぷりと揺らしつつ、クリスの這入っている湯船へと近づいて来た。
この館の風呂は、伯爵家令嬢に相応しい大きさのものである。普段はアネッサが侍女を伴って入浴し、侍女達、女騎士達も大人数で入れるほどには広い。アネッサは湯船の縁へと近づくと膝を折って、桶で湯を掬うと自らの豊満な肉体へとかけていた。
――うっ、うわぁ……ま、丸見えだ……。しゃがんだ所為で、ちょっと、引っ張られて……うわぁ、うわぁ……。
「熱心な視線ですわ」
「うっ!」
「クリス様は真摯に紳士を務められてはおりますが、興味は津々であるご様子。視た通りですわ」
「な、何を言って……」
「ふふっ」
クリスが動揺すれば、アネッサは楽しげに――愉しげに嗤った。
「わたくし、知っておりますの。貴方様がクリスティーナではなく、クリスという少年であることを」
ちゃぷり、と湯面が波紋を描く。
ちゃぷり、ちゃぷり。
アネッサが見事な足を湯船へと沈ませ、クリスへと近づく。
湯面を波打たせながら、裸身を曝すことを躊躇いもせず 否、その頬が淡く赤らんで、緑の瞳が潤んでいるから、羞じらってはいるのだろう。ただし、彼女は羞恥よりも欲しいものがあった。
「クリス様」
クリスの真正面に裸身のアネッサが立った。その妖艶で豊満な肢体に、クリスは目を奪われた。中でも目を奪われたのは、
――っ、でっかぁあ……。
説明は不要である。
「ふふっ、大きいお胸が好きなようで重畳ですわ」
「うぅっ!」
たぷりと揺らしてアネッサはしゃがみ、クリスの横でぴっとりと身を寄せてきた。馬車の中とは比べ物にならないほどの感触だ。
「ア、アネッサ様、どうして……」
「それは、貴方が欲しいからですわ」
とアネッサはクリスの肩に頬を乗せながらそう言った。
「こうしてわたくしの躰を魅せつければ、わたくしのことを気に入ってもらえるかも知れないでしょう? そして、逃れられなくするため。クリス様の人柄として女性の裸を見て逃亡、もしくはヤり逃げなど、そのようなことは出来ませんし、『姫騎士』の〝制約〟とも呼べる、姫騎士らしくあることにも引っかかって、『姫騎士』の効果を下げることになりますでしょう?」
歌うように、むしろ愉しげに語る彼女にクリスはパクパクと口を開閉して何も言えない。
「そしてそれらのことを何故知っているか、と言いますと、クリス様の〈エルピス〉が『姫騎士』であるように、わたくしにも特殊な〈エルピス〉がありますの」
そこでアネッサは、クリスにその透き通るような緑の瞳を向けてきた。
本当に、透き通るようで、見透かすような瞳であった。
「『真実の瞳』。これで貴方様を覗いてしまいましたの。はじめは助けてくださった貴方様に申し訳ないと思っておりましたが、危険人物が近づいて来ても困りますので、使わせていただきました。それで視てしまいましたの」
アネッサはクリスの耳元にその可憐な唇を寄せて来て、湿っぽい声音で、
「貴方様が、男性、ということを」
アネッサのしなやかな腕がクリスの躰へと回って、むにゅぅっと柔らかく大きなモノが潰れた。それに、硬さの違う一部分だって。
クリスは思わず唸り、クリスの反応にアネッサはウットリとする。
だが、そこに嗜虐的な色はなく、ただただ蠱惑性と、恍惚感が座していた。
「ですが、助けて下さった貴方様が男性であった。それだけで好きになったわけではありませんの」
しっとりと、クリスに沁み込ませるように。
「――法、」と彼女は熱く甘い息を吐いた。「わたくしの眼は見てしまいましたの。貴方様の〝真実〟を。――正直、驚きましたわ。このような方がいらっしゃったなど。貴方様は自身の〈エルピス〉のために、弱きを助け強気を挫く。それでいて高潔可憐、清廉であろうと努められている方でした――いいえ、努めているとだけ言えば失礼ですわね。確かに努めてはいるものの、貴方様は元からそれでした」
抱きついたままの彼女からは、火照った体温が伝わってきた。昂鳴る鼓動さえも伝わるようだった。
「――法、そうですわ。わたくし、昂奮していると同時に昂揚しておりますの。殿方を誘惑するというこの状況に。そして、貴方様のようなお方に出逢えたこの幸運に。わたくし、この瞳のおかげで様々な汚いものを見てきましたわ。かつて婚約者であった者だって……。皆、わたくしに見透かされていると知って、自ら去ってゆきました。当然、お父様も、お母様も……」
その言葉には深い諦観があった。
「アネッサ様……」
「ふふっ、そう言うところですわ。自分が見透かされて、勝手に視られたと言うのに、貴方様はそれでもわたくしを案じてくださる。――本当に、貴方様のような男性ははじめてですの。絶対に逃したくないと思ったほどには」
「えぇっ!? ンぐぅっ!」
クリスが驚いたのは、裸のアネッサがクリスに跨ってきたからだ。そして、その豊満な果実で顔を覆ってきた。
「クリス様、このような方法となってしまい申し訳ございませんが、わたくし、既成事実を作らせていただきますの。クリス様をしっかりと繋ぎ止めておくため――むろん、クリス様が絶対に嫌と言えばいたしません――が、わたくしの眼は見抜いておりますわ。クリス様はこの状況に、たいへん昂奮してたいへん悦んでおられますわね」
「んぐむぅうッ!(その通りだけどォッ!)」
〝真実〟が見抜ける瞳など厄介なことこの上ない。
そして彼女は言うのである。
「それに、わたくしがこうも自分を抑えられなくなったのは――。クリス様、はじめてわたくしを見た時、一目惚れしてくださいましたわね?」
「ンぅううう~~~~ッ!」
クリスは一目惚れの相手に裸で圧し掛かられ、それどころか裸のおっぱいで顔を覆われてもはや何も言えやしないのだ。
「だからこそ、わたくしも止められなくなりましたの。それに、止まりたくありませんの。何せ、こうでもして先手を打たなければ、クリス様には、他にも――ふふっ、ご安心くださいませ、わたくしは貴族令嬢です故、側室を持つことには寛容ですの。わたくしを愛してさえいてくだされば――アァ」
悩ましい声を上げた伯爵令嬢は、その一歩を踏み出そうとしていた。
「それではクリス様、はじめての女の味、ご堪能くださいませ。わたくしも、存分に堪能させていただきますので。ふふっ」
ペロッと潤わされたピンク色の唇。
そして、
「アッ、あぁあっ――」
クリスは、出逢ったばかりの伯爵令嬢に、その日のうちに美味しく食べられてしまったのであった。
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