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オオバケ!   作者: 羽兎
第三章〜急襲〜
41/47

護衛班の巻

零細の、〇〇○

───裏切り者(ユダ)がいる……


 そう、飛麿や尾上を"W.C"と思い込ませ、情報を錯乱させた裏切り者がいるのだ。AF本部が敵の襲撃を受けている理由はそいつに違いない。



 

「俺は……話したぞ……()()……」


 


……ドサッ!



 飛麿がそう言葉を放つと、猪狩と飛麿は2人してその場に倒れた。


 

───猪狩は禁断症状の代償として意識が薄れ、その時の記憶が無くなっている。そして、飛麿はやはり死亡したのであった……。





────そして現在



「どこから火の手が上がったのか知らないが! 全力で敵を見つけ出せ! 手の空いた者は猪狩弘を護衛しろっ! 解散!」



「オォォォォッ!」



 敵襲による緊急集会が執り行われている中、辺りの

炎は建物を巻き込み、鎮火できそうにない程まで燃え上がっていた。


 大半が敵を捜索する中、特別に猪狩の護衛に選ばれたのは17,18班の人員である。



「……10人で大丈夫なんか?」


 関西弁訛りでそう唱えたのは17班の一人。見るからに猪狩と同年代で、歯抜けで丸坊主。


「あぁ……俺たちなら良いだろう……」



「それより、お前達! 何故ここにいる!」


 男がメルとエネを指差しながらそう続けた。



──A.Fには、戦闘員と非戦闘員がいる……。戦闘員はそれぞれ班分けされて、その名の通り戦闘を行う。

 非戦闘員とは、メルやエネの様に、預言者や管制、取り締まりや技術開発などを営む者のことだ。


  この非常時、消防隊と救急隊以外の非戦闘員は緊急避難しなければならないのだが……




「エネ……早く避難して来なさい!」


(お前もだろ……この鳩め!)



 メルとエネは、猪狩の護衛チームと共に行動していたのであった。




「いい……私も着いていく。大体この火の海からどうやって出ろっての?」


「確かに……私の氷でもこれは無理ね……」



 唯一の突破口である地下通路は、敵が潜む可能性がある為安全が確保されるまでは通れない。

 猪狩達は完全に、司令塔を取り巻く火の海に閉じ込められたのであった。


「取り敢えず、地下通路が開くまで待つしかないな」



「ねぇ……それより、自己紹介してよろしい?」


 猪狩の後ろに立っていた背の高い女がそう尋ねた。



「あぁ……俺も早く顔覚えたい」


 猪狩がそう言うと、まずは先程の歯抜け男から17班の自己紹介が始まった。



「わいは鷲上尊(わしがみそん)ちゅう者や。空飛べるんじゃ。でも人をば乗せきれん……」


 鷲上はそう言うと、鷹の様な羽を背中の肩甲骨辺りから生やして空を舞った。真影は"鷹の翼(バード・ストリーム)"。



「私たちもあまり知らないね、この人!」


「あぁ……面識は少ないな」



 すると今度は、猪狩の真正面に座っている赤いショートヘアーの……如何にも怖そうな男が話し始めた。



「よぉ、猪狩くん。俺ゃ畑端(ハタハタ)だ。端が名前な? 火を操れる能力がある。宜しく」



 見た目とは裏腹に……少し荒そうな少年。17班最年少、19歳で真影は"極炎(フロスト・バーン)"。



「……私は志喜夜……志喜夜紫姫(しきやしき)。22歳独身。体を動かせる」


「……? 健康ですね?」



「あ……体を分解して動かせる」


 声が低く、見た目の年齢より若干老けていて、何よりこの中の誰よりも背が高い(188cm)。真影は"細限(リトル・リミテッド)"。



「最後は僕だね〜?」


 (あ、こいつ確かさっき部屋にいた……)



鷹星蒼(たかぼしあおい)。何キロも先が見える脅威の能力だよ〜! 何でもお見通し」


 鷹星蒼……零細、そして猪狩とは同年。真影は"先裏眼(アイ・クライシス)"……要するに千里眼。



「零細くんとは古い仲だよ〜」



「え? そうなのか零細?」



「…………」



一同の間に何故か、絶妙に長い沈黙が流れた。







「知り合いって言うより…………従兄弟」




「…………え!?」







 

 

アイ・クライシス→非常の目ね?

目が危篤状態なわけじゃないよ。


それと、17班は4人構成です。めんどくさいから。


それではまた次回!

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