闇と光の巻
情報の、行き違い
―猪狩、トンネル戦にて……
―それは、毒使いの城名飛麿と戦っていた最中の事だ。
「バイバイ、僕……」
さっきまで目の前に居た猪狩が、何故か背後に立っている。あまりに速かったせいか、飛麿はいつ猪狩が移動したのか見えなかった。
「……え? お前もしかして……」
飛麿が何かを言いかけたその時だ。突如トンネル内の照明がつき、2人は眩しさで目を瞑ってしまった。
猪狩は目を開けるも、明るさに慣れずにいた。すると、何も見えない目の前から何かが聞こえて来た。
ジャキッ……!
「……あぁぁぁっっ!?」
鋭い刃の音と同時に聞こえてきたのは、苦痛を帯びているような飛麿の悲鳴……。その数秒後、突如悲鳴が鳴り止んだ。猪狩は恐る恐る目を開けるとそこには……
「おい……? 何だよこれ?」
何故か飛麿が、トンネルの壁の淵で飛麿が血塗れで座り込んでいる。猪狩は、その壁の後ろで何かが蠢いているのを目撃した。
「……腕? うぇっ……気持ち悪!」
飛麿を避けて壁の方へ近寄ると、壁から蠢いていたのは腕―壁から生えた腕であった。
「後ろ……どかせ……」
突然飛麿が喋り始めた。飛麿が震えた指で背中を指し、猪狩再度飛麿を壁から引き剥がした。するとそこに見えたのは……
「何だ……このマーク? W……C? トイレ……?」
飛麿の背中には無数の小さな穴……その背中の右上には、紛れもない『WC』の文字が刻まれていたのであった……。
「WC……俺たちの名前だ。いや、名前だった……俺は奴らを裏切った……」
(WC……そう言えば零細が呟いていた……)
「一度……刻まれたら……消えない。このトンネルは多分、このマークに反応したんだろう……。でも、やっぱり薄まっていたな……」
飛麿がWCでは無いと知った今、猪狩にはある疑問が浮かび上がっていた。
「裏切ったなら……何で俺を?」
「それは……言えない。だが……お前達は……俺達がWCと思ってる。そうだろう?」
……そう、飛麿の言う通り、彼も尾上もWCでは無いのだ。
(―じゃあ何故お前も尾上も、俺を狙って動いた?)
―それも、態々WCが攻撃してきたこのタイミングで……。
「俺たちは……GL。お前らと同じで……WCと敵対する……謂わゆる叛逆者だ」
「……じゃあ何で俺たちと手を組まない?」
禁断症状が切れたせいか、猪狩は意識が朦朧としてきた。飛麿も同じ様に苦しみが襲っているようで、声を出す度に口の中から血が吹き出している。
「目的が違う……。お前らはあくまで佐野惟兎を奪還する……だが、俺たちは奴らを直接倒す……!」
もうすぐ死ぬ男の目とは思えないほど、その目はギラギラと野望に燃えたぎっていた……。
「何が……お前達をそこまで変えた?」
羽外山の様な……異様な殺気のあるWCを裏切った……何をそこまでする必要があったのか? 猪狩はそう思っていた。
「はは……お前達は知らないか……。PW4を….…」
―PW4……それは、尾上戦でご存知の通り真影の力を最大限引き出す能力。
「……だが、寿命が縮む。俺達はその実験台さ……」
「……つまり、WCに何かさせられたって訳か……」
「ああ……打ち込まれた。だがしかし……驚く事にだ」
蚊の鳴く様な、微かに聞こえるかの様な声に段々となってきた。
「この麻薬……WCの紋章の縛りを薄める事ができた訳だ!」
―縛り……それはWCの紋章に刻まれた、"自分の内なる力"を生み出す、"心の縛り"……。
「つまり、縛りから解放された! 俺たちは自由になった……それが、寿命が短く? ふざけるな!」
声が出ないはずの飛麿が声を荒げてそう吠えた。
「……お前達は、俺たちがWCと思い込んでいる……」
―そう、その少し前……それは、飛麿によって語られた、衝撃の事実の事であった……!
「どうしてだ? じゃあ何で零細達はお前らを……」
「ああ……AF(お前達)の中に"裏切り者がいる」
最近ハマってる事〜
一、単語短縮(芸術選択→ゲーセン)
二、エセジョジョ語録(例:どうやって自分が死んだのかを!)
三、雀魂
ではまた次回、お会いしましょう♪




