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オオバケ!   作者: 羽兎
第三章〜急襲〜
39/47

本部急襲の巻

猪狩、落ちる


カチ……カチッ……



……いつしか、聞こえるのは時計の秒針の音だけとなっていた。富士谷の姿が消えてもう何分経ったことだろうか……誰もその場を動こうとしない。



「…………」


 4人に流れる冷たい沈黙の中、猪狩が部屋を出て行った。



(―やっぱり俺のせいじゃねぇか……俺が貰ったの、何でお前の真影なんだよ……何か秘密でも―)



 その時だ。猪狩に突然寒気が襲った。何とも言葉に表せられない、滞るような寒気が……。


 そんな間もないうちに、本部全体にある一件のアナウンスが流れたのであった……。




―緊急連絡、緊急連絡……B03にて侵入者あり! 総員直ちに戦闘準備……―



「何だ? 訓練か何かか……?」


 猪狩が思考を巡らせる暇もなく、事は起こった。




「猪狩! 後ろぉぉぉぉぉ!!」


 


……ドォォォン!



 零細の叫び声と共に、猪狩の背後から鳴ったのは何かが爆発する音……。猪狩が爆音を聞き取ると同時に後ろの窓が割れ、外からの爆風が猪狩の体に押し寄せた。



「……っ!」


 間一髪零細が猪狩に覆い被さり難は逃れたものの、爆風と爆発により猪狩達のいる渡り廊下が崩れ落ち、猪狩と零細は病院の6階から頭から落ちていった。



「おいおいおい!? 零細? しっかりしろ!」


 

「二人とも!!? 嘘でしょ!!?」


 猪狩が上を見ると、渡り廊下の裂け目の部分にエネが立っている。手を伸ばして猪狩の足を掴もうとするも……



「……え? 嘘だろ……!?」


……微妙な所で届かなかった。落下速度は更に速くなっていく……。


「待ってて! 今下に行く!」


 そうは言ってもここは6階……今から行った所で間に合わない。猪狩はもう諦めていた。



「零細! ごめんな……俺を庇って……!」

 

 猪狩が零細の体に触れると、彼の背中にはいくつものガラスの破片が突き刺さっていた。猪狩を庇ったときに窓の破片でやられたのだ。

 更に不運なことに、爆風に当てられたからか零細は気絶している。



「頼む! 誰か! 助けて!!! 死ぬ〜!!」



 零細を抱いて頭から真っ逆さまに落ちているからかものすごいスピードだ。もうすぐ3階辺り……地上まで8mに迫っている!

 猪狩が死を覚悟したその時、司令塔の方から誰かが中を飛んでくるのが見えた……そう、雁野達だ。



「偶然……裁判所残っていてよかった……待ってて!」



 雁野はそう言うと、真影の力で自身の腕を20mほど伸ばし、地上ギリギリで猪狩と零細の下に手の網を引いた。猪狩は零細と共に、手の網の中央に着地……間一髪だが助かったのだ。



「ふぅ……ありがとう……みんな」


 ふと振り返ると、18班班員に加え鷹星と葉桜、それにもう1人、得体の知らない大男……その8人が揃い踏みしていた。



「零細! 起きろ零細! 助けに来たぞ」


「クリスタルスノウ"(クイック)"! 速く抜いてあげて!」


 冬香の瞬間冷凍でガラスを凍らせて止血させ、応急処置は済んだのだが……零細の脈がない。



「いったい何があったんですか!?」


 突然の放送と爆発に猪狩は追いついていない。いったい何が起こったのか……?



「B03……即ち、ここの近くにある入り口が誰かにバレて、ここが襲われたんだ」


「それで今私たち緊急召集中よ! こんな事今まで無かったのに……」




―近くの入り口……AF本部には入り口が計三箇所ある。

 


・一つ目が今襲われた場所(藤港の何処か)。本部の総司令塔付近に通じている。


・二つ目が零細達が使った暖炉の古家。ここは本部の班員棟に通じている。



―そして三つ目、猪狩が使った風吹山トンネル……



……AF西端に通じている入り口もまた、敵の手に堕ちようとしているのであった。それは何故か……








―時は少々遡る……

 

三部、いよいよ本格的に始動します。


1話からから誰が見てるのか知らんけどありがとね♪


では僕はこれで。


また次回お会いしましょう♪

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