いざ、突入の巻
富士谷が時を巻き戻したのは6:20ちょうど。
その設定で読んでね
富士谷、能力発動から59分……遂に残り1分を切った。間一髪の所で猪狩達は裁判所にたどり着いたのだった。
「いや……まだです! 早く会わないと!」
「そう言えば……何で急いでんの? 後……何で私までついて来てるのかしら……?」
話すことに夢中になりすぎたせいなのか、ふと我に返ったエネがそう考え始めた。しかも大分疲れた様子で……。
「まぁ……取り敢えず急ぎましょう……ハァ……」
鳩ながら当然こちらも息切れ状態だ。勿論猪狩も……
「取り敢えず入ろ……あれ? あの男の人は?」
いつからいなくなったのか猪狩の姿がない。急がなければ間に合わないのだが……
「あれ!?………いない!?」
その時だ。裁判所の中から大きな声が聞こえて来た。メルは何か嫌な予感がした……!
(まさか……?)
そう、そのまさかだ……。猪狩が単身突入しているではないか!
猪狩はその数十秒前、時計を見てあることに気がついた。自分がつけていた時計は満のもの….…いつ取り違えたのか知らないが、あの時満が調整していた時計を付けていたのだ!
話に夢中で時間のことなど猪狩に任せきりだったエネは気付かなかった。猪狩と自分の時計がほんの数十秒ずれていたことに……。そう、猪狩はそれに、奇跡的に気がついたのだった!
扉の前から怒りの叫び声が聞こえる。必死に叫んでいる!
「富士谷!!! 猪狩だ! 後10秒だ! 助けてくれ!!!!!!」
猪狩の声が聞こえて、扉越しにいるエネは急いでんの自分の時計を確認する。
ー7:19ー
そしてカチカチと不気味に動いている秒針が指すのは…………10の針。
「メル! 早く!」
時計を見ていち早く危機に気づいたエネがメルに指示を促す。裁判所の中でざわめきが起きているのが聞こえて来た。
法廷では猪狩の一言で富士谷が一目散に席を立ち、猪狩も富士谷の方へと向かっていた。
バタン!
猪狩の背後の扉が開く。中に入って来たメルが法廷内の時計を見る。後5秒、4秒………
「こっちへ!!」
3人が焦っていることに気づいた富士谷は、一同の方へすかさず手を伸ばす。もう少しで届く……。後数メートルで……。
富士谷に手を触れる直前で、ふと猪狩はあることを思った。
(富士谷は……俺たちに触れて、それからどうなる? まさか……!)
とても嫌な想像をしてしまった猪狩は富士谷との接触をためらった。
(猪狩さん!? 何してるんですか!?)
(早く進んでよ! なんか知らないけど……って私まで何走ってるんだろ……?)
猪狩が止まっている間にも時計の針は着々と進む。
富士谷はもう目の前だ。
58、59……
ー7:20
周りに流されやすいエネさん。可哀想な設定。
次話すこし開くかも……? 要注意です。
またのお越しをお待ちしております♪




