猪狩弘、裁判開始の巻
蛇足が多くてキャラ不足
───三階です
舞台は崖の孤城から、本部の西に位置する『総司令塔』へと移る。
司令塔のエレベーターの扉が開くと、中から押し出る程の人が湧き出して来た。中には猪狩と満も混じっている。
「怖がらないで。上はちょっと……怖いから」
満が震えながらそう話す。2人は誰もいない中央広間を通り、『第一裁判所』と書かれた看板表記に従う。
「……誰もいないですね」
猪狩の審議に関わるのはAF総員。満からそう伺ったにも関わらず、裁判所手前に人影が見えない。
「みんな……もう着いているのかも…………あ」
満の腕時計を傍から覗く。
───7時5分。
「しまった……忘れてた。走るよ」
「えっ!?」
───既に5分遅れ。二人は全速力で法廷へと向かい始めた。
「……ダメ。絶対終わった」
「……んな事言わないで下さいよ」
裁判所までは案外遠かった。体力の無い2人は息切れし始め、走るスピードが落ちて来た。
「ハァ……もう無理!!」
「どっ……どうするんですか!!」
「急ぐしか……無いね。はぁ……」
「上って……そんなに怖いのかよ!?」
普段の落ち着きを忘れる満は、猪狩の不安を尚更掻き立てた。
「ハァ……ハァ……あそこですかぁ!?」
「………」
声も出せない程走り終えた満のだろうか、満が小さく頷く。
「ふぅ……着い……たのか?」
「…………!」
満は静かに頷き、猪狩の方を見つめる。ハンドシグナルで何かを伝えている。
(左……人……? 注目……? 訳わかんね……)
彼女は恐る恐る扉を開け、猪狩は後に付いて中に入って行く。
「……おs」
「遅れて申し訳ありませんでしたっ!」
議長らしき人のお叱りの前に、声の出せない満に代わって猪狩が頭を下げた。
(…………)
猪狩に向かって瞬きを瞬時に39回、目でサインを送った。
「……もう良い! 理由は問わん……!」
猪狩に圧迫されたのか、議員の一人が冷静を取り戻してそう唱えた。
「被告と証人が揃った。これより、猪狩弘の本人証明と、居住権獲得の審議を執り行う!」
───第一裁判所。全構成員と上層部を収容できるその面積は、およそ国会議事堂が一個分。
猪狩は広い法廷の中央に立ち、証人の満は、少し離れて立っている。
(裁判員……男3人、女3人か……)
議員の人数を数えて視線を右に逸らす。最前列に零細達の班員が座っている。
(アイツら先に来てたのか……?)
「証人。何か?」
裁判長らしき男が満の方を見ながら、低い声で唱えた。振り返ると、例のサインで何かを伝えたがっている。
「…………?」
「……すみません。誰か、紙とペンを貸してやって下さい」
猪狩が咄嗟に対応する。門番が満にメモ帳とペンを渡した。
ー証人交代を要求しますー
声が出せない為か、満は満は証人席から立ち離れた。
「えっ? ちょっと待っt……」
「証人交代、承知した。では猪狩弘、貴様の望む者を指名しろ」
猪狩の言葉を遮って裁判長が命令した。猪狩は未だ戸惑っている。
「いや、だから……」
「何? ではこちらから指名するz……」
「待って! 待ってください!」
今度は猪狩が裁判長の発言を遮る。猪狩は自身の右に顔と手を向けて指名した。
「零細……零細義隆を指名します!」
気づけば27話。早いですねー。
走馬灯から始まりもう30話。内容は結構ですね。いや結構すぎるかもしれません(伝われ〜)
後3話位で二章終なので、何か名言作りたいです。迷言ばっかなので……。
それではまた次回、お会いしましょう♪




