特殊な能力の巻
各々の、真影
「羽外山?」
その名を聞いた猪狩の頭を掠めたのは、羽外山戸一郎顔である。
「リーダー、もっと詳しく!」
(リーダー?)
「ダメ……上手くいかない…………」
(本当にこの人がリーダーなのか?)
それまで、零細がリーダーだと思い込んでいた猪狩は少々驚き気味で尋ねた。
「あなたがリーダー? 宜しく……」
猪狩が挨拶を言いかけた時だ。
「…………うるさいっ」
満が急に呟いた。
「満は集中していると少し……」
(『集中』……?)
足を更に踏み込む。その時、彼女の言う意味が漸く分かった。
彼女の方へと近づく度、寒気が襲う。目には見えない、何か異様なものを感じ取ったのだ。
「あんた……見えてないね」
満が猪狩にそう言った。隅の方は暗く彼女のの顔がよく見えなかったが、見るからに髪はボサボサで埃っぽい服。引き篭もりの様な状態の人がそこにはいる。
(……見えてない?)
「ほら、見えてない。そこから先はダメ」
満がそう警告したが、猪狩は更に一歩踏み込む。徐々に零細が焦り始めた。
「おい猪狩! それ以上は近寄るな! 結界が!!」
次の瞬間、猪狩の体に何か白い細いものが巻き付く。
「猪狩くーん! ほれ!」
糸に寄せられる先を見る。雁野の指が糸状に変化して、こちらに伸ばしている。
ぎゅるるるる!!
糸は勢いを増して雁野の方へ戻って行く。同時に猪狩も寄せられる。
「何だ……コレは!?」
「"紡糸"。体を糸状に変える僕の真影だ」
(真影……? あ、確か零細の……)
気がつくと猪狩は、雁野の目の前に立っていた。
「うおっ!?」
「前に話した通りだ。我々は皆、特殊能力、『真影』が使える」
猪狩の疑問に答える様に零細が説明する。
「あー! ハイハイ私から」
藤峰が自身の真影を説明し始めた。
「私のは、"雪の結晶"っていうの! 辺りを絶対零度にできるのよ」
(サラッと怖いこと言ってる……!)
「え〜と、琉くんはもう終わったから……戸愚呂ちゃん」
彼女は戸愚呂の方を見てそう渡す。
「俺は"陰の使者"。近くに陰があれば、生物も、人間にも、憑依できる……」
「相変わらず物騒だよね!」
猪狩は素早く雁野の影から抜ける。後になって、自身の影がある事に気がついた。
「ふふ……次は……省吾さん!」
「えーと……私はですね、"貧者の王"。自分が追い込まれていく時にしか発現しない、戦闘に向かないヤツです」
(……この人の真影、誰が見つけただろ)
藤峰が指名する前に、零細が始めた。
「えーと、俺はさっきのアレだ。"保護防衛"。自分の半径100mなら、攻撃、自然現象、そこの中にある限り、影響しない」
(……最強)
またもや猪狩の疑問を晴らす様に零細が続ける。
「もちろん穴はある。距離が広ければ広い程負担が掛かる。それに、至近距離にいる場合、仲間を守れない。その為に……」
「私の"全結界」
(…………?)
「今張ってる結界のこと。自分から30m以内にいれば、誰が何をしようと、把握できる」
(それはバリアじゃない気が…………)
「そんな訳で、彼女は今集中している。地上の人間を察知しているんだ」
「地上? ってことはココは……」
「ああ、総合公園の地下20mにある、俺たちの隠れ蓑だ」
何か段々ジ○ジ○風になってきたような……。
まあいいか。
それよか、アホウドリッテノヤッテルヨ
みんな頼むから見てくれ。
ココまでついてきてる人に感謝。
頼むからブクマだけでもして!
あの走馬灯から始まりココまで来ました。
まだまだ猪狩くんの冒険は続きます!
乞うご期待!
それではまた次回、近い内にお会いしましょう!




